わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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2017/3/14
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新型コロナウイルス感染症と皮膚科領域の変化について考える。その1 顔の皮膚病編

2020年に入ってから、望むと望まざるとに関わらず新型コロナウイルスの影響を

社会は受けてきました。

皮膚科領域についても全く同様です。

とにかくいろいろなことが変わってきたというのが正直なところです。

今回まとまった時間が取れたので、その変化について考えてみたいと思います。

特に、どのような病気が増え、減り、あたらに出現したのかについて考えてみます。

 

この半年間の大きな変化というのは、とにかくマスクの時間が増えたこと、消毒の回数が増えたことの

2点があるでしょう。

今回はまずマスクの話をしていこうかと思います。

 

マスクをこんなに長時間使用することになったのは、人類史上初めてと言ってもいいかもしれません。

マスクは皮膚に密着します、従って皮膚はマスクの影響を受けることも当然でしょう。

その影響とは簡単にまとめると、「こすれること」と「蒸れること」の2点です。

一つ一つ説明をしていきましょう。

 

 

まず「こすれること」の弊害です。

マスクは皮膚に密着します。しかし完全にはくっついてはいません。

ノーズワイヤーをしている場合は比較的少ないのですが、

顔面とマスクは動けば動くほどずれます。それにより皮膚がこすれることになります。

そのために皮膚がこすれる刺激に耐えられなくなってしまい、

いわゆる”皮膚が負けた状態”になってしまうのです。

 

皮膚が負けてしまうとまずその部分に赤みが出てきます。

そしてザラつきが出てきます。

更に悪化すると、皮膚が剥けてしまい、浸出液が出るようになります。

いずれも湿疹の変化と言えるでしょう。

 

よくできる部分は鼻の甲、頬骨の上、顎の下のライン、耳の後ろです。

それぞれマスク本体、耳あての部分がこすれることで出現します。

年齢が比較的小さい子と高齢者に多くみられます。

これには理由がありまして、この2者は他の年齢に比べて相対的に皮膚が弱いこと、

皮膚を守るための皮脂が少ないことという共通する要因があります。

なお、耳の後ろはもともと皮脂が多く出ませんので、成人でも結構な頻度で症状が出るようです。

マスクの種類はあまり関係ないようですが、自家製もしくは市販の布マスクをしている人が

多いようです。特に鼻の頭、頬骨の部分にその傾向が強いです。

先ほどお話したノーズワイヤーの有無に伴う擦れの影響が強いのでしょう。

治療については炎症の強い部分にはステロイドの外用剤+保湿剤、

弱い部分には保湿剤の使用を行います。

また、マスクの動きが激しいと思われる方については、ノーズワイヤー付きのマスクを推奨します。

あとはマスクをしない時間を増やしていくべきでしょうね。

 

 

 

次に「蒸れること」の弊害についてです。こちらは更に「二次感染」という問題も出てきます。

詳しく見ていきましょう。

 

蒸れること自体の皮膚に対する影響も当然ながら見られます。

蒸れることで皮膚表面の水分量が必要以上に多くなります。

そのために細胞が水分をすいすぎてしまい、逆に皮膚バリア機能が落ちてしまう可能性があります。

 

また、蒸れる=皮膚表面の湿度が増えることにより、皮膚表面に住んでいる微生物の異常増殖

及びバランスの崩壊により、感染性疾患が増加することが見られます。

具体的には、アクネ菌の増殖によるニキビの悪化。黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌の増殖による

毛包感染症の出現。マラセチアという皮膚常在真菌の増殖による脂漏性湿疹やマラセチア毛包炎の

悪化、カンジダ(真菌)の増殖による口角炎など、明らかに受診者が増えた病気もありました。

例年との違いはいずれもマスク内に特に症状が強く出ることにあります。

ニキビはそもそもが個人差の多い疾患ですので、おでこに多い人、ほっぺたに多い人、

下顎に多い人ととバリエーションは多かったのですが、今年に限っては

ほっぺた、下顎のニキビの目立つ方が非常に多いのが特徴です。

毛包感染症は鼻の頭によくできます。

こちらは蒸れだけではなく擦れも影響しているかもしれませんが、非常に硬いしこりになり、

治るまでに1ヶ月近くの時間がかかることが特徴です。

この病気も明らかに今年増えました。

マラセチアも分布はニキビ同様です。別名大人ニキビというくらいのニキビっぷりですので、

区別は難しいのですが、こちらもニキビ同様に増えた印象があります。

カンジダは口の横が切れる形での症状ができます。体調が悪いと出ることも多いのですが、

今年はピンピンしている人でも多く出現しているように見えます。

治療は増殖している病原微生物に対し、

抗生剤や抗真菌剤を症状に合わせて使用してくことになりますが、

やっぱりなかなか治ってはくれないです。治療に対する反応も悪いのがマスクの悪影响なのでしょう。

 

 

ここまで、「すれること」と「蒸れること」により発生するマスク下の病気についておはなしを

していきました。

マスクをしない生活というのは当分の間考えられませんので、

上手に付き合っていく必要があるでしょうね。

 

現状で考えられる対応としては

・マスクをしない時間を増やすこと。

・マスクを清潔に保つこと。

などがあるでしょうね。

 

誰も居ない道を歩くのにマスクはしなくてもいいんじゃないの?

家に帰ったときに手だけではなく顔も洗って流してもいいんじゃないの?

布マスクであれば、帰ったらすぐに選択をして、雑菌を減らしてもいいんじゃないの?

汗もとれるんじゃないの?

といくつか簡単な対策を取ることができます。

 

新しい生活には新しい生活習慣を作り上げていく必要があるのかもしれませんね。

Withコロナ時代の知識習得

久しぶりに真面目なお話をしようかと考えていました。

連休中ですので時間があるうちに文章にしていきたいと思います。

今回は皮膚科の話ではないので、ご興味のない方はスルーをお願いします。

 

現在、学会に来ております。

お医者さんというのは学会の多い人種でして、常に毎週どこかしらで学会が開かれており、

年に何回かはどこかの学会にでかけていくことをしております。

 

学会の目的は一義的に新規情報の習得です。

今まで見たことも聞いたことも考えたことのない病気、診断方法、検査方法、治療方法についての

他のかたの情報を確認することができ、自分のものにすることのできる機会です。

特にその分野の専門家の意見というものが貴重でして、

文章になる前のナマの情報であったり、文章にするときに削ぎ落とされてしまう「余分」な、

でもそれは実は核心をついているような情報であったりに触れる事が可能になるのです。

 

その学会が、コロナの影響で、ほぼゼロになりました。

現在なんとか一部で復活の兆候が出ています。

今ここです。

 

もちろん学会の目的はそれだけではなく、知り合いの先生にあってお話をして、

近況について確認することもできます。

関連企業の情報もありますので、新規機材の情報について入手することもできます。

それがこの半年ほとんどできなくなっていました。

 

本当に大きな影響を目に見えないレベルで受けていたことが実感されます。

 

多分この影響というのは私達の分野を超えて、様々な専門領域ですべて同時に発生していると。

考えることができます。

 

つまり、社会全体の進歩が半年送れさせられたということになるかもしれません。

 

今後どのような社会が形成されるのか、なんとなくですが見えてきました。

つまり、直接接触の最小化です。

この変化がどのような影響を受けるのか、まだわかりません。

しかし、今までと同様には行かないのは確かなことかと思います。

逆にこの変化が好ましい影響を起こす可能性もありますが、

どうなるのか。

学会に参加しながら少し考えていきたいと思います。

 

最後に大事なのは変わることを恐れないことかもしれません。

考えながら、ときに少しお休みしながら変わっていくことを受け入れて、

少しずつ自分を変えて生きながら、考えながら進んでいく必要があるのかもしれませんね。

 

というお話でした。難しいですねえ・・・

本日よりコレクチムの処方を開始いたします。

新薬のお知らせです。

 

本日よりコレクチム軟膏の処方を開始いたします。

適応症は16歳以上のアトピー性皮膚炎です。

ステロイドでも、プロトピックでもない全く別系統の塗り薬です。

当然併用も可能ですので、治療の選択肢の幅が広がりますね。

 

なお、できたてほやほやの新薬ですので、最初はしっかりとした

検査が必要となります。

随時採血を行いますので、詳細は院内のプリントをご確認ください。

 

新薬の情報でした。

2020年8月14日から20日まで夏休みになります

夏休みのお知らせです。

今年の夏休みは

 

2020年8月14日金曜日

から

2020年8月20日木曜日

までとなります。

 

当初はオリンピック期間内を想定していましたが、

オリンピックも中止となりましたので、

通常通りお盆期間に夏休みといたします。

 

現在COVIDの影響により、予約枠以上の診察は行っておりませんので、

夏休み前後は予約が取れないことが予想されます。

スケジューリングはお早めにお願いいたします。

コレクチム軟膏の使用を希望される方へ

いよいよです。

COVIDの関連でバタバタしているうちに、いつの間にか至近に迫ってきました。

6月24日からコレクチム軟膏の処方が可能になります。

先日電子カルテのデータ更新を行ったところ、登録されていましたので、

システム上の準備も万端です。

あとは当日を待つだけ!ですね。

 

コレムチム軟膏について色々と確認を行っておりますが、

効果、副作用については実際に使ってみないとわからないかなと言うのが

本音のところです。

怖い?もちろんその感覚もありますが、問題のある軟膏を市販することはないので、

焦らず、怖がらずに使用を進めていく予定です。

 

処方する側もそんな感じなので、処方される側ものんびりと構えていただいて大丈夫です。

データが揃ってくればまたスタンスは変わっていくかと思いますが、

今は様子見ですというのも当然かと思います。

 

でも、処方を熱望するという方もいるかも知れません。

その方にはいくつか確認しておくことがあります。

副作用についてです。

副作用というものは治験段階でははっきりと判明するものとは限りません。

たくさんの人の使用されることで初めてわかってくることも多いのが事実です。

なので、最初は慎重に処方を進めていきたいと思います。

検査もしっかりと行いますので、ご了承ください。

今の所考えているのは、

処方前:血液、肝機能腎機能、IgE及び各種IgE、TARC(皮膚の炎症マーカー)

処方1ヶ月後:血液、肝機能腎機能

処方3ヶ月後:血液、肝機能腎機能、TARC

処方6ヶ月後:血液、肝機能腎機能、IgE及び各種IgE、TARC

その後3ヶ月毎に上記検査を実施

と、何回か採血をさせていただこうと考えています。

 

まずもって防ぐべきは生命に影響を及ぼす副作用です。

肝臓や腎臓などに影響は来ないか?造血機能は問題はないか?

処方前のデータと比較、確認を行う予定です。

現在手元にあるデータではそこまで確率の高くない副作用かと思われますが、

念には念を入れさせてください。

あとは、アレルギーの値、炎症の値そのものがどのように変化するのか?

効果確認も合わせて行います。

もちろん、見た目での症状やかゆみの強さと行ったものも診察を行いながら

確認をしていきますが、どうしても主観的な判断になってしまいます。

そのために客観的なデータとしてIgEやTARCといった数字で確認を進めていきます。

 

使いべきはしっかりと使用し、問題を未然に防ぐ、

そのために必要な検査はさせていただければと考えております。

申し訳ありませんが、そのようなスタンスで処方を行いますので、

採血検査に同意された方のみ処方させていただくという形になります。

今後、処方患者数が増加し、問題ないことがわかってくれば、

検査方針も変更を進めていきますので、

「とにかく採血がいやだ」という方につきましては

もうしばらくコレクチムの使用はお控えいただければと思います。

 

なお、現在コレクチムは16歳以上のアトピー性皮膚炎の方のみ使用可能となっております。

2歳以上の小児についてはもうしばらくお待ち下さい。

よろしくお願いいたします。