わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

ブログ

ある朝の出来事

m030254

午後から診療といった不規則な受付時間のせいか、

午前中は何をしているのかといった質問を受けることがあります。

 

これはある朝の出来事です。

朝ごはんも食べ、子どもも学校に向かいました。

さて、のんびりしようかと思い、パソコンに向かった所、

エラーのメッセージが。

見てみると、ハードディスクが故障しています…………

 

今までののんびり気分が一気に吹き飛びました。

慌ててネット通販を探し回り、

ハードディスクの注文をしたのはしばらくたってから…

気がつくともう出発の時間です。

 

という感じです。

のんびりしている暇はありません。

それ以外にも原稿やブログを書いたり、院内掲示物の下書きをしたり。

小さな仕事をすっとしています。

決して寝坊しているわけではありませんよ。

 

プリント配布中

DSC00185

 

クリニック入り口の北側、掲示板の中に自由に持っていける

病気のお話のプリントを設置致しました。

現時点では

・いぼ(尋常性疣贅)

・水いぼ(伝染性軟属腫)

・とびひ(伝染性膿痂疹)

の3種類のプリントを用意しております。

また、院内にはスペースその他の関係で置けなかった

プリントやパンフレット、リーフレットが各種置いてあります。

 

もしも興味がありましたらプリントだけもらいに来てもらっても構いません。

常識的な範囲内でしたらお友達の分もご一緒にどうぞ。

病気の話だけではなく、生活のアドバイスなども載せています。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

水虫、流行っています

 

a1180_007320

5月も中頃を過ぎ、暑く感じる日も増えて来ました。

気温と足並みを揃えるように、水虫の患者さんが少しずつ受診するようになりました。

ゴールデンウイークのお出かけの影響もあるのでしょう。

 

水虫、よく見られるのは、赤いブツブツがあり、一部に皮膚が剥けたようみ見える部分があり、

とてもかゆいというのが相場でしょうか。

しかし、その症状がなくても水虫のことがあります。

赤くないから水虫ではない。痒くないから水虫ではない。

わけではありません。

 

水虫が痒いのは、自分の体が水虫を攻撃しているからです。

同時に赤くなったり、水ぶくれができるのも同じ理由。

厳密にはあの赤みは、水虫菌に対する「かぶれ」なのです。

ですから、糖尿病など、免疫が落ちる病気の方の水虫は痒くはありません。

また、長期にわたり水虫になっていると、反応が徐々に弱くなってしまい、

痒みが出てこないのです。

では、長期の水虫はどのようにして封じ込めるのか?

これは足の裏が厚くなることで封じ込めています。

つまり、痒みがなくなってきた→水虫が治ったわけではないのです。

 

「水虫」を心配して皮膚科を受診した患者さんの中で本当に水虫菌がいるのは、

その半分しかいないという報告もあります。

心配な方は一度皮膚科を受診してみて下さい。

さくらんぼ帯状疱疹?

a0960_003134

 

あれは、医者になってから2年目の事だったと思います。

ゴールデンウイークが終わった後、医局人事の都合で何回か地方の病院に行くことになりました。

 

その病院は地域の中心の病院で沢山の患者さんが来ると脅かされ、ビクビクしながら行ったのですが、

外来はガラガラ。のんびりと診察が出来ました。

診察終了後、その土地名物の肉そばを食べながら、看護師さんにその話をすると、

笑われ、理由を教えてくれました。

その時期はさくらんぼの収穫時期だったのです。

聞くと、さくらんぼの収穫時期はてんやわんやです。

普段はのんびりしているおじいちゃんやおばあちゃん、小さな子どもまで狩りだされ、

収穫、梱包、出荷と夜が明ける前から深夜まで、大忙しなのです。

当然、大きな病院にのんびりと受信している余裕はなく、病院側は閑古鳥が鳴く事になるのです。

なんでも、癌の手術ですら延期されることもあるとか。

 

逆に、その季節が終わると帯状疱疹の患者さんが増えるのです。

先のエントリーの通り、気が抜けてしまうのでしょう。

それを病院のスタッフは「さくらんぼ帯状疱疹」

と呼んでいました。

 

病は気からとはよく言ったものです。

帯状疱疹に流行はあるのか?

a1180_002119

 

帯状疱疹。

名前は良く知っているかと思います。

一説によるとお岩さんも帯状疱疹にかかっていたのだとか………

 

帯状疱疹の原因はみずぼうそうのウイルスです。

このウイルスは、水痘を引き起こした後、その人の神経の中に潜んでおり、

その人の体調が悪くなった時に再度、帯状疱疹という形で現れます。

したがって、季節との関係は無いはずですが、なぜか今の時期によく見かけるような気がします。

 

先に説明のとおり、帯状疱疹はその人の体調が悪いと出てきます。

今は、5月のしかもゴールデンウイークが終わった後です。

きっと、4月に環境が変わった方も多く、気が抜けてくるのでしょう。

5月病という言葉もありますしね。

あるいは、ゴールデンウイークにおもいっきり遊んだ後に

気が抜けるのでしょうか?

 

以前の病院に務めていた時にも、

新しく入った研修医や看護師さんがこの時期に帯状疱疹になっていました。

皆様、お気をつけ下さいませ。

なんとなく、ぴりりとした翌日以降に赤いぶつぶつが出てきたら、

それは帯状疱疹かもしれませんね。

早めに受診ください。

【論文】イボはどこからもらうのか?

たまには真面目に論文の話でもしましょうか。今回はイボのお話です。

タイトルは

Warts Transmitted in Families and Schools:A Prospective Cohort

です。雑誌は(小児科の専門雑誌ですよ)

PEDIATRICS2013;131;928

です。

 

ここで英語の時間です。

Wartは世間一般で使われる用語で「イボ」です。水いぼはWater Wartです。水の付き方は日本と一緒ですね。

Prospective Cohortとは研究の方法です。

ある集団をいちからずっと観察し続ける、非常に手間のかかる方法です。逆に信頼性は高い研究方法です。

この論文ではオランダの3つの小学校を1年から1年半観察し、イボ保有率と、その悪化原因を観察しています。

対象者数は約1000人です。

 

さて、結果ですが、

イボの保有率は約30%です。結構高いですねえ。

この論文では、色々な因子により、イボの保有率がどのように変わるのかを観察しています。

 

ざらっと紹介しますと、イボにあらたにかかる可能性は、

男の子では1.1倍(95%の可能性で0.8-1.3倍←人数があまり多くないので、95%の可能性でこの範囲内に入るということを意味します)

白人では1.9倍(1.4-2.7倍)

過去にイボにかかっていると1.5倍(1.2-1.9倍)

となっています。

なぜ白人のみがこんなに可能性が高いのでしょうか?

遺伝?生活習慣?謎です。

 

さて、生活習慣とイボのかかりやすさですが、

個人との親密度から幾つかグループに分けてみると、

<家族>

家族にイボ持ちがいると2.1倍(1.5-2.9倍)

<教室>

そのクラスのイボ保有率が40%を超えていると1.5倍(1.2-1.9倍)

→イボ保有率が10%増えることに1.2倍(1.1-1.3倍)

親友がイボ保有者だと0.9倍(0.7-1.2倍)←その子は本当に親友ですか そんなことは言っちゃ行けません。

<社会・公共>

公共のプールを使っていると1.4倍(1.0-2.0倍)

裸足のスポーツをしていると1.1倍(0.9-1.6倍)

公共のシャワーを使っていると1.0倍(0.7-1.4倍)

となります。

 

当然密接に関係する人間のイボ保有率がダイレクトに影響しているわけですね。

しかし、プールであまり上がらないというのも正直意外でした。

最も、プールに入っている時間や期間については詳しい調査がされていないので、

その部分がはっきりしないと関連性も言えないとおもいますが。

 

ただし、ここからわかることは

家族にイボがいると移りやすい

ということでしょう。当然といえば、当然ですが、家族に移さないこともしっかり考えないといけませんね。

 

最後に、私が簡単にまとめた図です。

確かに、接触の強さとリスクが揃っていますね。

イボ

朝シャワーのススメ。こども編

a0027_002082

 

ゴールデンウイークも終わり、だいぶ暑い日が増えて来ました。

北海道、東北では2週間前に雪が降っていたのに、今は真夏日ですか……

体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

さて、暖かかくなり、皮膚科医の間ではアトピーがみんな悪くなってきたという

話が増えています。

その原因は色いろあるでしょう。

しかし、その中の一つとして汗があることはご存知でしょうか。

 

アトピー性皮膚炎が悪くなるきっかけを聞いてみると、

「乾燥」と「汗」が最大の原因でした。

しかし年齢により、どちらが悪いかがわかれます。

大雑把に言うと、幼児園児くらいまでは「乾燥」

それ以上になると「汗」が悪さをする印象があります。

 

乾燥に保湿剤という対策があるように

汗にもシャワーという対応策があります。

 

朝、5分だけ早く起きて(起こして)シャワーを毎日浴びてください。

石けんは実はあまり必要ありません。アセモの部分に使うくらいで構いません。

毎日、シャワーをしてあげるだけで、随分アトピーの症状の出方は変わりますよ。

 

また、シャワーにはもう一つ利点があります。

シャワーをすれば、必ず裸になりますよね。

つまり、朝の塗り薬をつけやすくなるのです。

 

もともと子どもは汗をかきやすいもの。

朝のうちから、汗をかいた頭がすえた匂いをしているのもイヤですからね。

(我が家では「頭が発酵している」と言っていますが。)

 

暑くなり、子どもがおへそをだして寝るようになったら、朝シャワー、ぜひ試してください。

 

追記。

先のエントリー。大人は朝シャンですが、子どもは朝シャワーです。

上にも書きましたが石けんはアセモの部分を除いてあまり積極的に使う必要はありませんが、

匂いが強いところにはしっかりと使ってくださいね。

 

2013/5/23更に追記

シャンプーや石けんですが、全身に1日2回使うと乾燥が強くなる印象があります。

アトピーや乾燥肌の子は症状が悪くなることがありますので、気をつけて下さいね。

朝シャンのススメ。大人編

a0027_002082

 

朝シャン、懐かしい言葉です。最近は聞かないですね。

調べてみるとバブル期の言葉です。

そういえば、日本で再び「ティモテ」を販売するようですね。

あのCMソングを聞くと懐かしく思う人もいるかもしれません。

 

私はいつも言っているのですが、夏こそ、成人男性は朝シャンをするべきと

考えています。

 

男性は皮脂分泌量が多く、また、汗も大量にかきます。

その皮脂や汗を皮膚表面に存在している細菌やカビが食べて、それを代謝し、

結果として起きるものが脂漏性湿疹やワキガとなるのです。

また、アセモにつおても同様のことが言われています。

また、汗や皮脂そのものにも種々の化学物質が存在し、それが嫌な匂いの元となります。

細菌や真菌がその原因となるので、それを薬で叩いてしまえば、

脂漏性湿疹やワキガ、アセモや匂いは良くなるのですが、あまりスマートな対応ではありませんよね。

むしろ、朝に一度シャワーをすることによりそれらの症状が匂いを抑えたほうが良いでしょう。

(石けんは頭部、顔面、ワキ、股間部などに使うだけで構いません)

 

実際に自分でも朝にシャワーをすると、その日1日さっぱりとした気分で過ごせます。

また、特別な石けんを使うことで、小鼻の赤みもなくなりました。

コラージュフルフル 液体石鹸 250mlコラージュフルフルネクスト シャンプー すっきりサラサラタイプ 400ml

(この石けんには脂漏性湿疹の原因となるカビを抑える成分が入っています)

 

暖かくなってきた時こそ、いかがでしょうか。

私が湿潤療法を勧めるわけ

a0001_016386

だって、痛いのはイヤでしょ。

というのが一番の理由です。

 

傷の治り方は湿潤療法の方が幾分早い印象がありますが、

従来までの治療法であったとしても適切な方法であれば、子どもの傷は

早く、綺麗に治ります。

 

しかし、違いは痛みです。

特にじくじくした傷では、従来のガーゼでは傷口にくっついてしまい

剥がすときには強い痛みがあります。

また、乾燥している傷でもガーゼがこすれてしまい、体を動かすたびに

痛みが出てしまいます。

結果として、ずーっと痛みを感じてしまうのです。

 

逆に、湿潤療法では、傷をすべてフィルムまたはゲルで覆うために

貼っている傷の痛みは比較的に少なくなります。

また、剥がすときも傷には固く、くっついてはいませんので、痛みはガーゼより弱いです。

これだけでも子どもの傷に湿潤療法を使う十分な理由になります。

もちろん、大人であっても不必要な痛みを加える必要はないと考えています。

 

湿潤療法を進めるもう一つの理由は可動性です。

貼り付ける基材を適切に選ぶことにより、自由に痛みなく動かすことができます。

また、ガーゼがずれて傷口が露出することも防げます。

子どもの運動や活動を、不必要に制限する必要がないということは、

湿潤療法を積極的に選ぶ理由としては十分では無いでしょうか。

湿潤療法のご案内

当クリニックではやけどやスリキズなどの皮膚潰瘍、創傷治療に対して、湿潤療法を行なっています。

 

湿潤療法については「ラップ療法」などとも称されますが、家庭用品を用いての治療はしておりません。

原則として医療用の基材を用いた治療法のみ行なっております。

ポリウレタンフィルムドレッシング、ハイドロコロイド等、傷口の状態に応じた基材を多種用意しております。

 

なお、適応についても検討したうえで、必要があれば従来までのガーゼを用いた治療法を行うこともありますことをご了承ください。