第一特集のチャーハンも良かったのですが。
今回の目玉は子ども連れでいけるレストラン特集でしょう。
個人的には。
子どもが生まれてからは立派なレストランに行けず、結構ストレスになっていました。
赤ちゃんOKなレストランを知っていればぜひいけたのに………
子どもも楽しめる盛りつけとお皿で、美味しい料理をみんなで食べることができたら幸せですよね。
お店からすると赤ちゃんや小さな子ども連れはあまり利益が上がらないかもしれませんが、
色々なお店が増えてくれると嬉しいですね。
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
コチニールと聞いてもピンと来ない人もいるかと思います。
では、カンパリと言えば?
これは見たことがある人も多いのではないでしょうか。
色々なもので割ってカクテルにして飲んでいますよね。
この鮮やかな赤い色のもとになるもの(今はカンパリには入っていません)が、
コチニールというものです。
その中に特に含まれるカルミン酸が鮮やかな赤い色を示すために赤い色素として、昔から使用されてきました。
中世のスペインが南米を支配していた理由の一つはこの色素とも言われています。
さて、このコチニールはどのようにして取り出すのでしょうか。
実は、この色素はある種の昆虫から抽出して作成します。
その昆虫がコチニールカイガラムシ、別名エンジムシという虫です。
メスの虫を乾燥させ、アルコールや水で色素を抽出します。
実はこのコチニールは様々な食品に添加されています。
有名な所では紅白のカマボコでしょうか。
昆虫の抽出物を口にふくむということで稀にですが、
コチニール入りの食品を摂取したあとにアレルギーが起こることが知られています。
原因は色素ではなく、同時に抽出された昆虫のタンパク質とのことであり、
国産品ではあまり起きないようですが、外国の商品は注意をしたほうがいいかもしれません。
安い、特に外国由来の「赤い食べ物」を食べた時だけアレルギーが起きた時には
原因としてコチニールを考えたほうがいいかもしれませんね。
なるものが増えているようです。(元ネタはこちら)
寡聞にして皮膚科の領域では聞いたことがありませんが。
ニセモノ学会は見たことがあります。
その分野に詳しい人間からすると「なんだかなあ」
ですが、まったく知らない分野だと思わず信じでしまいそうです。
今はインターネットで簡単に色々な検索ができますから、
その人のプロフィールにニセモノ学術誌が載っていた場合、
思わず早合点してしまいそうです。
「こんなにたくさん論文を書いている」=「その分野に精通している」
と思いますからね。
ある種の広告となるわけですね。
また、ニセモノ雑誌を編集する人間もそこあたりは心得ているわけでして、
たくさんのお金を要求してくるわけです。
同じ穴の狢と言ったところでしょうか。
一昔前に流行った「学歴ロンダリング」のようなものでしょう。
(学歴ロンダリングについてはこちら)
医者は特に開業すると全然関係のない話になってしまいますし、
医学雑誌の場合、変なことを書いてしまい、それが一般化すると
それで迷惑を被る患者さんが出てくるので、ほとんどみられないと思いますが、
他の分野では、偉くなるためにニセモノ学術誌を利用する人がいるのかもしれません。
そこまでして、偉くなりたいんですね………
フッ化水素酸。化学式ではHFですね。
つい先日、この薬剤を使った事件がありました。
靴の中にフッ化水素酸を塗って、女性に傷を負わせた男性が、
「殺人未遂?」とおもわれるかもしれませんが、
フッ化水素酸を知っている人間であればそれも妥当と考えてしまいます。
幸いなことに私の周りにはこの薬剤の治療を行ったことはありませんが、
HFには皮膚科医としてはあまり接触的に関わりたくはありません。
なぜか?非常にタチの悪い薬剤だからです。
一般的な酸では、皮膚の中で中和されていきます。
そのため、酸の影響はアルカリのものよりも一般的には軽くなってきます。
しかし、フッ化水素酸のたちの悪いことは、体内のCaと結合してしまうことなのです。
特に細胞内のCaがHFにより欠乏してしまうことにより、細胞は破壊されます。
当然血液内からもCaが欠乏しますから、最終的には心臓の動きもおかしくなってしまい、
死に至るのです。
また、神経細胞のCaもおかしくなりますので、めちゃくちゃ痛いそうです。
そのような薬剤ですから、靴に塗っていようが死に至る可能性は十分にあるのです。
しかも、犯人はHFの管理者だったとのことですから、その危険性は十分に知っていたと考えるべきでしょう。
塗られた人が傷つくだけでは済まないことを。
ちなみに、このHFですが、ホームセンターでも売られています。
よく、汚れが落ちるのです。
しかし、濃度は薄いですが、皮膚につくとやけどすることは変わりません。
見つけても近寄らないようにしています。気をつけて。
サッカーのワールドカップ最終予選。
ヨルダン戦で日本の選手にレーザー(ポインター?)の光が
当てられていたことがニュースになっていました。
いくらなんでもあんまりだろうと思います。
これで少なくとも私のヨルダンに対する心象はだいぶ悪くなりました。
その後、日本のサッカー協会はFIFAに抗議文を提出したようですね。
ただ、そのニュースで気になることがありました。
マスコミのこのニュースの取り上げ方は
「サッカーの試合を行う時に、障害になる」
ということが最初に出ていました。
しかし、レーザーを病院で扱っている人間としては
順番が違うだろう。
と思います。
まず、眼への被害を最初に考えて欲しいのです。
少なくとも医療用のレーザーを扱っている人間の一人として
眼へのレーザー照射にはいくら気をつけても使いすぎることは無いと考えています。
特にレーザーの照射孔を直接覗きこむなどもってのほか。
今までに若い先生の指導をしていて、このような事態になったことはありませんが、
もしもそういうことになりそうなときは怒鳴りつけることも辞さない覚悟です。
そのくらい、眼へのレーザーは気をつけるべきものなのです。
今回の抗議文の中身まではわかりませんでしたが、
まず眼への影響を出し、
ついでサッカーの試合に対する影響を述べる。
それが筋だと思います。
今の日本代表の選手が何年サッカーをするのかわかりませんが、
少なくとも、サッカーをやめても、その人の人生は続くのですから。
この原稿は第一出版株式会社より発行されている「栄養と職事ニュース」の中の「星霜」というコラムに執筆した原稿です。
第一出版株式会社より許可を得て、全文を掲載致します。
このような随筆形式の原稿を依頼される方はfc@wakaba-hifuka.comまでご連絡ください。
アワビと青菜と耳のないネコ
最初に質問です。ドラえもんに出てくるのび太君ならずとも一度は「光合成ができるようになったらずっとお昼寝できるのにな」と思ったことはありませんか?
では、人間に葉緑素を合成して加えてみたらどうなるでしょうか。その答えは、皮膚科医が知っています。
皆さんは光線過敏症という病気を知っていますか。遺伝子の異常や膠原病などにより、光を浴びると、皮膚に強い反応が起きてしまう病気です。
テレビで「宇宙服を着ないと外に出られない子」と紹介されることがあるのでご存知かもしれません。
原因となるのは光の中でも紫外線が多いとされています。。
実は薬剤でも同様のことが起きることが知られています。
ある抗生剤や痛みどめを飲んだり貼ったりした後に強い光を浴びると、激しいやけどや湿疹のような反応がおこることがあります。
特にある種類の痛み止めのシップでは貼った後に半年たっても起こることが知られています。
露出部で「長方形」に見える湿疹を診察したときに皮膚科医はまず、「シップを張ったことがありますか?」と聞くのはそのためです。
当然薬剤で起こることは食品でも起こりえます。(人間の体は「化学物質」としか判別しませんからね)
一昔前はクロレラによる光線過敏症が多発し、「クロレラ皮膚炎」と呼ばれていました。
原因はフェオフォルバイトと呼ばれる葉緑素の代謝産物です。
しかし、フェオフォルバイドについては当時の厚生省が規制を行ったため、今ではこうした症状は殆ど見ることはありません。
葉緑素といえば「光合成」。
なんとなく皆さん、光合成というと葉緑素のみが葉緑体の中でせっせと酸素とデンプンを作り出しているようにイメージするかもしれませんが、
実際は光合成とはもっと複雑な反応なのです。
実は葉緑体の表面には多数の葉緑素がパラボラアンテナのように配列しています。
また、その中心部には特別な葉緑素が漏斗状に付着しています。
そして光を浴びることで周囲の葉緑素はエネルギーを作り出し、それが中心の葉緑素に受け渡され、更に周囲にエネルギーが渡る反応を光合成と呼ぶのです。
(ちなみに、最初に水分子がエネルギーを受け取るので、水が分解され、結果的に酸素が生成されます)
逆に葉緑素のみ存在する状態では、光から受け取ったエネルギーは余ってしまい、周囲に光や熱という形で発散するしかなく、周囲が傷ついてしまうのです。
つまり人間の場合、その反応は光の当たる部分の皮膚で特に起こるので、皮膚科医がその状態の皮膚を観察することになるのです。
では、今では葉緑素やフェオフォルバイトによる光線過敏症は起きないのでしょうか?厚生労働省が規制しているから大丈夫?
いえいえ、そんなことはありません。今でもたまに報告がなされています。
健康食品については報告はないようですが、一般の食品、特に浅漬けの青菜漬などで起こることが知られています。
さて、最初の質問に話は戻ります。人間に葉緑素のみ加えただけでは、皮膚は日光を浴びるとただれてしまいます。
したがって、葉緑素のみならず、その周りの光合成のシステムを全部組み込まないといけません。
人間が日光浴のみで生きていける日は遠そうです。
最後に「耳のないネコ」の話です。
昔から漁師さんの間では、「ネコに食わすなアワビの肝」と言われていました。
アワビの肝の中には濃い緑色のものがありますよね。実はその緑色はアワビが食べた海藻の中に含まれる葉緑素の色です。
小さなネコがアワビの肝をたくさん食べると、(昔の港ではアワビの肝はその辺に転がっていたみたいです。うらやましい)
その葉緑素が全身を駆け巡り、皮膚にも蓄積されます。
光の当たりやすい耳の部分では、皮膚も薄いために光線過敏症の症状がとても強く現れて、最終的に壊死して耳がなくなってしまうのです。
また、慢性的に続く皮膚の刺激がきっかけとなって皮膚がんが発生し、耳がなくなってしまうこともあるようです。
まあ、最近はアワビの肝はその辺には落ちていないので、大丈夫だとは思いますけどね。
「成育医療研究センター語?」のエントリーにあったとおり、
当院のアトピー性皮膚炎に対する治療法はあまり他の病院では見られません。
その考え方のキモになるものが
「上塗り」
「下地」
「保湿」
という薬の使い分けです。
他の病院の多くは「湿疹」と「保湿」のみ使用しているでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎の”悪い皮膚”は赤い所だけでしょうか?じくじくする所だけでしょうか?
という疑問から始まった治療法です。
アトピー性皮膚炎では全身の皮膚に何らかのトラブルがあります。
その中で、特に症状の強いところが痒みを出していると考えてもいいでしょう。
逆に考えると、湿疹のない部分にはまったく何も無いわけではないのです。
したがって、湿疹か正常か、白か黒かという話ではないのだろう考えています。
つまり、
「何もない」のではなく、「症状が弱い湿疹がある」のです。
したがって、保湿では落ち着かない事になってしまうのです。
当院の「上塗り」は他の「湿疹」のお薬と一緒です。
当院の「保湿」は他の「保湿」のお薬と一緒です。
では、「下地」は?これは保湿剤に少しだけステロイドを加えたものです。
つまり、何もないように見える部分(先に述べたとおり、弱い湿疹が実はあるのです)
にも少しだけステロイドを塗ることでその部分もしっかりと抑えようという考え方です。
でも、何もない皮膚にステロイドを塗り続けるのは心配ですよね。
なので、下地は塗る回数で調整をしていきます。
症状が落ち着いていたら徐々に保湿剤に切り替えていくわけですね。
アトピー性皮膚炎の「湿疹がない」皮膚は、実は「ちょっとだけ湿疹がある」のです。
ただ、それが他のひどい部分の影に隠されているだけなのです。
ですので、その「ちょっとだけ」の湿疹に「ちょっとだけ」ステロイドを塗ってあげるのです。
この本を高校生の時に読んでいれば人生は変わっていたと思います。
多分化学の道に進んでいたかもしれません。
化学はもともと結構好きでした。
こんなに奥が深く、楽しいということを知っていたらいまここでこうしてブログは書いていなかったかもしれません。
それほどまでに楽しませてくれる書籍です。
以前より筆者のブログはたまに覗いていました。
最近光合成について勉強している時にたまたまリンクを見つけ、
読んでいたらつい引きこまれてしまいました。
いや、こんな分子が世の中に存在するなんて思ったことありませんもの。
「面白ければいい」というと叱られるかもしれません。
毎日の生活に役に立つのが大事という考え方もあります。
しかし、今は大事では無いように思えることでもいずれ花がさくこともあります。
カーボンナノチューブ、フラーレンなどがいい例ですね。
それだけではなく、こんなに面白いものがあるんだよ。
ということを子どもたちが学ぶことも大事だと思います。
子どもはびっくりするくらい好奇心が高く、
脇目もふらずにのめり込んでいきます。
その最初の取っ掛かりとしてこのような本は大事ではないでしょうか。
この本は難しい化学式はあまり見られません。
CGでカラフルで不思議な図がたくさん載っています。
小学生から中学生くらいでも十分に読むことが可能です。形を眺めるだけでも面白いです。
また、化学をある程度勉強した方であればなおさら。大人が読んでも楽しめます。
たまには自分の専門分野と全く違う本を読んでみてもいいのではないでしょうか。
お勧めです。