わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

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2017/3/14
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赤ちゃんのニキビには薬は必要ありません

今回もニキビの話を進めていきましょう。

そして、専門の赤ちゃんのお話をしていきましょう。

 

赤ちゃんには結構な確率でニキビができます。

概ね数週間から23ヶ月くらいまでの間に、鼻の頭を中心に赤ちゃんのほっぺたやおでこにニキビができることがあります。印象としては男の子に多いかな?

このニキビは新生児痤瘡と呼ばれます。大人のニキビとは区別して考える必要があるのです。

 

では、大人のニキビと赤ちゃんのニキビはどう違うのか?

病因についてはよくわかりません。でも、一つ明らかに違うものがあります。皮膚のケアです。

お母さんにお話を聞いてみるとよくわかるのですが、ニキビができている赤ちゃんには、あまり石鹸を使った洗顔がされていませんでした。男の子が多いのは多分その石鹸使用率の違いやスキンケアの違いが影響しているようにも思えます。

 

対処法は簡単。まず洗うこと。そして石鹸をしっかりと流すことが一番です。とにかく汚れを大量の水を使用して洗い流すことが治療にもなるんです。

ただし、ここで注意点。石鹸は石鹸水を単純に塗るのではなく、泡を作って泡をのせるようにして洗う必要があるのです。

 

赤ちゃんのニキビはまずしっかりと洗うこと。

それだけで十分に落ち着けることができるのです。

もちろん、落ち着かない時にはスキンケアの確認をする必要がありますので、心配なようであれば一度受診してみて下さいね。

過酸化ベンゾイルをニキビに使ってみませか?

今回のお話は、過酸化ベンゾイルについてのお話ですよ。

 

この薬は、日本ではべピオゲルとしてつい最近になって処方し、使用できるようになったのですが、実はこの薬はもう数十年も前から欧米ではニキビに対して使用されていました。

日本では細菌を殺す抗生剤の塗り薬や飲み薬が治療の主体になっています。

また、時には漢方薬を使用することもありますが、まあ、あまり一般的ではないので今回はこのお話はしないでおきましょう。

 

この新薬である過酸化ベンゾイルの良い所は、耐性菌ができないことです。抗生剤を使用していると理論上は薬剤に対する耐性菌が出現し、同じ薬を使い続けているうちに効果が徐々に落ちてくるのですが、この薬はそのようなことがないんですよね。

というわけで、長期間使っても問題のない薬となっています。

まあ、妊婦さんや授乳婦さんには原則として使用できない(ことになっている)んですが、海外で長期間使用していることもありますし、海外のデータも確認して、妊婦さんに使用できるのか確認しておくことにしておきます。

 

すでに外来で処方している子も居るのですが、印象としてはニキビに対する効果は直ぐに効いてくるものではなく、数週間たってから改善するような印象があります。

対しる印象として即効性のあるのは、抗生剤や抗真菌剤の塗り薬なのですが、合わせて使用することによって、より高い効果を発揮する印象があります。併用することで相乗的効果を示す印象があるんです。

 

まず抗生剤や抗真菌剤の塗り薬を使用することで一気に抑え、その後は過酸化ベンゾイルやアダパレン(日本ではディフェリンゲルとして処方することができます)を使いながら抑えていくのが効率的な治療法になるかと思います。

治療期間が長くなるのも心配な点ですが、すでに数十年の使用経験がある過酸化ベンゾイルですから、心配せずに使用して頂いて構いません。

 

もしも現在の治療でニキビがなかなか落ち着かないような方には非常に有効な治療法でもありますので、心配なようであれば一度皮膚科を受診してみても良いかもしれませんね。

 

 

 

しらみの月別データを確認してみた

小児皮膚科医を長い間しているのですが、考えてみたらシラミのデータはほとんど見たことが有りません。

一般的な病気であり、難しいものではないこと、治療法もある程度確立されたものが有ることから

あまり統計データが表に出てこないのでしょう。

 

実際に、以前に勤務していた成育医療センターでのデータも眺めてみたのですが、

数年間で数例しかデータが有りません。

とても季節の傾向がわかるものでは無いです。

思い返してみても診断をしたのは他の診療科に入院した子にできていました。

という状況が多かったです。

まあ、専門病院ですから、わざわざシラミで皮膚科を受診する子もいませんし、

予約から診察まで数週が経過しているうちに終息しますよね。

 

ということで開業してからのデータをひっくり返してみました。

スクリーンショット (2)

 

開業してから2年とちょっとですので、2,30例くらいのデータです。

秋に多いかなあ・・・

意外にもGWから梅雨にかけてもかなりの診断例があることが分かりました。

もう少しデータが増えればなんとなくですが、傾向は見えてくるかもしれませんね。

 

今年もしらみが増えているようです

シラミ

 

といっていますが、毎年、秋には流行していますよ。

幼稚園児や小学生がほとんどなので、あまり知られていないのですが。

また、局地的な流行なので、周りに出ていなければ全く知られることは無いのですが。

 

しらみは夏に感染します。

どうしても、プールや遊んでいる時に直接虫が乗り移るので仕方がない面も有るのですが。

そして、潜伏期が数週間あるということで、

秋のこの季節に多く発生するように見えるのです。

 

治療ですが、まず、薬は効かないものと考えて、治療を行うべきです。

スミスリンシャンプーが治療の中心に成るかと思いますが、

耐性率は30%を超えているはずです。

1/3が効かないのと、薬だけに頼ると結果的に治療期間が長くなるので、

あまりお勧めはしていません。

大事なのはとにかく髪を切ること、短くすること。

以前にも記事にしましたが、物理的に虫卵を取る事が大事になるのです。

男の子であれば丸刈りにするだけでしらみの駆除が出来るのですから

是非検討してみてください。

女の子でも髪の毛を短くすることは大切です。

 

怪しいと思ったらまず皮膚科を受診しましょう。

しらみの話を聞いたらまず髪の毛を確認し、見慣れないものが髪の毛についていないか確認しましょう。

またわからない時には家族も一緒に皮膚科を受診しましょうね。

シラミの卵

 

目と耳が使えなくても出来ること?

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目と耳が使えなくても出来ること?

どんなことが有るでしょうか。

あ、一つ条件追加です。

体も動かないと仮定したらどうでしょう?

どんなことをして時間を潰しますか?

 

年齢のこともあるのでしょう。昨年から今年にかけて

自分の周囲で、体調を崩して入院したり介護施設に入ったり、

認知症になったりと、いろいろな病気の話が聞こえてきます。

そして、いつ我が身にも振りかかるのか気になる用になってきました。

そこで、最初の質問です。

病気になって、入院し、

そこで時間を潰さなければいけなくなった時、

体が満足に動かなくなり、目と耳がダメになったらどうするのか?

いや流石にそうなったら何も出来ませんよね。

 

では、体はうごかない。耳は聞こえないけど、目が動くようであればどうしますか?

なにか、時間を潰すことが出来ますか?

みなさんはいかがでしょうか?テレビを見ているだけ?

まあ、その時はインターネットでもしていればいいかな?

と思います。

 

では、体は動かない。目は見えないけど、耳は聞こえるようであればどうしますか?

なにか、時間を潰すことは出来ますか?ラジオを聞いているだけ?

・・・うーん。それ以外に何か出来ることが想像できない。

 

となってしまいます。

多くの場合は、目か耳のいずれかは健在でももう片方が満足に働かなくなってくるようです。

なので、元気なうちから、そのような状態になっても時間を潰すことが出来る趣味を見つけておくと、

いいかもしれませんね。

現役の時にはバリバリのスポーツマンだった人が、

倒れた後に入院して、やることがなくて、つまらなさそうだった。

何てお話もありますし、最悪認知症が一気に進んでしまう話もありますしね。

 

仕事、スポーツ一筋だけではなく、いろいろな趣味を若い時から持っていたいものです。