わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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川崎病はムズカシイ

今日は武蔵野日赤で循環器の研修会がありました。

皮膚科医なのに、循環器の研修会に参加したのは今回のテーマが川崎病だったからです。

 

川崎病は、皮膚科の立場からすると診断の難しい病気です。

皮膚に出てくる症状は何でもありです。

紅斑、紫斑、水疱、膿疱などなどなど。

皮膚の症状をみて、川崎病か否か診断するのはまず無理なのです。

また、現在まで病因・病態が全くわからいのもより難しくしています。

現在の診断基準もあくまで症状を羅列したものですから、

そこに原因や理由があれば良いのですが、それすらもわからないことが多く、

本当に困ってしまいます。

 

しかし、現在は診断や治療については確固たるものが出てきました。

ガイドラインも出ていますので、治療法も決まってきたのでしょう。

(リンクを貼ろうとしたのですが、Google先生に怒られました。なんでも不正なページの可能性があるそうな。

検索は自己責任でお願いします。)

 

私が一番知りたかったのは原因についてです。

何らかの感染症が誘引と昔から言われてきましたが、現在その分野の研究がどこまで進んでいるのか知りたかったのです。

結論から言うと、原因となる細菌やウイルスの種類には確固たるものはないそうです。

むしろ、免疫反応の強さやクセがおもな原因と言われるようです。

(詳しくは、免疫反応の活性化に伴い高サイトカイン血症となり、全身のさまざまな症状が起きるのだが、

その反応の強さには遺伝子多型による差があり、ある幾つかの遺伝子型の保有により相対リスクが高くなる)

 

なので、ある種類の感染症が流行するとその地域から川崎病が出る可能性が高くなる。

しかし、別の種類の感染症ではそのようなことは起こらない。

また、双子でも同時に発症することはないが、時間差をおいて発症することがある。

などなど。

 

少しずつ頭の中もクリアになってくれるといいのですが、

まだ、難しいですね。

今後も勉強です。

山男と水虫の塗り薬は相性が悪い?

今回は夏らしく水虫の話などを。

 

水虫の塗り薬ですが、確率は低いのですが、かぶれて使えなくなる方がいます。

そういう方は薬を変える必要があるのですが、

どうも、山にのぼる人はその確率が高いような気がします。

気のせいでしょうか・・・

 

普通、塗り薬にかぶれるリスクはだれでも一定と考えられます。

でも、どうも、擦れたり、濡れたりと皮膚にストレスを受ける人はなりやすい印象があります。

汗っかきの人は水虫の塗り薬に負けやすいようですね・・・

 

山にのぼると、ずっと靴を履きっぱなし。歩きっぱなし。

で、皮膚にストレスがかかる。

そのせいでかぶれる。

という段階を踏んであわなくなるような気がします。

 

なので、山にのぼるときは水虫の塗り薬は塗らないで!

と言っているのですが、どうなんでしょうね。

 

少なくとも、文献的な明確な証拠は無さそうですが。

今度、水虫専門の先生に聞いてみようっと。

就活生の治療はあまり変えないほうがよい?

昨日は受験生のお話をしました。

今日は就活生のお話です。

 

受験と違って就活は長期戦です。

一つだけ照準を決めてそれに合わせていくということが難しいシステムですよね。

いくつもの会社にエントリーし、それぞれの会社の面接を行い、

試験を受けていくというシステムは、今後会社に行って働いていくシステムそのものです。

 

そのシステムからのストレスを治療の強化によって抑えていくのは果たして良いのか?

と考えると、就職活動を行っているときには積極的に治療を強化する必要はあるのかと

考えてしまうのです。

 

今後同じようなストレス強度を以て仕事をしていくわけですから、

先日の受験生の時の用に、副作用にはある程度目をつぶって効果を求めればよいかと

言われると同様には考えられないのでは無いかと思うのです。

 

どうなんでしょうか?

難しいところですね。

小容量のオテズラがほしい

尋常性乾癬に対するオテズラの処方も少しずつ経験が蓄積されてきました。

今日はそんな新薬についての感想です。

 

有効性

ものすごく良い。

クリニックで使用可能な内服薬としては段違いに大きなものです。

今まではシクロスポリンとか、チガソンとかありましたが、いずれも使用しにくい状況。

シクロスポリンは腎臓や血圧に影響がありました。また、免疫を落とすので感染症にも注意が必要。

チガソンは胎児に奇形を形成する可能性があるので、働き盛りの方には使えませんでした。

しかし、オテズラはそのような問題は有りません。免疫力の低下も有りません。

その点では使いやすく、効果も高いのです。

 

副作用

みんな出ます。と思っておいたほうが良いでしょう。

多くの人は吐き気やムカツキなど、胃腸に出る傾向があるようです。

血圧やだるさといった人もいるようでした。

でも、皆さん出ます。

でも、皆さん飲み続けたいと言っています。

それだけ、効果が副作用を上回っているんですね。

 

ただ、現状問題点も無いわけではありません

 

まず一つ。

長期連用の副作用はまだはっきりしていない。

それは起こりえます。

ないかもしれないし、有るかもしれない。

1年ではまずなさそうですが、3年ではどうか、5年では、10年では?

わかりません。

 

もう一つ。

容量設定に問題が有る。

どうも副作用の出来方と内服量には比例関係があるようにみえるのですが、

30mg錠の一日2回。

しか、投与方法が無いんですね。

 

仕方ないので、

1錠を朝か夜のみ一日1回の内服にしてみたり、

一日2回の内服ですが、1回あたりの内服量を0.5錠にしてみたり。

という工夫を行っています。

 

なので、できれば、10mgや15mg、20mgといった小容量のものに変更できるようにしたいんですね。

病気の勢いを初回に多めに内服して抑えて、その後は小容量で維持をしていく。

そのような治療法ができてくるのでは無いかと思うのですが、

(まだ証明はされていません)

その時により小さな容量で内服出来るようになるとありがたいんですがね。

 

オテズラは尋常性乾癬に対して非常に良い薬であると思います。

であるので、逆に様々な使い方を模索していく必要があると思います。

さあ、これからどのように治療を組み立てていきましょうかねえ・・・

小学生の太ももの湿疹と洋服との関係

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新学期になり、2ヶ月が過ぎました。

春の運動会シーズンも、もうおしまいですね。

今回はその運動に関係するお話を一つ。

 

小学生の診察をしていて気がつくことがあります。

特に男の子に多いのですが、太ももの内側に症状が強く現れる事があります。

年齢は年長さんから小学生にかけて。

もう少し大きくなると、太ももの前面に湿疹が多く出やすくなるようです。

 

この太ももの湿疹。どうも洋服と体型が関係しているみたいです。

太もも内側の湿疹が出来る子を見ていると、どうもぽっちゃり系の子が多いようです。

 

・・・ということは、

洋服で擦れているんですね。

ズボンの内ももの部分にこすれるために湿疹ができると考えていいのかもしれません。

 

もちろん薬を塗れば症状は落ち着きますが、一番の根本的な治療法はというと、

ダイエット

ということになるわけですね。

 

でも、ここで注意点が一つ。

子供のダイエットは十分に注意する必要があります。

大人のようにただ栄養素を削れば良いというものではありません。

成長するのに必要な栄養素を取りつつ、体重を減らす必要があるので、

綿密に計画をたてる必要があります。

専門家の指導の元に治療をする必要があるのです。

小学生がお化粧をしてもいいですか?

んー。別に悪くはないと思いますよ。

ただ注意することがいくつかあるので、気を付けて使ってねというお話です。

 

 

昨今の社会状況そして子供の成長の様子を見ていると、

小学生高学年くらいからお化粧をしたいと思うのは普通にあることだとは思いますし、

それを頭から否定する必要はないと思います。

ただ使い方にだけ気をつけてください。

 

まず大前提です親と一緒に選び、使い方を教わること。

これは非常に大切なことです。

 

自分のお小遣いで買うというのはあまりおすすめはしません。

というのはお化粧品でもトラブルがおき、その影響は時には一生続くからです。

もともと子供のお肌は大人と比べ弱いです。これはもう仕方の無いこと。

そのために大人では問題のない刺激でも子供の皮膚には耐えられない。

ということも起こり得ます。

そのことは同様に、ある成分に対してアレルギーを起こす可能性が高いということにも繋がります。

化粧品の成分へのアレルギーはあまり発生率は高くはないのですが、一度発生すると

理論上はその後ずっとその成分は使えなくなります。

子供は今後の人生が影響もより強くなると考えられるのです。

また親と一緒に購入し、使うことで、正しい使い方についても教わることができますし、

ドラッグストアなどでも親子であればお化粧の指導をしてもらうことも問題はないでしょう。

子供だけの場合はお化粧の指導は難しいですよね。

 

あとはきちんとした製品を購入するということです。

プチプラとは言いますが、逆に言えば安かろう悪かろうの可能性もあるのです。

海外の製品をそのまま輸入するのであればコストは掛かりませんから販売価格も安く抑えられます。

しかし逆に言えば何が入っているか不明瞭というリスクでもあります。

少なくとも大手ドラッグストアで購入できる製品についてはそのようなリスクは

雑貨店で購入できるプチプラの製品よりも少ないと考えてよいかと思います。

誰もが知ってるような日本のメーカーの製品であれば、何が入っているか、それがきちんと安全であるかと考えたときに

問題が起きる確率が極小と言えるでしょう。

こういった安全性に関わるお話を親子でしながら、

お化粧品を購入するというのは大事なんですよ。

どうしても子供は目に見えないリスクは軽視する傾向にあります。

あるいは存在しないと思っているか。

そのリスクが値段に乗っているということをお話をするちょうどいい機会かもしれませんね。

 

子供のには一律に禁止すると逆にこっそりと買い、裏でこのような問題に遭遇する可能性もあります。

その状況に直面してうろたえるよりは、表にしながらしっかりと話し合い、

コントロールしながら製品を選んでいくと言う方が良いのではないかと思うのです。

早熟ではなく、成長の一つの過程として、親は見てあげてもいいのかなあと思うのです。

 

小児の舌下免疫療法は準備中です!7月使用開始予定です。(2018年5月)

ごめんなさい。発売が遅れているようなんです。

 

今年の春に沢山お問い合わせをいただきました、小児用のスギ舌下免疫療法ですが、

2018年5月現在、使用可能になるのは7月頃を予定しております。

メーカーさんからの販売開始が微妙に遅れているようなんですね・・・

 

なので、夏休み前には治療開始できるのではないかと思います。

当初は小学生以上が対象となります。

もう少しだけ、お待ちくださいませ。

小児の舌下免疫療法は7月開始となりました

春ももうおわりなのかな・・・梅雨なのかな・・・

という不安定な天気ですが、嬉しいニュースが飛び込んできました。

 

小児に対する適応を持つシダキュアですが、6月下旬発売開始が決定しました。

それに伴い、当院でも小児に対するシダキュアの舌下免疫療法を7月より開始したいと思います。

 

成人の治療に遅れること数年、いよいよ小児でも治療が開始できるようになりました。

嬉しいですねえ。

 

しかし注意事項もあります。

初回は

1、診察

2、処方箋受け取り

3、薬局にて薬を受け取り

4、クリニックに戻り初回投与

5、初回副作用の確認30分

という流れになりますので、結構な時間を必要とします。最低でも2時間は見ておいたほうが良いかと思います。

なので、早めの時間に起こしください。

また、時間の余裕のある時にお越しください。

 

以上、当院からのお知らせでした。

小児アトピー性皮膚炎/乾燥性湿疹アンケートにご協力いただきありがとうございました。

今年の夏に行った小児アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹のアンケートですが、

やっとデータの集計ができました。

 

普通にプリントでお渡しするのもねえ。と思ったので、今回は動画という形で告知させていただきました。

現在、動画は頑張って制作中です。

まずは紹介動画から、どうぞ。

 

尋常性乾癬の新薬。「オテズラ」処方を開始しました。(2017年3月)

春です。少しずつ暖かくなってきましたね。

早いところでは桜も咲いてきたようです。

伊豆の桜はきれいでしたよ。

 

さて、尋常性乾癬の治療にも春がきたのでしょうか?

新薬の登場です。

 

新薬?すでにいっぱいあるよねという方。

正解です。

ここ数年、尋常性乾癬の新薬はいくつも登場してきました。

いわゆるバイオ製剤ですね。

 

でも、これは重症の患者さんに対する恩恵です。

というのも、このバイオ、いくつかの問題も有るのです。

 

一つは注射であること。

薬剤によっては数時間かけて点滴を行う必要があるのです。

したがって時間の制約が強い。

休日に数時間病院を開けてくれるところも多くはないので、

お仕事によってはお休みをして。ということになってしまいますよね。

 

もう一つ。

施設が限られていること。

結核など、過去の感染症の再発がリスクとしてありますので、

事前にしっかりとした検査が出来る施設でないと治療ができません。

そのためにどこでも出来るわけではないこと。

また、使用できる施設は学会により審査され、可能施設が登録される形になるので、

どの病院でもOKと言うかたちではないのです。

 

最後の一つは薬の値段です。

かなり高く、1回の治療で数万円かかってしまいます。

つまり、お財布に優しくないんです。

 

そんなこんなで、どこでもいつでも使える治療法ではないという難点がありました。

重症の方が、総合病院や大学病院で行う感じですね。

 

あまり症状の強くない、でも、なかなか抑え込めない乾癬の症状に対しての治療という意味では

今回の薬は久々の新薬と言えるものなのです。

 

メーカーさんの資料を確認する限り、効果は結構あるようです。

気になるお値段も3割負担の方で月1万5千円と、バイオ製剤に対してリーズナブルです。

副作用も、免疫そのものを完全に抑えるわけではないので、

感染症の再発などは有りません。したがって事前検査をガッチリと行う必要もないのがメリットです。

また、処方可能施設の制限も有りません。

 

とまあ、ここまで、良いことをお話してきましたが、難点も当然あります。

値段は今までの飲み薬や塗り薬に比べて高いことは高いですし、

まだ新しいタイプの薬ですので、どのような使い方をすればよいのか?

どんな人に効くのかわからない。などの問題点もあります。

副作用も時間が立ってから出るタイプのものも出るかもしれませんし、

思いもよらない副作用が出る可能性も当然ながらあります。

こればっかりは、わかりません。

 

ということで新しい薬。

最初は、処方する側も飲む側もおっかなびっくりではありますが、

少しずつ処方は増えるのではないかなあ。

などと考えております。

 

 

久しぶりに乾癬の治療をしっかりとしてみようかと考えている方がおりましたら、

使用を検討してみてはいかがでしょう。

なお、当院では処方可能ですが、他の病院ではまだ使えないところも多々あるようですので、

可能でしたら予め電話で問い合わせしたほうがいいですね。