わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

ブログ

いちご狩りに行ってみた その3

さて、なぜいちごをお腹いっぱいまで食べなかったということですが、

実は前回大変な目にあったのです。

 

いちご狩りを終え、さあ帰宅しようと車の運転を始めたら、

急に尿意が・・・

慌ててトイレに駆け込むも、その後は30分に1回くらい

トイレと往復する羽目になりました。

 

我が家の薬剤師さん曰く、

「カリウム(K)じゃないの?」とのことでした。

Kを摂取することで尿が大量に出てしまい、トイレが近くなるのではないかと。

今年はいちごの量を控えめにした所、トイレのお世話になる回数が明らかに少なかったので、

家に帰って調べてみました。

一般にカリウムの高い果物の代表がバナナ。1食=1本で500mg以上のKを含みます。

大していちごは1食で100mg。バナナよりも少ないなと思っていました。

でも、これって、普通の大きさのいちご3個分の量です。

今回、大きな大きないちごをそれこそダース単位で食べているので、

Kの摂取量は如何程のものか・・・

確かにトイレが近くなるのもうなずけます。

 

対応策としては、コンビニなど、すぐにトイレに入ることが出来る道を走ること、

高速道路ではSAPAにこまめによることでしょうか。

いやいや、確かに前回は沼津から御殿場まで持ちませんでしたからね・・・

 

あと、特に小さな子供がいるおうちは気をつけたほうがいいですが、

お出かけの前にイチゴやバナナなど、カリウムを多く含む果物は

食べさせないほうがいいですよ。

 

いちご、検分中の図。

美味しいいちごの条件を考えてみたり、みなかったりしています。

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子供向け絵本ですが、きちんとした紹介がなされています。

娘に読み聞かせしながら、自分でも勉強になりますね。

いちご (幼児絵本シリーズ)

いちご狩りに行ってみた その2

いちご狩りに行ってみた 続きのお話です。

 

農家のおばさんにまず聞いてみたのは、おいしいいちごの見分け方。

 

実は大きさは関係ないそうです。「へたのすぐ下まで赤くなっている」いちごは甘くて美味しいと。

確かにそのようないちごを選んで見ると非常に甘いのです。

 

じゃあ、スーパーで売っているいちごは甘くないのか?と聞いてみると、

出荷してから食卓に登るまでは時間がかかるので、まだ白い部分が残っている段階で

出荷するのだそうな。流通段階で熟成させるので、完全に熟しきっていないものもあるでしょうねと。

 

つまり、イチゴ農家で食べるいちごとスーパーに並んでいるいちごは違うものといえるようです。

おばさんの話ではいちごが嫌いな人でも直接食べに来ることで好きになった人もたくさんいるそうです。

 

いちごの品種についても「章姫」と「紅ほっぺ」の2種類があるのだそうな。

有名な「紅ほっぺ」に比べて「章姫」とはマイナーですが、熟すととても甘くなる品種。

逆に甘く、柔らかくなりすぎて出荷が難しい種類だとか。

今回は「章姫」でしたが、とても柔らかく、甘かったですよ。

 

いちごの花とまだ小さな実です。

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いちご狩りに行ってみた その1

さて、第1回めの「子連れでイベント」はいちご狩りです。

いちご狩り、実は12月から始まっていました・・・(昨日知りました。むう)

 

今回おじゃましたのは、伊豆の国市、江間にある、江間いちご狩りセンターです。

英語ではEMA Strawberry Picking Center。なんかかっこいい・・・

HPはこちら。

http://ema-ichigo.com/

 

ここは個人の農家ではなく、農協がやっているところなので、周囲のビニールハウスで全部!いちご狩りができたりします。

もちろん、いちごが採り尽くされたビニールハウスはお休みですが・・・

 

東京からは渋滞がなければおおよそ2時間半くらいです。

東名または新東名の沼津インターを降りて伊豆縦貫自動車道→国道1号→国道136号と進みます。

途中、伊豆中央道でショートカットもできます。有料ですが。

伊豆中央道の料金所を過ぎてすぐの信号を左折すると、すぐ目の前にあるので、わかりやすいでしょう。

こんな感じです。

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入ったらまず入場券を購入します。まだ1月なので、一人1800円。

春になるにつれ、少しずつ値段は下がります。

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その後、係員の乗った車が待っているので、その車のあとについて行き、

目的のビニールハウスに到着です。

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後は、練乳をもらい・・・

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好きなだけ食べる。

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でも、練乳はほとんど要らないくらいの甘さです。いちごもとても大きいですよ。

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実は昨年も2回いちご狩りに行っています。ただ、その時に大変な目にあったので、

いちごを食べるのは少し控えめにし、後は農家のおばさんとお話していました。

 

・・・続く。

 

いちご状血管腫の内服治療が開始されました。

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少し前の話になりますが、いちご状血管腫に対する内服治療を行うことが出来るようになりました。

 

今まで何度かこのブログでも取り上げていますが、

プロプラノロールという本来は高血圧に使うべき薬がいちご状血管腫に効果があることが

数年前にたまたま発見されました。

まだ56年しか経過していませんが、とうとう正式に薬として処方できるようになったのです。

 

この使用可能になるまでの速さは画期的ですが、どうしても本来の薬の性質上

避けて通ることのできない問題がありました。

 

そうです、血圧の変化です。

血圧を下げる薬である以上仕方のない話では有るのですが、

これが問題になってしまい、一般のクリニックでは処方できない薬と

なってしまいました。

 

つまり大きな病院でスタッフが細かく監視が行える環境が必要になるので、

デイケアの様な一日滞在できる施設か、もう一つは入院と言う形になります。

 

そして、もう一つの問題は診療科の問題です。

いちご状血管腫の治療を行っていたのは皮膚科及び形成外科でした。

そこに小児科が関与してくる。

というわけで、病院の内部の体制を色々と替えていかなければなりません。

システムづくりにも時間かかりますからね。

 

というわけで、薬が採用になりましたが、その使用についてはまだまだ制約があるようです。

 

最後の問題はそのバタバタが外から見えないことですね。

紹介しようにもどこに紹介すれば良いのかわからないということになってしまいます。

誰にどのようなルートで紹介すれば良いのか?

外から見るとさっぱりわかりません。

どうしたもんでしょうかねえ。

となってしまいます。

 

なお、近隣の多摩地区から都区西半分についてはある程度の情報が手元にありますので、

もしも相談したい。内服してみたいと言う方は一度相談に来てくださいね。

内服という武器が増えた反面、使い分けも大きく変わる時期になっていますので、

なかなかややこしい事態になっていますが、極力ご希望に添えるように致します。

イチゴ一円?

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幼い子供のいい間違い、可愛いですよね。

我が子の間違いもそうですし、
自分自身にも覚えのある方もたくさんいらっしゃることと思います。

出かけた帰り道、子どもが突然、

『 いちごいちえ って、イチゴが一円ってことだよね?』 と。

まあ、お安い!(笑)

自分自身を振り返れば、
小学生のとき、『汚職事件問題』を『お食事券問題』と勘違いしていました。

賄賂ということは理解していたので、
お食事券をソデの下で渡していたのかと・・。

忘れないうちに、メモしておかないといけませんね。
娘の結婚式のお楽しみに使おうかな。

イカリジンに対する期待と不安

さて、今回も虫よけのお話です。

高濃度DEETとともに使用できるようになったイカリジンですが、

期待と心配のが半分半分ですね。

 

というのも、何かよくわからないからなんです。

何が?コレが。(参考資料はこちら

作用機序ははっきりしていないこと。虫のどこに効果あるかはっきりわからないこと。

これは心配面の一つです。

もう一つの心配は長期連用時の毒性についてまだはっきりしていないことですね。

一度に大量に使用した場合の毒性については上記資料に記載ありますが、

長期間の連用時にはどうなっているのかはっきりとわかりません。

そこが少し心配でもあります。

 

しかし、メリットも当然あるわけです。

DEETとは作用機序が異なりますので、併用すれば相乗効果を期待できるかもしれません。

まあ。メーカーさんに聞いてみたときにはその検討はされていないということですので、

どうなのかはやってみないとわからないのですが。

 

また、無臭であることもメリットです。

プラスチックを溶かす心配もありません。

小児に対する使用制限も今のところありませんので、

そういった意味では使用量さえしっかりと守れば

使い勝手の良いものであろうと思うのです。

 

新しい成分の虫よけ剤

ぜひ検討してみてください。

 

アワビと青菜と耳のないネコ

この原稿は第一出版株式会社より発行されている「栄養と職事ニュース」の中の「星霜」というコラムに執筆した原稿です。

第一出版株式会社より許可を得て、全文を掲載致します。

このような随筆形式の原稿を依頼される方はfc@wakaba-hifuka.comまでご連絡ください。

 

アワビと青菜と耳のないネコ

 

最初に質問です。ドラえもんに出てくるのび太君ならずとも一度は「光合成ができるようになったらずっとお昼寝できるのにな」と思ったことはありませんか?

では、人間に葉緑素を合成して加えてみたらどうなるでしょうか。その答えは、皮膚科医が知っています。

 

皆さんは光線過敏症という病気を知っていますか。遺伝子の異常や膠原病などにより、光を浴びると、皮膚に強い反応が起きてしまう病気です。

テレビで「宇宙服を着ないと外に出られない子」と紹介されることがあるのでご存知かもしれません。

原因となるのは光の中でも紫外線が多いとされています。。

 

実は薬剤でも同様のことが起きることが知られています。

ある抗生剤や痛みどめを飲んだり貼ったりした後に強い光を浴びると、激しいやけどや湿疹のような反応がおこることがあります。

特にある種類の痛み止めのシップでは貼った後に半年たっても起こることが知られています。

露出部で「長方形」に見える湿疹を診察したときに皮膚科医はまず、「シップを張ったことがありますか?」と聞くのはそのためです。

 

当然薬剤で起こることは食品でも起こりえます。(人間の体は「化学物質」としか判別しませんからね)

一昔前はクロレラによる光線過敏症が多発し、「クロレラ皮膚炎」と呼ばれていました。

原因はフェオフォルバイトと呼ばれる葉緑素の代謝産物です。

しかし、フェオフォルバイドについては当時の厚生省が規制を行ったため、今ではこうした症状は殆ど見ることはありません。

 

葉緑素といえば「光合成」。

なんとなく皆さん、光合成というと葉緑素のみが葉緑体の中でせっせと酸素とデンプンを作り出しているようにイメージするかもしれませんが、

実際は光合成とはもっと複雑な反応なのです。

 

実は葉緑体の表面には多数の葉緑素がパラボラアンテナのように配列しています。

また、その中心部には特別な葉緑素が漏斗状に付着しています。

そして光を浴びることで周囲の葉緑素はエネルギーを作り出し、それが中心の葉緑素に受け渡され、更に周囲にエネルギーが渡る反応を光合成と呼ぶのです。

(ちなみに、最初に水分子がエネルギーを受け取るので、水が分解され、結果的に酸素が生成されます)

 

逆に葉緑素のみ存在する状態では、光から受け取ったエネルギーは余ってしまい、周囲に光や熱という形で発散するしかなく、周囲が傷ついてしまうのです。

つまり人間の場合、その反応は光の当たる部分の皮膚で特に起こるので、皮膚科医がその状態の皮膚を観察することになるのです。

 

では、今では葉緑素やフェオフォルバイトによる光線過敏症は起きないのでしょうか?厚生労働省が規制しているから大丈夫?

いえいえ、そんなことはありません。今でもたまに報告がなされています。

健康食品については報告はないようですが、一般の食品、特に浅漬けの青菜漬などで起こることが知られています。

 

さて、最初の質問に話は戻ります。人間に葉緑素のみ加えただけでは、皮膚は日光を浴びるとただれてしまいます。

したがって、葉緑素のみならず、その周りの光合成のシステムを全部組み込まないといけません。

人間が日光浴のみで生きていける日は遠そうです。

 

最後に「耳のないネコ」の話です。

昔から漁師さんの間では、「ネコに食わすなアワビの肝」と言われていました。

アワビの肝の中には濃い緑色のものがありますよね。実はその緑色はアワビが食べた海藻の中に含まれる葉緑素の色です。

小さなネコがアワビの肝をたくさん食べると、(昔の港ではアワビの肝はその辺に転がっていたみたいです。うらやましい)

その葉緑素が全身を駆け巡り、皮膚にも蓄積されます。

光の当たりやすい耳の部分では、皮膚も薄いために光線過敏症の症状がとても強く現れて、最終的に壊死して耳がなくなってしまうのです。

また、慢性的に続く皮膚の刺激がきっかけとなって皮膚がんが発生し、耳がなくなってしまうこともあるようです。

まあ、最近はアワビの肝はその辺には落ちていないので、大丈夫だとは思いますけどね。

ある雪の日の朝

起きたら大雨でした。

昨日まで猛吹雪だったのに。

 

雪かきというか、ベチャベチャのシャーベットをどけ、なんとか前の道に人が遠れる位のスペースを作りました。

しかし、その部分は小川になってしまいました。

 

車道も側溝の排水口に水が行かず、川のようです。

車道には車は殆どいません。物流関係でしょうかね、トラックだけがひっきりなしに通っています。

バスも来ません。来たと思ったら「貸し切り」と電光掲示されていました。

何のことかと思ったら、道路を通れるか、試しに走っているみたいなんですね。

ということで、当然路面バスも来ません。

歩行者だけが黙々と歩いています。

 

そんなわけで、今日は休診です。

ある朝の出来事

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午後から診療といった不規則な受付時間のせいか、

午前中は何をしているのかといった質問を受けることがあります。

 

これはある朝の出来事です。

朝ごはんも食べ、子どもも学校に向かいました。

さて、のんびりしようかと思い、パソコンに向かった所、

エラーのメッセージが。

見てみると、ハードディスクが故障しています…………

 

今までののんびり気分が一気に吹き飛びました。

慌ててネット通販を探し回り、

ハードディスクの注文をしたのはしばらくたってから…

気がつくともう出発の時間です。

 

という感じです。

のんびりしている暇はありません。

それ以外にも原稿やブログを書いたり、院内掲示物の下書きをしたり。

小さな仕事をすっとしています。

決して寝坊しているわけではありませんよ。

 

ありえへん∞世界でみた「ジンバブエの民間療法」には科学的な根拠がある(かもしれない)

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クリスマスイブの夜、Googleでサンタさんが出陣するのを見ながら娘は寝てしまいました。

 

その後何となく、テレビをザッピングし見つけたのがテレビ東京の「ありえへん∞世界の世界スぺシャル」でした。

 

その中でジンバブエの紹介があり、その最後のコーナーはジンバブエの民間療法が紹介されていました。

紹介された後に、スタジオでは「ありえなーい」の大合唱でしたが、

実は意外に科学的な根拠があるのではないか。

というお話です。

 

さて、番組の内容ですが、 まず一つ目は「傷口を治すのに砂糖を振りかける」ということです。

番組内では傷口を水で消毒し、粉砂糖を振りかけていました。

実はこれ、日本でも使われています。

まあ、粉砂糖をそのままかけるわけではありませんけどね。

精製した白糖を使用することにより、創傷治癒が進むというデータがあります。

白糖は浸透圧が高く、傷口の余計な水分を吸い取ります。

つまり、傷口のむくみをとることができます。

また、繊維芽細胞の増殖を促進する作用もあるとのことです。

 

現在、精製白糖そのものは医薬品にはありませんが、これに消毒剤のイソジンを加えたものは

処方箋医薬品として立派に通用しています。

ユーパスタという名前で処方されていますよ。

 

次に出てきたのは、頭痛に対してある木材を粉にしたものを鼻から吸入するというものです。

木の粉を吸うなんて・・・と思う方もいるかもしれません。

しかし、もっとも有名な頭痛薬はもともとある植物から作られたものです。

 

その頭痛薬はアスピリンです。

アスピリンは正式な名前はアセチルサリチル酸といいますが、大元はサリチル酸です。

そのサリチル酸の安全性を高めるためにアセチル基を付加し、化学的に合成したものがアスピリンです。

そもそも元のサリチル酸はヤナギの木に含まれており、化学的にヤナギの木から分離されました。

そのため、ヤナギsalixから分離されたサリチル酸salicylic acidと呼ばれるようになったのです。

 

もともとヤナギの木が鎮痛作用を持つことは遠くギリシア時代から知られていました。

またアメリカ先住民や日本人の間でも知られている知識でした。
(日本でも歯痛には柳楊枝を使うことで痛みが軽減できることが江戸時代には広く知られていたようです)

したがって、ある種の植物にはサリチル酸が多く含まれている可能性は十分にあるのです。

 

また、番組では鼻から吸引していましたが、これも合理的なのかもしれません。

サリチル酸は強力な酸であり、内服すると胃に障害を与える可能性があります。
(まあ、そのために安全なアスピリンが合成されたのですが)

アスピリンは胃や腸から吸収された後に肝臓でサリチル酸に代謝され、

薬剤としての作用を発揮します。

これに対して、サリチル酸を鼻から直接吸入すると考えると、 直接血管に吸収され、

サリチル酸が頭痛に効く可能性は十分にあり得るのです。

 

まあ、しっかり植物名を確認し、検証したわけではないので、あくまでも仮説ですが、

十分に効果を発揮する可能性はあると思います。

 

私たちは錠剤になった薬剤を飲んでいます。

しかし、その薬剤が開発されるまでは別のものを使用していました。

その薬の祖先は自然に由来するものはほとんどです。

極端な話、薬の祖先はみな民間療法から始まりました。

それを様々な人が少しずつ改良し、使いやすいように作り変えてきたのです。

私たちはそのことを忘れてはいけないと思うのです。