秋の毛虫の季節になってきました。
当院にも受診される患者さんが多くなってきた印象があります。
ほとんどの人は家のそばで刺されているのですが
井の頭公園で刺された患者さんが来院しました。
どうも池の周りに張ってある柵に体をつけた所、そこに沢山毛虫が居たようですね。
真っ赤になっていました。
ということで、公園にも毛虫、沢山出ているようです。
注意が必要ですね。
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
秋の毛虫の季節になってきました。
当院にも受診される患者さんが多くなってきた印象があります。
ほとんどの人は家のそばで刺されているのですが
井の頭公園で刺された患者さんが来院しました。
どうも池の周りに張ってある柵に体をつけた所、そこに沢山毛虫が居たようですね。
真っ赤になっていました。
ということで、公園にも毛虫、沢山出ているようです。
注意が必要ですね。
いや、これは昨年末くらいから少しずつ受診される方が居たんですけどね。
ここ数日一気に増えてきた印象があります。
1周間で10人弱来院しているので、もう流行していると考えても良いかと思うのですが。
まず年齢
赤ちゃんから乳児、保育園児が多いです
幼稚園児もいますが、少ない印象。
小学生以上にはほとんどいません。
症状
痒みはあったりなかったり。
手のひらと足の裏に赤い発疹が出てきます。
数日のタイムラグが有るかないか。1週間以上はあきません。
手と足の両方に出るのが特徴。
そして、左右は同じように出てくるのが特徴です。
場所は手のひら、足の裏は必須。
そして、肘や膝、手の甲や足の甲にも広がったり出てくることもあります。
時には耳に出るようです。
経過
大体1ヶ月で引くようです。
まず。赤みが出てきます。最初は点状。
それが融合して手の平足の裏全体に広がっていきます。
そして、パンパンにむくんでしまいます。
大体症状が出始めて1から2週間。
その後は徐々に引いてきます。
一部から皮が剥け、それが全体に拡大し、
シワシワになりますが、最終的には引いてしまいます。
これで1ヶ月位。
どうもみなさん同じような経過を取るのは不思議といえば不思議ですが。
逆に考えると原因が想定されます。
原因は多分ウイルス。
どうもお話を聞いていると直前に体調を崩して
下痢をしている子も結構いる様子。
なので、ウイルスに対するアレルギーの反応を強く考えるわけです。
あとは、左右対称であること。
これ、外からの原因ではありえませんよね。
虫刺されが左右対称?ありえません。
ということを考えると、ウイルスからの発疹だろうと思われるわけですが
正直はっきりとはわかりません。
でも、症状から疑うことは簡単ですので、
もしも心配でしたら一度受診してみてはいかがでしょうか?
今回は前回に引き続き、虫刺されのお話です。
治療のお話ですね。
さて、虫刺されが強いなら治療をすればいいじゃないか。
というお話になったかと思いますが、
これも一筋縄ではいかないようです。
キーワードはドーピングです。
虫刺されの治療ですが、市販薬があるよね。と思った方。
実は市販薬は効果は低いです。
パンパンに腫れた虫刺されにはほとんど効果有りません。
病院では虫刺されに使用する薬剤は副腎皮質ステロイドです。
こちらは非常に良く効く薬です。
数日から長くても12週間の治療ですので、副作用の心配も特にありません。
一般の方でしたら。
スポーツマンに使う際もあまり心配のない薬剤とされています。
一般的なスポーツでしたら。
ただ、この薬、内服はドーピングに当たるために使用できません。
実際に、外来で処方する際に使わないでと釘を刺されたこともあります。
外用はOKなんです。血液には入らないために。
でも、たとえ外用であったとしても面積が広かったり、強い薬をガンガン使うと、
血液に入る可能性が出てしまいます。
そして、その境界線は読めません。
少量であればOKというのはそういうことなんです。
だから、読めない。
だったら、リスクを考えて使わない。
と考えるのもまた当然です。
では、ステロイド以外で抑えることができるのか?
正直厳しいです。
もう一つの治療法は抗アレルギー薬の内服です。
でも、こちらも問題あり。
と言うのは副作用で眠くなったりふらついたりすることも有るのです。
そして、炎症の抑制効果はステロイドの比べると弱いものです。
精密さ、集中を要する作業は多くの抗アレルギー薬では注意が必要と
説明書でも記載されているくらいですから
どうも、プロスポーツとは相性が悪いのです。
したがって、虫刺されの治療一つでも
プロスポーツの場合は一般的な方とは選択肢が変わってしまうわけなんですね。
いやあ、世界を股にかけて活躍するのも大変なんですねえ。
すみません。ゴルフはやりません。
でも、今回のニュースに関してはゴルフをやっている人からの記事は沢山有るのですが、
虫刺されという観点からの記事がなかったので、書いてみました。
特にゴルフの知識での間違いについてはコメント欄で指摘していただければ幸いです。
簡単にまとめましょう。
ゴルフの松山英樹選手が今年の夏に行われるリオのオリンピックを辞退したとのこと。
理由としてはジカ熱の問題もありますが、もう一つ。
「虫刺されのアレルギーが強く出る」からというのが挙げられているようです。
では、皮膚科医の立場から少し見ていきましょう。
虫刺されの反応が強く出るとありますが、これにはいくつかの条件があります。
1)年齢
2)刺された虫の種類
3)刺された回数
の3点で決まります。後は体質も有るかもしれませんが、
こちらに付いてははっきりとはしませんのでおいておきましょう。
まず年齢です。
松山選手は現在24歳。若いですね。
しかし、若いということはアレルギーの反応が活発であるということでもあります。
勿論、アトピーや喘息などの何らかのアレルギー疾患の既往があれば
更にアレルギー反応が強く有ることも十分に考えられます。
したがって、年齢要因も無視できるものではありません。
次に刺された虫の種類です。
こちらは、全て細かく別れることに注意が必要です。
つまり、蚊は「蚊」に刺されたという種類ではなく、
「ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)」か「イエ蚊(アカイエカ)」か?というレベルの違いでもありますし、
どうも、更に地域ごとの微妙な蚊の種類の違いも判断しているみたいなんですね。
つまり関東のヤブ蚊と東北のヤブ蚊の違いも体は別個のものとして判断している印象を受けるのです。
最後に回数ですね。
それぞれの種類により、反応が異なることは前項でかいたとおりです。
そして反応の強さは回数によって決まるものなのです。
つまり、初回は強い反応。
そして回数を重ねる毎に反応は弱くなるわけです。
(詳しく書くともう少し異なるのですが。過去の記事を参考にしてください)
これらの要因を総合的に考えると
「若い人が、初めて行った外国で虫に刺された場合は、
非常に反応が強く出てしまう」
という問題が発生するわけです。
松山選手はアメリカであれば何度も行っているでしょうし、
何回も虫に刺されているでしょう。
でも、南米であればそんなに旅行している回数も多くは無いと考えられます。
大きな大会が有るという話も聞きませんし。(情報求む!)
つまり、ブラジルに行った場合、単なる虫刺されでも
大きな問題になてしまう可能性は十分に考えられるのです。
え、治療すればいい?
いえいえ、そう簡単にはいかなさそうですよ。
次は治療について考えて見ましょう。
下の娘の話ですがね。
また、蚊に刺されました。
ということでまた写真をとってその変化を見てみました。
今回は変化早いです。
刺された10分後にはすでに蕁麻疹用の発疹が出始まっています。
周囲にも少し赤みが出ていますね。
そして1時間後。
すでに症状が完成していますね。
いわゆる大人の虫刺されという状態です。
虫刺されの症状の出かたはRPGを想像すると良いかもしれません。
刺されるたびに経験値がたまり、ある一定以上になると
レベルが上がるというシステムですね。
レベルとその症状は以下の用になります。
レベル1:無反応
レベル2:即時型反応- 遅延型反応+
レベル3:即時型反応+ 遅延型反応+
レベル4:即時型反応+ 遅延型反応-
レベル5:即時型反応- 遅延型反応-
です。
経験値はそれぞれの虫により違います。
また、同じ虫でも地域ごとに別途の経験値になるようです。
前回のブログの写真では
レベル2
ですが、
今回は
レベル3から4
位ですね。
もしかすると前回と今回では刺された虫の種類が違うかもしれません。
今回は小さな子が虫に刺された時の症状の出方に違いについてでした。
虫刺されも奥が深いものだったりするのです。
いや、ここ2週間位でしょうか。
ものすごく増えています。
公園や生け垣に毛虫は居ませんでした?
庭や学校には?
見つけたら要注意。即刻駆除しましょう。
でないと、刺されます。
他の虫さされと異なる点は
毛だけが飛んで来ること。
です。
虫が見えなくても出ることがありますからねえ。
刺された後の家での対処はまず冷やすこと、洗い流すこと。
洋服に付いた毛は50度以上の熱湯に浸すことで無効化できるそうです。
洗濯することも有効でしょう。
あとはとにかくステロイドを塗って痒みを抑えましょう。
長くても1週間で治すことのできる病気です。
でも、途中は痒いので、なにはともあれ皮膚科を受診してくださいね。
そろそろ2歳になる下の娘ですが、初めての虫刺されの洗礼を受けました。
散歩している時に刺されたようです。
現在の写真がこちら。
だいぶ落ち着いていますが、まだ残っていますね。
刺された日ははっきりせず、翌日には虫刺されになっていました。
興味深いのは痒がっていないこと。
脇で見ている方が痒くなってくるくらいなのですが、
本人は至って平気な顔をしています。
それに油断をしていて、薬をほとんど塗らなかったら数日してこうなりました。
見事に色素沈着になっています。
この夏はしばらく黒いシミになってしまうでしょう。
早めにガッチリと薬を塗れば、多分ここまで残ることはなかったはず。
痒くはなくても皮膚の下にはしっかりとした炎症が起きています。
そして、そのままでは色が残ってしまいますので、
早め早めに治療を開始したほうが良さそうです。
というわけで我が家の虫刺されでした。
ちなみに姉と両親は未だに虫に刺されません。
・・・よっぽど美味しかったんでしょうね。
外来で診察をしていて気になったことです。
どうも去年買った日焼け止めを今年使用して荒れた人がいるようなんですよね。
昨年のものを今年使用することはお薦めしません。
日焼け止め自体でかぶれることはほとんどありません。
小さな子どもやアトピー乾燥肌持ちの子で経験しますが、
健康な大人ではまず見たことがありません。
でも、それは新品の場合。
劣化したものがどうなっているのか?
実はよくわかりません。メーカーでも把握していないかもしれません。
でも、化学物質ですから時間の経過とともに変性を起こすことは十分に考えられます。
チューブを開けると入ってきてしまう空気や酸素が原因だったり、
温度変化が原因だったり。場合によっては紫外線かもしれません。
化粧品やスキンケア用品だって化学製品です。
時間が経つと必ず変質する可能性は考えなければいけません。
ですから、きちんと新品を購入して、新しい物を使いはじめる。
シーズンが終わるときには余っているものは捨てる。
という風に、しっかりと後始末をすることが大きな予防になります。
だってねえ、
日焼け止めを予防するハズのスキンケア用品でカブレてしまって、
夏になる前から色素沈着を起こすなんて、イヤですよねえ。
というわけで、古くなったスキンケア用品はきちんと捨てて下さいね。