わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

2014年

幼稚園児でわかる、ソ連がアメリカに負けたわけ。

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幼稚園児「にも」わかる、ソ連がアメリカに負けた訳を教えるのはきっと難しいと思います。

しかし、今回は幼稚園児の行動を通してみることで、その理由を知ることができるかな。というお話です。

 

幼稚園児というのは、ある意味欲望に忠実というか、本能の赴くままに行動するので、

観察していても結構楽しい物が有るのです。

 

先日の事です。家族でクリニックでお仕事をしていました。

父親はネットワーク関連の整備、

母親は軟膏づくり、

娘はプリントを折っていました。

 

最近の娘のお仕事はプリント折りです。今回はゲーム1回分をお駄賃として渡す約束に成っていました。

しかし、プリントを折りはじめて10分位してからでしょうか。勝手に休憩に入ってしまい、待合室で絵本を読み始めました。

どうも、娘の中ではプリントを全部おらなくても、その日が終了すればお駄賃がもらえると思ったみたいです。

 

ここで慌てたのは親です。娘の認識を訂正し、「約束の分が終わらなければ、お駄賃はなし。」

「もしも終わらない時には家に持ち帰ってでも仕事をしてもらう。そうすればお駄賃を上げる。」

というように説明したのです。

その後、目の色を変えた娘は10分位で仕事を全部終わらせることが出来たのです。

 

これって共産主義と資本主義の違いですよね。

仕事の時間に対する対価をもらうのか。仕事の成果で対価をもらうのか。

たった、その小さな違いだけで、仕事の生産性については大きな差が出てきてしまうのです。

その違いが積もり積もって、ソ連とアメリカの違いになり、結果として冷戦にソ連は負けてしまったのでしょう。

 

ということを考えながら、幼稚園児のお仕事を見ていたのでした。

未熟児/低出生時体重児のいちご状血管腫へのレーザー治療はどう考えるべきか

今回のお話はどちらかと言うと、専門家向けです。

 

いちご状血管腫は全新生児の約1%に出現すると言われる血管の腫瘍です。

腫瘍といっても良性の腫瘍であり、転移することはありません。

しかし、時に大きくなり、色々なモノを圧迫する事があるので注意が必要です。

 

治療は今はレーザーが標準的です。

今回はレーザーの詳しい話には突っ込みません。

 

また、より難しいのが未熟児あるいは低出生体重児のいちご状血管腫です。

そもそも低出生体重児にはいちご状血管腫はより多く発症することが知られています。

満期産の子の数倍であり、数%という発症率です。

何が問題になるか?病気の進行具合と治療の適応です。

頭を悩ませる医療従事者も多いかもしれません。

ここに私の経験に基づく治療方針について記したいとおもいます。

 

いちご状血管腫の状態について

いちご状血管腫は生後6ヶ月まで大きくなることは知られています。

逆にそれ以降大きくなることはありません。

低出生体重児ではどのような動きをするのか?

それは「出産した日」を基点に考えるべきです。

出産した日から6ヶ月。

これが拡大の目安となります。

(当然色調も大きなヒントになります。色が落ち着いてきたら拡大も落ち着くのはみんな一緒です)

間違っても、「修正週数」を基点に考えては行けません。

治療期間の見極めを間違えることになり、過剰診療を行う可能性があります。

 

レーザー治療の適応について

低出生体重児でもレーザーを行うことは問題ありません。

しかし、気をつけるべきことは皮膚の厚さについて。

低出生体重児では皮膚は薄く、ヤケドなどのトラブルを起こす可能性は通常よりも高いと考えるべきです。

出力、パルス幅の選択する時に気をつけるべきことはその子の「修正週数」です。

修正週数を見て、出力を決めるべきです。
(修正週数=その子は満期産の時には在胎何週なのか?)

つまり、修正40週で一般の新生児と同じ強さ。

それより小さいなら出力は落とす。

それより大きいならは修正週数に応じた月齢の子と一緒の出力で照射する。

間違っても「出産した日」を基点にして出力を決めては行けません。

往々にしてその出力は強く、トラブルを引き起こすことが有ります。

 

病態および治療法の選択に際して、児の年齢は非常に重要な要因です。

なにを基点にして考えるべきか、その参考になればと思います。

ニキビは隠すと悪くなる

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本日はニキビのお話です。

 

ニキビ。イヤですよね。

出てきたら隠したくなりますよね。その気持ち、よくわかります。

でも、隠すとニキビは悪くなることが多いのです。何故でしょうか。

 

キーワードは「こすれ」と「蒸れ」とです。

それぞれ見て行きましょう。

 

まず、「こすれ」

これは、髪の毛で隠した時に起こります。

本来ニキビは左右の差は泣く出現するものですが、

時に右と左の差が強い人がいます。

また、おでこ、ほほ、顎の一部だけに極端にニキビができている人がいます。

どちらも詳しく確認してみると、髪の毛が関係していることがわかることが多いのです。

そのような場所ではどうしても、髪の毛の先端の部分が皮膚にあたってしまいます。

そのあたった刺激がニキビを誘発してしまうのです。

 

次に、「蒸れ」です。

こちらの原因は化粧品。

ニキビが気になるあまり、化粧品をニキビの上からしっかりと塗ってしまうのです。

そうすると逆にニキビは絶対に悪化します。

これはなぜか?ニキビの出来る原因を考えるとよくわかります。

ニキビが出来るには、毛穴に皮脂が溜まるところから始まります。

皮脂の皮膚への出が悪くなってしまうことがアクネ菌の増殖を招くのです。

つまり、化粧品で毛穴の出口を塞いでしまうことが、皮脂の出を悪くしてしまい、ニキビを悪化させるのです。

 

このようにして、ニキビを隠そうとすればするほど、ニキビは悪化してしまいます。

最低限、家の中だけでも、髪の毛を後ろに回し、ニキビはしっかりと乾燥させてくださいね。

2014年1月22日 勉強会のご案内

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勉強会のご案内

当クリニックでは毎週テーマを決めて勉強会を行なっております。
皆様の御参加をお待ちしております。

2013年1月22日
わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル AD-A-005
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2013年2月5日
あざのはなし NV-A-001
生まれつきのそのあざの見分け方。
その子のそのあざ、治療は待てますか?
    
2013年2月19日
わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル AD-A-006
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2014年3月5日
生後1ヶ月から3ヶ月までのスキンケア CS-A-003
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚科にやさしいスキンケアをお教えします
    
2013年3月19日
わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル AD-A-007
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

時間
  開場 10:15
  講義 10:30-11:15
  質問の時間 11:15-11:30

    
場所
 わかばひふ科クリニック 待合室
  180-0002
  吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F
  0422-22-1232

定員
 6名

費用
 無料

講師
 野崎誠
  わかばひふ科クリニック院長

受講時の注意事項
 赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。
  他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。
  勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。
 おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。
 駐車場は1台分のみあります。予約は受け付けておりません。
  駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。

予約時の注意事項
 キャンセルは前日まで、メールでお願い致します。
  当日のキャセルは申し訳ありませんが、お受け出来ません。

個人情報について
 個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。
 各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。

ご予約は下のカレンダーよりお願いします。
コメント欄からは受け付けておりませんのでご了承ください。
    
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掲示板があたらしくなりました

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昨年末からですが、新しい掲示板が稼働をはじめました。

今までの物は一枚扉で、プリントを取る時に掲示物も一緒に風に吹かれてしまうものでしたが、

新しいものは上の掲示物用、下のプリント用とそれぞれ扉が別についています。

下の扉は通常は鍵はかかっていません。(雨や雪、台風の時には鍵をかけさせていただきます)

プリントの棚も合計8箇所まで増えました。(もっと入れていますが・・・)

 

プリントは自由に持っていけるようになっておりますので、

興味を引かれるものが有りましたらご自由にお取り下さいね。

ヴァンパイア・ニッポン

年末に時間があったので献血してました。

久しぶりに全血で400ml採取しました。

いつも、ヘモグロビンが少なめで色々言われることが多いのですが、

今回は比較的数値が高かったです。

もともと血液薄めの人間と思っていたのですが、いったい自分の体に何があったのでしょうか。

というわけで、少し気になったので、調べ物をしてみました。

 

献血センターに初めてお世話になったのは、大学の実習に入ってからでした。

田舎なので、献血センターなどはなく、行く機会がなかったんですよ。(今はできたみたいですが)

そこでのお話。

実は日本は血液は自給できていません!!(な、なんだってー)

赤血球や血小板などは大丈夫です。

でも、アルブミンやグロブリン、血液分画製剤などは自給できていなかったんですね。
(アルブミンやグロブリンの使用期限は赤血球や血小板に比べてはるかに長いのです)

これが15年位前のお話です。

 

さて、最近はどうかな。と思い確認してみました。

厚生労働書のHPに記載されています。

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ありゃりゃ、まだまだ自給されていないようですね。

分画製剤についてはほぼ問題ないようです。

しかし、グロブリンやアルブミンといった血液内の蛋白に関しては

まだまだ使用量が足りていないみたいですね。

不足分については輸入に頼っているのが現状のようです。

輸入状況についてのデータはなかなかないのですが、

どうも、いくつかの地域から供給を受けているようです。

 

さて、ここまで調べてみて、血液の供給に問題であろうということはわかりました。

でも、これを解決するのはなかなかむずかしそうです。

献血する人を増やすのが一番手っ取り早そうですが、うまくいかないみたいですね

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そもそも、献血可能な人数が減っているのに、血液が必要な人が増えていますから。
(一般に血液が必要な人は大きな手術を要する人です=高齢者になるほど必要になるのです)

iPS細胞が血液分野でも騒がれる理由がよく分かるというものです。

最終的には人工的に合成するしか無いのしょうが、途は長そうです。

それまでは、日本は吸血し続けなければならないのでしょうか。

ほくろは分裂するのか?

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丁度このような質問があるのを見つけたので。今日はこのお話をしてみましょうか。

 

まず、結論から言いましょう。分裂します。

この「分裂」にはいくつかの意味があり、それぞれできやすい時期があります。

 

まず、一つ目。ほくろが出来上がるときのお話です。

生まれつきのほくろは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときにすでに出来上がります。

ほくろのモトは神経ですが、脊髄から皮膚に向けてその神経の細胞が走って行きます。

その時に何らの変異が置きると異常に増殖しながら皮膚に神経の細胞が走って行き、

その部分にほくろとして現れると考えられます。

じつは、その後、ほくろの皮膚が分離することがあります。

たとえば、まぶた。

ほくろが出来上がったあとに上のまぶたと下のまぶたが分離します。

そのために、上と下の瞼にわかれたようにほくろができることがあります。

これを「分離母斑」と呼びます。

これが一つ目。生まれる前のお話ですね。

 

ついで二つ目。

特に小さな子に多いのですが、ほくろに湿疹が(たまたま)できて。あるいはほくろを気にしていじってしまう。

いじっているうちに皮膚そのものを剥ぎとってしまい、ほくろが分かれたように見えることがあります。

大人でもたまにあります。また、自分で引っかかなくても、何かを引っ掛ければ同じようになることがあります。

詳しく覗いてみると、分かれたほくろの真ん中に傷跡の様子をうっすらと見える場合があります。

まあ、肉眼では難しいのですが。

これが二つ目。

 

最後に三つ目です。

これは、ほくろがガン。つまり悪性黒色腫になってからのお話です。

悪性黒色腫は自分の体にとっても敵ですから免疫反応を起こすことがあります。

したがって、そのほくろの細胞を攻撃し始めることがあります。

そうすると、その部分の黒色腫の細胞が死滅してしまい、部分的に黒い色がなくなることが知られています。

そのために分かれたうに見えることがあるのです。

・・・え、どうして一部だけ攻撃されるのか?ということですが、これは難しいお話です。

詳細はまた後日お話することにしますが、ここでは、悪性黒色腫の一部だけ色が無くなる事があるという話が重要です。

 

というように、「ほくろが分裂する」のにはいくつかのパターンが有ることを理解頂けるかと思います。

では、「ほくろが分裂」した方が受診した場合、私達はどう考えるか。

まず、お話を聞き、いつ頃から分裂したのか話を聞き、診察をするのは当然ですが、

強く切除を勧めることが多いです

理由は上記の三番目の可能性があるから。

悪性黒色腫だった場合、放ったらかしにするリスクは大きいこと。最悪命に関わることがあります。

逆にその時点で切除してしまえば状況が悪化することを防げますしね。

もう一つ、顕微鏡でしっかりと細胞の「顔つき」を見ることができますからね。

というのも細胞1個1個の「顔つき」を顕微鏡で見ることによって初めて良性か悪性かの区別をつけることができるからです。

 

というわけで、分裂するホクロを見つけた時は皮膚科に行ってしっかりと診察してもらいましょう。

また、怪しい物はしっかりと切除して確定診断をつけましょう。

というお話でした。

「TVディレクターの演出術」

TVディレクターの演出術: 物事の魅力を引き出す方法 (ちくま新書)

 

「TVディレクターの演出術」
著:高橋 弘樹

 

開業して、初めて知った世界にTVの世界があります。

短時間ですが、1回だけ出演することがありました。

(他にもお話はいくつかあるのですが、ここでは割愛します)

そこで出会ったのが制作会社のディレクターさんです。

どの方も個性的でしたが、ある、一定の方向性があるように見えました。偏見と言ってもいいでしょうか。

そんなこんなで少しモヤモヤしていた時に見つけた本です。

 

この著者はテレビ東京のディレクターです。

テレビはNHKとテレビ東京くらいしか、しっかり見ようとしていない
(というか、のんびりテレビを見ている余裕が無い)

ので、非常に興味深く読むことが出来ました。

しかも、あの「空から日本を見てみよう」しりーずなど、個人的に興味深いと思っている作品を作るディレクターさんなので、

さらに楽しく読むことが出来ました。

 

番組のリサーチの仕方、脚本の作り方、カメラの回し方、撮影の仕方、話の持って生き方・・・

特にドキュメンタリー系の番組を多く作っているディレクターさんらしく、現実的でいて、なおかつ示唆に富んだ

お話が続きました。

瀬戸内海の無人島で見つけた19点のテスト用紙。

横浜の海のそばのガケの上に建てられたマンションに住んでいるおばあさん。

ソロモンで現地の人にココナッツを投げられた時の周囲の反応。

一つひとつのお話を丹念に拾い、それを広げて一つの物語を作っていく真摯な姿勢に素晴らしいと思いました。

 

でも、今のテレビでこの様な作り方をしている。そして許されているのはどのくらいの数なんでしょうか。

お金がない分、逆に知恵を絞らねばならないテレビ東京。

そして、「面白い」よりも「ためになる、知って嬉しい」番組を見たい人が他の局よりも高い割合で存在する(だろう)テレビ東京の立場だからこそ、

許されている方法なのでしょうか。

 

ということを考え、その他の局の番組を見ていると、なんだか悲しくなってしまいます。

最近、知的好奇心を刺激される番組が少なくなってしまったような気がするからです。

ドキュメンタリーの数も質も減っているような気がするからです。

 

芸人がひな壇で騒いでいるだけの番組には飽きました。

張る必要もないのに体を張ってお笑いを誘おうとしている番組にも飽きました。

このお正月もきっとテレビのスイッチはついているのでしょう。

でも、ただそれだけ。時にちらりとテレビに目をやっては、他のことをしているのでしょう。

まあ、中の人がそれでいいなら、それでいいのですけどね。

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

2014年、今年もよろしくお願い致します。

 

昨年を振り返れば、3月の開業の前も、後もずっと突っ走ってきたように思います。

とにかく必死にクリニックを立ち上げよう、成功させようと考えて毎日を過ごしてきました。

現在もなんとかやれているのは、ひとえに、家族、スタッフの皆さんの献身的な協力と、

そそっかしい院長にもかかわらず、貴重な時間を割いてまで来院してくれた患者の皆さんのおかげです。

 

皆さんのおかげで、毎日30人以上の患者さんに来ていただき、

ホームページの閲覧者も1日500人以上になりました。

昨年の1月1日にホームページを開設した時には1日一人か二人しか来なかったことを考えると

感無量です。

 

今年は今まで以上に皆さんのお役に立てるようにいろいろなことに手を広げ、

今あることをより伸ばしていけるように努力していきたいと思います

 

今年もよろしくお願いいたします。

 

2014年1月1日

野崎誠