わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

赤ちゃんの湿疹は半日で出来る

本当にあっという間に出来ます。

 

うちの娘も少し大きくなり、(相変わらず体重は他の子よりも明らかに小さいですが。)

ハイハイやつかまり立ちらしき行動も出るようになりました。

 

しかし、よだれは非常に多い。

よだれの出方は個人差が有ることを思い知らされました。

(上の子は全くよだれが出なかったのです)

 

そして、顔や腕に湿疹がちょこちょことできるようになりました。

半日経てば、よだれで湿疹が出来ますね。

 

でも、このことは別に悪いことでは有りません。

赤ちゃんの湿疹とはそういうものである。

とわかっていれば大丈夫。

 

少しざらついた時に気がついてしっかりと薬を塗ってあげれば、

一日で湿疹はなくなります。

 

むしろ気をつけるべきは、湿疹を放置すること。

痒くなって引っ掻いてしまうと、どんどん悪くなってしまいます。

そうなると、赤ちゃんも大変ですし、お母さんも大変になってしまいます。

 

早期発見、早期治療が湿疹の原則です。

早めに見つけられば、大丈夫ですよ。

 

シンプル・イズ・ベスト

KISSの法則って、ご存じですか?

これはある文章の頭文字を取ったものです。

正式には

Keep  it symply. stupid!

というものです。

日本語に直すと、

「単純にしろ、このバカモノが!!」

という風に訳すことが出来ますかね。

皮膚科の塗り薬についても、このKissの法則が当てはまります。

 

他の病院の処方箋やお薬手帳を見ていて、不思議に思うのですが、

同じ患者さんに対して保湿剤が3種類、一つの部分にぬる薬が3種類と出ていることが有ります。

詳しく聞いてみると、「有るときにはAを、またある時にはBを塗る」用に指示されているそうです。

でもね、実際にそのようにできているか聞いてみると、ほとんどの場合が

「出来ていません」と言われます。なぜでしょうか?

 

理由の一つが面倒くさくなること。

種類が多くなるだけでげんなりしてしまいます。

もちろんそうですよね。我が身を振り返っても、たくさん宿題があるとそれだけでイヤになってしまいますよね。

ついで、使い分けがわからないこと。一言で言うと、境界条件の問題です。

こうもり問題と私は呼んでいますが、2種類の薬があるときにどちらを塗るべきかわからなくなってしまう問題です。

 

このように薬の種類が多くれれば、逆にそのための問題も出てきてしまうのが難しいところです。

なので当院では最初はシンプルな塗り方のお話を行っていきます。

一般に同じ部位に塗るべき保湿剤あるいはステロイドは1種類。

部位別の差もあまりつけることはしません。

もちろん、何回も受診されてすでに薬の使いかたもわかっているという方であれば、

少しずつ薬の使い分けに付いてお話をしていきますが、最初からは難しいですね。

 

しかし、単純化にはデメリットも有るのではないか。

と思われる方もいるでしょう。

デメリットとしては効果は不十分もしくは効果が強すぎる

ということが有ります。

でも、この問題はある程度カバーすることは可能です。

それは時間軸。

効果が強い(=副作用が強い)場合でも、短時間であればそのデメリットは見えなくなります。

逆に効果が弱いのであれば、次に来た時に強くしますし。

(よっぽど効果が弱い時は予定日前でも連れてきますし)

 

なので、当院の考え方としては

理論上ベストの治療(でも、実際に行うのは大変)

よりも、一段落ち着かもしれませんが、

シンプルで簡単で、自宅でも無理なく出来る治療

を最初は行います。

そして、しっかりと指示通りのことが出来るようになってから、少しずつ難しい方法に

挑戦していく。

というように進めていったほうが結果的に早く、良く綺麗になると思っています。

 

足元から一歩ずつ治療を進めていきましょうね。

おへそは生後2ヶ月から洗ってもよい

診察をしていると、おへそが気になることがたくさんあります。

結構、黒い。そして、たまに赤い。

おへそのケアは意外に検診でもお話には上がらないようですね。

ジクジクが取れる段階になったら、もう石鹸で洗ってあげてもいいんです。

 

おへそは意外に湿疹が出来る部位でも有ります。

特に皮脂は沢山出る部分でも有りますので、脂漏性湿疹が出現し、

赤みが出てくることも結構有ります。

また、体質的に乾燥するために生じた湿疹も

当然、おへそにも出現します。

また、石鹸を使わないことにより、汚れが溜ってしまうために

湿疹ができることも、時には起こるのです。

耳も同じですね。

 

結構出てくるおへその湿疹。

対策はまずしっかりと石鹸で洗うこと。

そして、大量の水で洗い流すこと。

まあ、湯船に入ってしまえば汚れや石鹸は落ちますけどね。

 

そして、湿疹が出ているようなときには

しっかりと薬を塗って抑えること。

また、常日頃から保湿剤をしっかりと塗り、湿疹が出ないように予防することが大事です。

 

おへそは薬を塗ってあげても構わない場所です。石鹸で洗ってもいい場所です。

特別扱いをすることで逆に湿疹を作ってしまうことが有りますので、ご注意下さいませ。

 

ステロイドの塗り薬は塗った直後から効いてくる

診察中、薬を処方しているときによく聞かれる質問に

「塗り薬はいつから効いてくるのですか?」

というものが有ります。

特にステロイドの外用薬を不安に思っている人は多いのか、

頻度も高い印象を受けます。

また、

「薬が効きすぎてしまった」

ために、塗るのをすぐにやめてしまい、結果として湿疹が良くならないという、

笑うに笑えない状態になることも時に遭遇します。

実際のところ、ステロイドの塗り薬はいつから効果が出てくるのでしょうか?

 

 

 

結論から言えば

「直後から」

が正解です。

まあ、実際のところは5分後くらいには効果の実感が得られるようです。

その前にも効果は出ているのですが、徐々に炎症に伴う痒みが引いてくるのに気がつくのは

意外に難しく、時間がある程度立たないと、はっきりとした差が見られないというのが本当のところですね。

 

ざらつきや赤みについても同じ傾向が有ります。

年齢に依る差もあまり無いようです。

理論的には子どもや赤ちゃんのほうが効果はあると思いますが。

 

ステロイドの塗り薬の効果はすぐに現れます。

びっくりしないでくださいね。

ただし、気をつけるべきは、効果が出た=治ったでは無いことです。

症状が完全に引くまでは気を抜かずにしっかりと塗ってくださいね。

中断することで結果的に治るまでの時間が余計にかかってしまうことも有るのです。

 

とびひ(伝染性膿痂疹)が出てくるようになりました。

今週に入ってからですが、

とびひの患者さんを数名診察しました。

 

そろそろ春ですね。

と思っていた矢先の出来事です。

 

毎年、気温が20度を超えるようになると一気に増えてくるのですが・・・

と思って気象データを確認しました。

練馬のデータでは昨日の最高気温は16度超えですね。

 

ということは、最高気温が15度を超えるようだと、ぼちぼちとびひが出るのかもしれません。

特に早春はまだまだ寒いのでみんな厚着しています。

その状態で室内(まだ暖房も動いていますもんね)に入ると、

大汗をかいてしまい、とびひになるのでしょうかねえ。

 

皆様、子どもの洋服はこまめに脱ぎ着させてくださいね。

 

花粉症の第2波は半日後にやってくる

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先週からかなり花粉が飛んでいますね。

診察中にクシュンクシュンしていても苦笑いしていただければと思います。

こんなことなら秋から冬の間にシダトレンをしっかりとしていればよかった・・・

と思うのですが、後の祭りです。

 

さて、花粉症ですが、一般には症状は花粉に暴露された直後から症状が出てくると考えれています。

これは実感としても有ることですので、だれも異論はないでしょう。

 

しかし、アレルギー反応の第2波が数時間から半日後に出ることはあまり知られていません。

お昼に花粉にさらされると、その日の夜から翌日の朝に症状が出るような状態ですよね。

 

これはアレルギーの反応によると考えられます。

詳しい話はよくわからないのでおいておきますが、アレルギーの反応は即時型と遅延型にわかれます。

即時型は抗体などの液体成分によるもの。

遅延型は細胞によるもの。

とお考え下さい。

 

即時型の反応はその名のとおり、その瞬間から出てきます。

遅延型はそれよりも少し遅れて出てくるのです。

そのタイムラグが数時間から半日なのです。

 

したがって、ある程度時間が経過し、室内で花粉がいないはずなのに

アレルギーの反応が出るという不思議な状況に見舞われるのです。

なお、反応の強さは即時型>遅延型ですので、

ご安心くださいね。

 

 

追記。

ここまで書いてきて、いい例が身近に有るのを思い出しました。

虫さされの反応。刺された直後にむくむのは即時型の反応。

少し時間が経ってから赤くなるのが遅延型の反応です。

当然、この2つが同時刻に見られることも有りますよね。

 

体の仕組みはある程度はどこでもいっしょなんですね。

カルテのルールは石鹸で?

さて、今回は昨日の記事の解説をしていきましょう。

 

今回は石鹸の話です。

正確にはSOAPについてですね。

 

カルテの記載方法にはいろいろな方法があります。

その中でもスタンダードな記載方法がSOAPですね。

それぞれ意味がありまして

S:Subject 主観所見
O:Object 客観所見
A:Assesment 評価
P:Plan 方針

となっています。

 

まず、Sですが、主観的な所見となります。

これは概ね患者さん(今回は赤ちゃんなので、そのお母さん)のお話が中心となります。

もっとも、お話をそのまま記載するわけではなく、その中から必要な情報を選んで記載していきます。

また、こちらの質問に対する答えも記載していきます。

当然間にはその人の思考が入りますので、正確ではありません。

また、正確である必要もないのです。

言われたことをありのままに、簡潔に書いていくことが大事です。

 

Oは客観的な所見です。

診察をした時の症状など、こちらがみたままのデータを記入していきます。

内科では体温や血圧などの数字、場合によってはレントゲンやCT写真なども含まれます。

本来であれば、誰が見ても同じに書けるのですが、これも難しいのです

いずれそのお話も出来るでしょうか。

 

Aは評価です。

今まで記載してきた、SやOの情報から何が考えられるのかを分析し、

どのような診断をすることが出来るのかを考える必要があります。

前回の記事は非常に単純ですので、単純に診断をつけましたが、

複雑な病気や診断をする情報が少ない場合、疑わしい病名がいくつも出ることになります。

これも、多すぎてはいけませんし、少なすぎてもいけません。

 

Pは方針です。

今後、どういった薬を使うのか。どのような検査をするのか。

生活指導は何をするのか。

といったお話を進めていきます。

 

現在、大きな病院のカルテではそれぞれ別の欄を設けていることが多いのですが、

そのようなカルテではなくても、多くの医師はこのような書き方をしていることが多いです。

紙に記載するのと違い、電子カルテでは、挿入や追加が簡単にできますからね。

わかりやすく、見やすいということは事故を防ぐ上でも重要なポイントとなるのです。

娘の耳が切れたお話

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今回は実際にあったお話をカルテに記載するように書いてみましょう。

解説は次回に。

 

主訴:耳を引っ掻いている

既往歴:なし

家族歴:父親に乾燥肌、父親・母親に花粉症

 

S:気がついたのは昨日くらいです。

耳を時々引っ掻いていました。見てみたら少し赤かったです。

昨日も寝ながらおっぱいをあげていました。

O:左耳介内に軽度の乾燥が存在している。

紅斑も軽度存在。鱗屑もわずかにみられる。

掻破行動はなし。掻破痕もはっきりしない

A:よだれ・母乳による接触皮膚炎

P:まずは石鹸でしっかりと洗うこと。それでも落ち着かない時には外用を検討する。

 

といった感じでカルテには記載されています。

 

この後、娘の湿疹は無事良くなりました。

めでたしめでたし。

鼻血の原因は空気の乾燥もある

新年あけましておめでとうございます。

本年も当クリニック及び当ブログをよろしくお願い致します。

 

さて、お正月は皆様どのようにお過ごしでしたでしょうか。

我が家の娘は前半は父方の実家、後半は母方の実家にそれぞれ旅行に行っていました。

そこで起きたちょっとしたトラブルとその原因についてちょっとお話をしていきましょう。

 

ちょっとしたトラブルとは鼻血。

それぞれの家で仲良く1回ずつ鼻血を出したようです。

 

もともと、娘は鼻血を出す体質ではありません。

鼻血そのものは出す人、出さない人の差が大きなものです。

子どもはもともと鼻血を出しやすい傾向にありますが、

それでも、今までほとんど出しかことのない娘が2週間で2回出しています。

 

その原因について考えていたのですが、

どうも、鼻をいじる癖が原因のようでした。

 

では、なぜ鼻をいじるのか?

もちろん鼻の中が気になるからですね。

ではなぜ鼻の中がきになるのか?

 

実はそれは空気の乾燥の影響があるのです。

 

空気が乾くことにより、鼻の中の感覚が過敏になります。

そして、ちょっとした刺激で鼻の中が痒くなってしまうのです。

 

思い返してみると、どちらの家も加湿器はあまり見当たりませんでした。

東北地方の私の実家では雪が降っているから大丈夫?

かと思いたいところですが、室内には雪は降りません。

そして、エアコンで室内の温度をあげるので、湿度はとても低いものになるのです。

 

そのため、湿度の低い室内でずっと過ごしているために

鼻をいじってしまい、結果的に鼻血を出してしまうのです。

 

鼻血予防に加湿器?と思われるかもしれませんが、

結構大きな予防になるのです。

 

子どもの鼻血に悩まれる親御さんは加湿器を試しても良いのかもしれませんね。

足の冷え

貼るカイロ快温くん くつ下用 白タイプ 15足分入

いよいよ寒くなってきました。
そろそろ霜焼け注意報の時期ですね。
ちなみに、院長は、霜焼け体質です。

しかも、この寒い中自転車で通勤するため、今朝は足用ホッカイロの登場となりました。

 

この足用カイロ、靴用とくつ下用があるのをご存知でしょうか。

実は、昨年幼稚園の保育参観で、使用したのですが、私は靴用しか知らず、大変な思いをしました‥

娘の通っていた幼稚園は、参観の際に保育の妨げにならないよう、園児達を園庭側のベランダから観ないといけません。

幼稚園に入る際に、靴は脱がないといけないので、園内用のスリッパを履くようになります。
また、園内に階段があるため、脱げにくいように、スリッパはかかとのあるタイプを履いておりました。

参観は真冬日。
外からの見学は寒いと思い、手持ちの靴用カイロをスリッパの中に入れ、万全の防寒対策。
ところが‥

ちょうど、ヒールを履いた時に地面と接する部分が、どんどん熱くなってきました。
最初はよかったのですが、途中からものすごく熱くなり、スリッパが脱げにくい形のため、外すことも出来ず、モゾモゾしながら一時間たってしまいました。
終了後、すぐにトイレではずしたのですが、足の底はジンジン。
しばらくすれば治るかと思っていましたが、翌日になっても治らず、足の底の皮が浮いているような違和感と、歩行の際に地面に接する度に痛みが。
どうやら低温やけどになってしまった様でした。

カイロのパッケージをよく見ると、『くつを履かない時は使用不可』の文字。
最高温度は43度になっていましたが、どうやらそれ以上に上がってしまった様です。

その後購入したくつ下用も一緒に調べたところ、
靴用は最高温度が43度、くつ下用は41度でした。
市販のカイロでは、最高温度は39度から44度まで、マチマチでした。
平均はこの温度より低くなることを想定してあるようですが、室内温度や使用状況によっては、私のように低温やけどをおこす場合がありますので、十分に注意してください。

また、足先が冷えるからと、就寝時に使用するのは絶対に避けてくださいね。

布団のなかは暖かいので、カイロの成分の化学反応が進み、高温になる可能性が高くなり危険です。

やけどに注意して、皆様暖かくお過ごしください。