わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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予防

運動会の練習で湿疹が悪化する季節(2024年9月)

今回は湿疹のお話。

 

 

運動会の練習のお話が聞こえてくると、ああ、湿疹が悪化する季節になるのねというお話です。

 

秋の湿疹の悪化はいろいろな要因があるというお話をしてきましたが、

春秋の湿疹の悪化の要因の一つは運動会の練習もありそうですねえ。

 

運動会をすること自体は良いんじゃないと思うのですが、

練習の量がそれに比べて多すぎるよねというのは個人的な印象です。

 

まずホコリをたくさん浴びる、汗をたくさんかく、

紫外線をずっと浴びる。

これらはいずれも湿疹の悪化要素になります。

裸足で校庭を歩く。こちらはヤケドとイボのリスク。

 

と考えると皮膚科的にはリスクがまとめてやってくる学校行事に見えてくるのです。

現状のこのシステムでの運動会、本当に必要なんでしょうかねえ?

よくわからなくなってきました…

秋の季節の変わり目が始まりました?(2024年9月)

今回はアトピー、乾燥肌のお話です。

 

 

今年の秋の乾燥肌の季節、始まったかもしれません。

というのもここ数日乾燥肌の悪化傾向を指が感じるからなのです。

 

今までの経験ではだいたい9月下旬くらいに目立ってくるのですが、

今年は早いですねえ。

ただ気がついていないだけだったと言われるとそうかも知れないのですが。

 

乾燥肌は一般的には湿度の低下とともに悪化していきます。

印象として「一日の最高湿度が50%を下回ったら」乾燥肌が悪化するという印象を持っていたのですが、

どうも「一日の最低湿度が50%を下回ったら」乾燥肌が悪化する子が出始めるというのも

今年の印象として受けるのです。

ここ数日朝夕の気候が良くなっていますがそれが乾燥肌の始まりかもしれません。

ただまだ夏の勢いも残っているでしょうから今後数週間は夏の秋のせめぎあいが有るのかもしれません。

紆余曲折はありそうですが、湿度にも注目して乾燥肌の治療を進めていくことにしましょう。

そして早めに受診して早めに治療をしたほうがかゆみは抑えられますよというお話でもありました。

気温が下がってあせもになる?(2024年9月)

今回もあせものお話。

 

 

9月に入って気温が下がってきましたね。

朝夕の環境がだいぶ快適になった気がします。

ただその快適な環境があせもを呼ぶというお話もありまして。

 

その原因は何かというとエアコンとの複合作用です。

今までは気温が高かったからエアコンをしっかりと夜間も使っていました。

ただこれから朝夕気温が下がるので、エアコンを止めました。

ということも起きると思います。

実はコレが良くなくてですね。

エアコンを一気に止めてしまうと夜間から深夜の室温が結構上がってしまいます。

そのために汗をかいてしまう

そしてあせもを作ってしまう。

という状況になってしまうのです。

 

この時期のエアコンの使い方は難しいのはわかるのですが、

一気に止めるということはしないで、徐々に弱くするというような使い方が大事かと思います。

 

極端に走るのは良くないんですよ…

 

0才児でも耳の中まで洗って良いんですよ

というお話です。

 

 

耳の湿疹は結構な頻度でめにします。

特に0才児に多いんですよね。

 

なぜ耳の湿疹ができるのか?

以前にもお話はしていますが、

生後3ヶ月までは皮脂の分泌が多いため、

それ以降はよだれや食べこぼし、ホコリなどの汚れのため。

に湿疹が発生します。

 

そして、もう一つの問題は耳を洗わないこと。

耳に石鹸をつけてはいけないと思われているようです。

 

実は耳に石鹸をつけるのはダメでも禁忌でも無いんですよねえ。

というのも、すでに耳の穴の中には赤ちゃんの段階で鼓膜ができています。

そのため、構造としては大人と同じです。

ただ、その情報をお母さん方は知らないので、

耳に水をかけてはいけないと思ってしまっているのです。

なので、外来でそのようなお話をするとびっくりされるのですよ…

 

耳のスキンケアの鉄則はしっかりと洗い、しっかりと流すことです。

回数のお話は別の機会にしますが、

耳たぶの中から、耳の穴の中に水が入っても構わないので、

しっかりと石鹸をつけること。

そして大量の水で洗い流すこと。

というスキンケアを徹底しましょう。

耳の穴の中には水は入っても頭の中には水は入りませんので、

それはご心配なく。

耳の穴の中の水については最後に綿棒でお掃除すれば大丈夫。

まああまり水が入ることはありませんけどね。

 

耳たぶとその中は意外に湿疹ができやすい場所でもあります。

毎日しっかりと洗って予防してあげてくださいね。

おうち花火のときは足元にも注意しましょう

今回は花火のお話です。

 

 

夏になると花火でやけどをした方が受診されます。

特徴的なのは部位が大きく2つに分かれること。

一つは手から指にかけて、もう一つは足です。

少なくとも後者はちょっとしたことで防げますよというお話です。

 

まず簡単に2つのでき方を考えましょう。

手や指のやけどは花火の火花が飛び散ったとか、ろうそくに触れたとか、

熱いものを掴んでしまったとかそういうものですね。

足のやけどは花火の火が足に飛び散ってしまったというのはほとんどです。

自分から触りに行くことが無いというのは足の特徴になります。

つまり受け身なんですよ。

 

自分で触りに行く指のやけどとは異なり、足のやけどについてはシンプルで有効な対処法があります。

それは布で覆うこと。

つまり、露出させないということですね。

花火の火というのは点で飛んで来ることがほとんどです。持っている熱量はそこまで大きくないのですが、

それが一点に集中するので、皮膚が熱に耐えられないのですね。

なので、まず皮膚の上に布で膜を貼ってあげればいいのです。

火がついてもまずその繊維を熱するのにエネルギーが使用されます。

また繊維が拡散しますので、逆に通過して皮膚に到達するリスクを下げることができます。

当然繊維は焼け焦げますが、皮膚が焼け焦げるよりは良いかと思うのです。

 

守り方もシンプルに、長ズボンを履くこと、靴下を履くこと、サンダルではなくスニーカーを履くこと。

です。これなら簡単にできてしっかりとやけどを予防できますよね。

 

楽しい花火の時間をやけどでつまらない思い出に変えたくはないですよね。

ちょっとしたコツでしっかりと予防できますので、対応してあげてくださいね。

浸水した道を歩いて帰った後にすることは?

今回は災害対応のお話です。

皮膚科的に少し考えてみることにしましょう。

 

昨今の集中豪雨、以前よりも凄さを増していますねえ。

お家も浸水のリスクを考える必要がありますが、それ以外にも、帰宅途中に

浸水に見舞われその中を歩いて帰ったとき、その後どうしたらよいかを考える必要がありますね。

 

足がびしょびしょでお家に帰る前に行ったほうが良いことがあります。

それは家族に連絡を取ること。

自宅でもあらかじめ準備をすることで被害を最小限に食い止めることができます。

ではその被害は何か?健康被害ですね。

つまり浸水した水はただの雨水ではありません。

雨水、下水の入り混じった水である可能性があります。

少なくとも一度側溝に入った水ですので、側溝内のさまざまな有害物質に汚染されていると考える必要があります。

また側溝内には動物の死骸などがありますので、病原微生物への暴露も考える必要があります。

そのようなモノを家に持ち帰るわけですから帰ってこられる側でも相応の対応をする必要があります。

なので、事前連絡からの準備は大事です。

 

では連絡された側は何をするかというと。

まずは玄関にバケツやビニールの大きな袋を準備してください。

可能ならざっと洗えるようにお湯/水を準備すること。

そしてお風呂場まで、床を歩かなくても良いようにお風呂場までタイルや防水シートを敷いておく。

最後にお風呂にお湯を張っておくこと。

以上は帰宅直後に行えるように準備することを推奨します。

可能であればアルコールで消毒する準備も必要です。

というのも時間が経てばその汚染物質は乾燥し、ホコリとなって舞うことになります。

そのリスクを下げる必要があるんですね。

 

ということで事前に準備をしてもらってから帰宅します。

帰宅して玄関先でまず行うこと。

脱いでください。

靴も、濡れたズボンも全部脱ぎましょう。

上半身も汚れたのであれば、汚水のついた服は全部脱ぎます。

そしてそばに置いたバケツなり、大きなビニール袋なりにしまい、

蓋をするかくくるかをして、汚水でそれ以上周囲を汚染しないようにします。

 

で、タオルや防水シートの上を歩いてそのままお風呂場へいきましょう。

そしてまずはしっかりとシャワーをして汚れを落としてください。

一般的に石鹸は1回使えば良いと思いますが、心配なら2回石鹸で洗いましょう。

その後湯船に入り、体を温めると良いかと思います。

 

湯船に入って行うことはまず汚水付着部に傷が無いかの確認です。

水虫、擦り傷、虫刺されなど、皮膚の一部に傷があればそこから感染を起こす可能性が

跳ね上がります。

同様にふやけて破れた皮膚についても要注意です。

湯船の中でゆっくりで良いので全身特に下半身はくまなく確認してください。

問題なければOK。

温まったら、まず湯船のお湯を抜き、浴槽内を洗剤で掃除し、もう一度シャワーで汚れと湯船のお湯を落として上がります。

その後は清潔な服を着て、汚水が付着した可能性があるところを消毒して回りましょう。

最後に寝る前に再度足を中心に皮膚のチェックを行います。

その頃にはふやけた皮膚も乾燥していると思いますので、再度傷の確認を行います。

 

(汚水の付着した洗濯物・靴への対応は専門の方の情報を確認してください。

こちらでは割愛します)

 

当日の対応はそれでOKです。

翌日以降ですが、

・もともと免疫の低下している方(糖尿病、ステロイド/免疫抑制剤内服、抗がん剤治療中など)

・汚水付着部に傷、虫刺され、水虫など皮膚ダメージが見られる方

・新たに皮膚になにか症状が出てきた方

は早く医療機関を受診することをおすすめします。

持病があり、定期的に通院している方はそちらの受診を検討してもよいですし、

皮膚科や形成外科、外科などいわゆる皮膚や傷の対応ができる医療機関を受診しても構いません。

免疫力が低下している方であれば状況によっては予防的に抗生剤などを飲むことも考えられます。

またそれぞれの皮膚症状がある方は、感染症を注意しつつそれぞれの皮膚症状を抑える必要があります。

なお、受診時には汚水に触れたことはきちんとお伝え下さい。

その情報が有るか無いかによって医療従事者の感染症対応が変わってくる大切な情報ですので、

状況の説明をしていただけるとありがたいです。

後は医療の方で対応という形になります。

 

感染症ですが、吸い込みからの呼吸器感染症もありますが、まず最初に考えるべきは

皮膚局所からの感染症です。

一般の方であれば大きな問題になることがありませんが、特に糖尿病などの方では

対応が遅れると切断レベルの話に進行することがありますから注意が必要です。

本当に怖いんですよ…

 

最後に繰り返しになりますが、

浸水した水はただの雨水ではありません。有害物質、病原微生物を含んだ汚水です。

きちんと対応し、その後の感染症もしっかりと予防してくださいね。

アトピーは秋に2回悪化する?

今回はアトピー性皮膚炎のお話。

その中でも学生さん以下の年齢のお話になりますかねえ?

 

秋のアトピー性皮膚炎。

季節の変わり目にはアトピーは悪化しやすいと言うお話はよく耳にするかと思います。

ただ、秋に関しては悪化のポイントは2つ有るのですよ。

簡単に説明をしていきましょう。

 

一つは気候変動によるものです。

大体9月終わりから10月にかけてですが、気温が下がるとともに湿度が徐々に下がります。

そのため乾燥が強くなり、アトピーが悪化します。

一般的に言われる秋のアトピー悪化というのはこのことを指すことが多いです。

対応としてはしっかりと保湿をすること、保湿剤そのものを夏用から冬用に切り替えることでしょうね。

 

ただ、秋の悪化にはもう一つあります。

こちらは先の気象条件とは異なる社会的なものです。

つまり、9月1日。

いわゆる夏休みの終わりですね。

もっとも最近の学校は8月中に2学期が始まるところも多いので、

以前よりは幅が出ますが、夏休みの終わりから学校の始まりにかけては

悪化するパターンが多いようです。

こちらの原因は実は難しく、いろいろな要因が考えられます。

一つはスキンケアの低下。

夏休み中に毎日シャワーをしていた子が2学期になって止めてしまう。

ということも往々にしてあります。

そのために悪化する可能性があります。

あとは、睡眠不足やストレスですね。

夏休みの宿題の仕上げだったり学校の準備だったり。

睡眠時間は短くかつ不規則になる子も多いでしょう。

学校に行くこと自体がストレスになる子もいるでしょうし、

心理的な障壁がなくとも生活習慣が変わりますからそれはストレスになります。

そのために湿疹が悪化するということもあります。

最後、受診できない問題ですね。

忙しく、やることがおおい新学期当初は物理的に時間が取れないとか、

保護者側もバタバタするために受診がなかなかできないということになりがちです。

そのために薬がなくなってもそのままになってしまう。

という問題が発生し、結果的に治療強度が下がるから湿疹が悪化するということになります。

 

そういったわけで、空気の乾燥の時期は要注意ですが、

夏休みの終わりから二学期の始まりは子どもたちのアトピーにも負荷がかかりますので、

要注意ということになるのです。

 

秋も少しずつ顔を出してきた気候ではありますが、しっかりとケアは続けていきたいところです。

台風のときに最適なアトピーのスキンケアはありますか?

今回はアトピー性皮膚炎のお話。

特に台風のお話と搦めてのお話になります。

 

夏から秋にかけて日本は台風に見舞われます。

毎年1回は台風に翻弄されると考えても良いかと思います。

というくらい毎年来るのに台風の時用のスキンケアってあまり考えていなかったなあと。

 

台風のときのスキンケアで何を重視するかというと、それは

湿度

でしょうね。

台風の日の気温はあまり上がることがありませんが、湿度がどんどん上がります。

まあ100%になるといっても過言ではありません。

その湿度がどのように影響するかと言えばそれは汗です。

汗の蒸発がとにかく落ちること。

これが問題になります。

汗がいつまでも皮膚に付着していることにより、アトピーのお肌はまず確実に悪化します。

いわゆるあせもだったり、汗負けだったりを引き起こすわけですね。

これで結構調子を崩される方も多いように見られます。

 

では対応はどうするかというとまずは

湿度コントロール

つまりエアコンを上手に使用して湿度を下げることが大事です。

ただ室温がそのままで湿度だけ下がると寒さを感じることも往々にしてありますので、

そこは洋服の枚数を増やして調節したほうがいいでしょうね。

まずとにかくエアコンを上手に使いましょう。

 

もう一つは汗のコントロール。

つまり、流すこと。

です。

そうです、朝のシャワーは実は台風のときにも非常に有効なスキンケアとなるのです。

汗をかくのは仕方ない。ただその汗をそのままにしておくのは良くない。

というわけですね。

 

台風のときのスキンケアはまずエアコン、次にシャワー。

この2つの道具を上手に使いこなせば、アトピーの悪化も最小限に食い止められると思いますよ。

ぜひお試しください。

今夜の雨のあとはシモヤケにご注意を(2022年12月)

師走に入り、毎日が寒くなってきました。

コートも一段温かいものに変えて対応しています。

 

さて、今日の夕方から夜にかけては雨が予想されています。

この温度からはしもやけのハイリスクな状況ですね。

 

しもやけは温度が下がることが一番のリスク要因ですが、

それ以外にも濡れることは大きなリスクとなります。

気温は5度以下で十分にリスクとなりますので、

特に今晩のような天候では注意が必要となります。

 

また、子供はハイリスクですが、循環の悪い高齢者も同様にリスクとなりますんので、

ご注意ください。

 

対応としては

・耳あて、帽子、手袋などの防寒をしっかりと行い、濡れることを予防する

・靴も同様にスニーカーはNG。ブーツや長靴などの濡れにくい靴を用意する

・濡れても大丈夫なように靴下や可能であれば靴の替えも用意しておく

・帰宅後すぐに濡れた靴を脱げるように玄関先にタオルやスリッパを用意する

・帰宅後も冷えないようにお風呂や暖房器具を準備しておく

などでしょうか?

 

寒い思いをして帰ってくる人も、それを迎える人も、予めしっかりと準備をして

冬の雨を迎えていきたいものですね。

洗い物をお湯に変えたら一緒に手袋を(2022年10月)

寒くなりましたねえ。

洗い物も当たり前のようにお水からお湯に変えて行っていますが、

併せて指のケアもしっかりと始めていきましょう。

 

一般的に水に比べてお湯の方が皮膚の脂分を持っていってしまいます。

そのために指の乾燥がよりいっそう進んでしまうことがわかっています。

皆さん冬に入って手荒れで受診をされますが、お話を聞いてみると

きっかけとして洗い物をお湯に変えたタイミングで悪化していることも多いのです。

その方に最初のお話をするとびっくりされる方も多くおられます。

意外に知られていないんですよね。

 

洗い物をお湯に変えたら指先を守る意味でもしっかりと手袋をつけて食器を洗う。

冬に忘れずにやっていきたい指先のケアになります。

お気をつけくださいね。