わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

新年度になって皮膚病は悪くなるのか?

新しい年度が始まりました。そのために色々と生活の変わった人もいるようです。

学校はまだですが、就職や異動などもありますし、

保育園なんかはすでに始まったりしていますしね。

今回はそんなお話です。

 

さて、年度が変わると皮膚の病気は悪くなるのか?

ウイルスや細菌、真菌といった人間の生活を考慮することのない

病原微生物はともかくとして、

アトピーなどの湿疹性病変はどうなるのか?

気になるところですが、

結論から言うと、「悪くなることが多い」

です。

少なくとも良くなる要素はあまりなさそうです。

 

なぜか?

人間にとって「変わること」はストレスになるからです。

あ、良しにつけ悪しきにつけ。ですよ。

 

まず行動パターンが変わります。

これもストレス。

通勤通学も変わりますし、

ご飯の中身や内容が変わる人もいるでしょう。

当然仕事や学校の始まる時間も変わったり、終わる時間も変わったりしますね。

これ全部ストレスになります。

スキンケアの時間もどうやって捻出すべきか頭を悩ませている人も多いでしょう。

試行錯誤が始まるわけですね。

そして、錯誤と言うくらいですからうまくいかないリスクも当然ながら有るわけです。

 

食事の内容も変われば摂取できる栄養素が変わります。

一人暮らしを初めたばっかりの学生さん、社会人さんを考えると、

栄養状態の急激な悪化も充分に考えられますよね。

で、その後湿疹は悪化するでしょう。

 

睡眠時間も同様に変わります。

試行錯誤するということは今までと同じことをするのにも余計に時間がかかるということ。

そのため、睡眠時間が影響を受ける場合も往々にしてあるわけです。

その後、湿疹は悪くなるでしょうね。

 

スキンケアも同様に変わらざるをえません。

先程書いたように、スキンケアの状況も変わってしまいます。

時間がなければ割を食うこともありますし、

効率が変わることもあります。

 

そして、受診率も悪化します。

引っ越しをしたならばまず医療機関を探さなければいけません。

時間も忙しい中捻出しなければ行けないんですね。

見つかっても同じような処方がもらえるかは分かりません。

と考えると湿疹の治療の程度が悪化することも当然ながらあり得るわけです。

 

そんなこんなで、見てきました湿疹の治療はどうなるのか?

良くて現状維持、多くは悪化してしまう可能性が高いと考えられます。

 

また、子どもたちの生活を考えると、

年度が明けて、「暇になる」ような生活に移行するパターンはほとんどありませんね。

考えてみると。

忙しくなると湿疹が悪くなるのは定めのようなものですから、

あまり明るいお話ではなさそうです。

 

春は季節の変わり目だから湿疹が落ち着かない。

とはよく聞く話ですが、

どうも詳しく考えてみると

春になったからではなく、生活の変化が湿疹に悪影響を及ぼしている可能性も

充分にありそうです。

 

なにはともあれ、この時期はしっかりと湿疹のコントロールを図るように

しなければいけませんね。

 

 

就活生の治療はあまり変えないほうがよい?

昨日は受験生のお話をしました。

今日は就活生のお話です。

 

受験と違って就活は長期戦です。

一つだけ照準を決めてそれに合わせていくということが難しいシステムですよね。

いくつもの会社にエントリーし、それぞれの会社の面接を行い、

試験を受けていくというシステムは、今後会社に行って働いていくシステムそのものです。

 

そのシステムからのストレスを治療の強化によって抑えていくのは果たして良いのか?

と考えると、就職活動を行っているときには積極的に治療を強化する必要はあるのかと

考えてしまうのです。

 

今後同じようなストレス強度を以て仕事をしていくわけですから、

先日の受験生の時の用に、副作用にはある程度目をつぶって効果を求めればよいかと

言われると同様には考えられないのでは無いかと思うのです。

 

どうなんでしょうか?

難しいところですね。

受験する子は、アトピー性皮膚炎などの慢性疾患は治療法が変わります

今回は治療のお話。

新学年が始まる前に少し気が早いかとおもいますが、

今回は受験生と治療のお話です。

 

受験生には治療法を少し変える事があるんです。

少なくとも当院ではその傾向があります。

知っていました?

 

というのも、人生を左右するような受験の場合は、

万全の状態で望んでほしいからです。

 

治療法と言うのは効果と副作用との兼ね合いで決まります。

他にも金額や時間、手間と言うものもありますが、

簡単にまとめると、メリットとデメリットの綱引きです。

 

この綱引き、受験生では少し変わってくるんですね。

つまり、治療効果を高くする方向にシフトさせます。

その分副作用のリスクも高くはなりますが、受験が終わるまでは覚悟の上で、

よりしっかりとした治療を行う方向に変えていくことが有るのです。

 

具体的にはより強い薬に切り替える。内服を追加/増量する

などですね。

 

病気の治療というのは慢性疾患であれば特に、

人生の質を上げるために行うもので有るわけです。

受験の成功と失敗の差と、治療の強さとは

それぞれ天秤に掛けて考えるべきなんですね。

 

なので、人生を左右する短期間の間は治療もしっかりと行い、

症状を抑えてあげる。

としてあげたほうが結果としてよりよい人生を送ることが出来ると

私は考えるのです。

 

だから、治療方針は受験生の場合は少し変わりますよ。

というお話です。

勿論、最初に本人とどうするか検討した上で、

決めますけどね。

でもね、最初に受験生ならそうと言っていただけないと、

検討すらできませんから。

 

受験生は予め申告をしてくださーい!

パッチテスト希望の方はお早めに

春ですねえ。日も長くなってきました。

少しずつ空気も緩んできたように見えます。

温かいっていいですねえ・・・

 

でも、暖かくなることが問題になる検査方法もあります。

今回はそんなお話です。

 

パッチテストという検査があります。

パッチという言葉の通り、背中に貼り付ける検査です。

なにを?

アレルギーの原因と思われるものを。

です。

 

接触皮膚炎。つまりかぶれですが、この原因は多岐にわたります。

その原因を探す一番シンプルで確実な方法。

それがパッチテストです。

 

やり方も実にシンプル。

背中にあやしい成分を塗ったパッチを当てる。

ただそれだけです。

 

貼り付けて2日後から7日後に原因であれば、反応するし、

原因でなければ反応しない。

そんな検査方法です。

 

ただ、問題の一つが剥がれて取れてしまうリスク。

なので、そのリスクを最低限にするために、パッチテストの製品は

その周囲に防水テープで覆いをして、剥がれないようにするのです。

 

が、それが、痒い。

防水テープなので、

(ある程度の通気性はありますし、最も通気性の高い製品を使ってはいるのですが)

蒸れる。

で、痒くなる。

 

そんな問題点があったりするのです。

痒くていじられてパッチがずれたりすると反応を正確に測ることができなくなりますし・・・

 

というわけで暖かい時期にはなかなか行いたくない検査。

それがパッチテストなのです。

 

動いて汗ばむ季節には始めたくない検査なので、

もしもご希望の方はお早めにどうぞ。

ちなみに、当院では開院時間の都合により、

月曜日スタートもしくは水曜日スタートの2コースの準備がありますので、

ご希望の方は一度ご相談くださいませ。

4月から保育園に入る子と塗りぐすりと。

そろそろ年度末です。

そして、4月から保育園に入る子たちが目に着くようになりました。

 

そこで聞かれるのが、保育園に行く子たちの塗り薬の使い方についてです。

 

基本的な考え方を見ていきましょう。

 

湿疹の治療の上で一番大切なのは本人のQuolity of Life(QOL)です。

この場合は、痒くないか。ということ。

痒ければそれだけ辛い時間が長くなりますからね。

その、痒みのコントロールがどれだけ出来るかが大事なポイントとなります。

つまり、湿疹をどれだけ抑えているかですね。

次に大事なポイントは、湿疹のできやすい皮膚をどれだけ抑えているかです。

 

つまり、痒いならば塗っておく。

痒くなければとりあえず塗らずに様子を見る。

というのが基本的なスタンスとなるでしょう。

 

実際問題として、塗ってもらうのは、保育園側からすると結構な負担になります。

保護者側、保育園側の双方の負担と本人の皮膚の状態を勘案すると、

上記のようなスタンスが一番現実的ではないでしょうか。

と思うのですが、どうでしょうか?

 

確かに保湿剤を塗れば湿疹の予防にはなります。

そのことはすでに実証済みでデータも出ています。

しかし、もともと湿疹がなく、痒くない子まで、保湿剤を塗るというコストをかけるかは

また別の問題でもあります。

保育園側のスタッフや時間は限られていますからね。

 

そんなこんなで、4月からの保育園。

まずは塗る回数を減らしても大丈夫か、少し待ってみても良いのでは無いでしょうか?

でも、いちばん大事なのはその子の症状によって決まることですので、

その点が一番大事ですね。

まず、お医者さんに相談を。

ですね。

 

ジベルがきたぞぉー(2017年3月)

ジベル。

なんか、格好のいい名前ですね。

正式名称は

「じべるばらいろひこうしん」

と言います。

念仏?違います。病名です。

 

そのジベル、出ました。

 

ジベルばらいろひこうしん

正式にはジベル薔薇色粃糠疹と書きます。薔薇、書けませんよってば。

 

原因については完全には分かっていませんが、ウイルスだろうと言うことが分かっています。

全身の何らかの感染後、半月から1ヶ月位立って体に少し大きな発疹が出ます。

これをヘラルドパッチと言います。

その後それよりも少し小さな発疹がパラルパラリと出て、徐々に消えていく。

そんな症状の流れがあります。

興味深いのは、その発疹の形。

お腹背中に出ることがほとんどですが、そのかたちは楕円形なんですね。

横長の。

(腕、太ももに出ることもたまにありますが、それはまんまるです。)

普通、発疹のキホンの形はまる。

なのに、これだけ楕円形になる。

という不思議な現象。これをクリスマス・ツリー様と呼ぶこともあります。

 

だから、診断自体は難しいものでは有りません。

では何が問題になるかというと、ウイルス感染後に出るものなので、

周囲にも同様の人がいる可能性があるということ。

いわゆる、はやりすたりが有るんです。

と言うか、一年のうちに数週間だけ流行るんですね。

 

なので、ジベルの人が来たということは周りにも発症するということ。

つまり診断をする上で気をつけてみていかなければ行けないということなんです。

 

だから、ジベルがきたぞー。

という必要があるんですね。

 

 

それにしても、ジベル・ヘラルドパッチ・クリスマスツリー用発疹と

面白いキーワード満載ですね。

そのため、この病気はお医者さんになるための試験問題(医師国家試験)の常連だったりもするんです・・・

 

尋常性乾癬の新薬。「オテズラ」処方を開始しました。(2017年3月)

春です。少しずつ暖かくなってきましたね。

早いところでは桜も咲いてきたようです。

伊豆の桜はきれいでしたよ。

 

さて、尋常性乾癬の治療にも春がきたのでしょうか?

新薬の登場です。

 

新薬?すでにいっぱいあるよねという方。

正解です。

ここ数年、尋常性乾癬の新薬はいくつも登場してきました。

いわゆるバイオ製剤ですね。

 

でも、これは重症の患者さんに対する恩恵です。

というのも、このバイオ、いくつかの問題も有るのです。

 

一つは注射であること。

薬剤によっては数時間かけて点滴を行う必要があるのです。

したがって時間の制約が強い。

休日に数時間病院を開けてくれるところも多くはないので、

お仕事によってはお休みをして。ということになってしまいますよね。

 

もう一つ。

施設が限られていること。

結核など、過去の感染症の再発がリスクとしてありますので、

事前にしっかりとした検査が出来る施設でないと治療ができません。

そのためにどこでも出来るわけではないこと。

また、使用できる施設は学会により審査され、可能施設が登録される形になるので、

どの病院でもOKと言うかたちではないのです。

 

最後の一つは薬の値段です。

かなり高く、1回の治療で数万円かかってしまいます。

つまり、お財布に優しくないんです。

 

そんなこんなで、どこでもいつでも使える治療法ではないという難点がありました。

重症の方が、総合病院や大学病院で行う感じですね。

 

あまり症状の強くない、でも、なかなか抑え込めない乾癬の症状に対しての治療という意味では

今回の薬は久々の新薬と言えるものなのです。

 

メーカーさんの資料を確認する限り、効果は結構あるようです。

気になるお値段も3割負担の方で月1万5千円と、バイオ製剤に対してリーズナブルです。

副作用も、免疫そのものを完全に抑えるわけではないので、

感染症の再発などは有りません。したがって事前検査をガッチリと行う必要もないのがメリットです。

また、処方可能施設の制限も有りません。

 

とまあ、ここまで、良いことをお話してきましたが、難点も当然あります。

値段は今までの飲み薬や塗り薬に比べて高いことは高いですし、

まだ新しいタイプの薬ですので、どのような使い方をすればよいのか?

どんな人に効くのかわからない。などの問題点もあります。

副作用も時間が立ってから出るタイプのものも出るかもしれませんし、

思いもよらない副作用が出る可能性も当然ながらあります。

こればっかりは、わかりません。

 

ということで新しい薬。

最初は、処方する側も飲む側もおっかなびっくりではありますが、

少しずつ処方は増えるのではないかなあ。

などと考えております。

 

 

久しぶりに乾癬の治療をしっかりとしてみようかと考えている方がおりましたら、

使用を検討してみてはいかがでしょう。

なお、当院では処方可能ですが、他の病院ではまだ使えないところも多々あるようですので、

可能でしたら予め電話で問い合わせしたほうがいいですね。

黄色い化粧品を塗るといい?

今回は少し内容を変えて、化粧のお話です。

性格柄というか、専門柄と言うか、いずれにしてもあまり縁のないお話かとは思っていたのですが、

一度詳しくお話を聞いてみてびっくりしたんですね。

 

黄色い化粧品をしたほうがいいい人がいるなんて!

 

黄色!?と思っていたのですが、これは赤い部分に塗るお化粧品です。

つまり、血管腫やアトピーをはじめとする湿疹性病変のある部分に塗るべき薬剤なんですね。

 

どういうことか、イマイチ把握していないのですが、

赤い色の皮膚に黄色い色の化粧品をつけることによって、

赤みは補正されてはっきりしなくなるんだそうです。

 

へー。ほー。はー。

と聞いていたのですが、実演するとあらビックリ。

本当に目立たなくなりました。

 

なので、赤ら顔が気になっている人、赤い皮膚がありなんとかしたいと考えている人は

黄色い化粧品を使ってみてもいいですね。

 

エピペンの回収が始まりました。

月曜日に飛び込んできたニュースです。

 

食物アレルギーやハチさされに起因するアナフィラキシーショックの治療薬であるエピペンですが、

一部の製造品に針が正常に出なくなる不具合が有ることが確認され、

メーカー回収となりました。

 

幸い日本ではまだ同様の報告はないようですが、

致命的な自体を回避するための薬剤の、非常に大きなトラブルです。

 

手元にお持ちのかたはすぐに確認をしてください。

詳細について確認をしたい方はこちらのサイトからご確認ください。

なお、製造ロットはPS00019A、使用期限は2017年4月となっているようです。

そろそろ使用期限が切れる製品でもありますので、確認・必要時に交換をしっかりとおこないましょう。

特にこれからは虫のトラブルも増える時期です。また、子どもたちは新学期になります。

新しい学校・新しい先生とトラブルが起きやすい環境になりますので、この機会に一度

周りの人と一緒に手順を確認してみても良いかもしれませんね。

 

食べ物がつくとアレルギーになるから食品由来成分は全部使っちゃダメですか?

食物アレルギーが元は皮膚から入った成分に反応するところから始まるんだ。

このお話はここ数年で一気に広がった感じがありますね。

今回はその先のお話についてです。

 

さて、では食品由来の成分を皮膚に使用するのは一切良くないのかというお話です。

 

うん、結構難しいんですね。これは。

と言うのはどこで線を引けば良いのかという問題があるからです。

 

まず最初に「食物アレルギーがどのようにして発生すると考えられているのか」から説明しましょう。

最初のきっかけは実はお肌にあります。

皮膚特に顔の荒れた皮膚(湿疹の皮膚)に食品由来の化学物質がくっつきます。

するとその成分に対して感作という生体反応が起こります。

この「感作」とは、アレルギーの準備状態のこと。

つまり、この感作された物質に後日もう一度触れるとアレルギーが起こりますよ。

という状態になります。

 

そして、後日の話です。

顔にその物質が付着することからアレルギー性の皮膚炎が起こります。

いわゆるかぶれですね。

そしてこの感作は全身全体に起こるものですから、

当然口やお腹の粘膜でも起こります。

口の粘膜で起これば口の周りの蕁麻疹、嘔吐の反応を起こすこともあります。

お腹の粘膜で起これば腹痛や下痢、嘔吐。当然体の蕁麻疹という形で症状が起こります。

これが食物アレルギーの症状という形で目にみえてきます。

当然反応が強ければ血圧低下などのアナフィラキシーに至るわけです。

 

で、問題はその成分。

一つわかっていることは、小さいものよりも大きなもののほうが危険であろうということ。

それなりのサイズが必要になるんです。

したがって、分解されているものであれば相対的に危険度は低いと考えることができます。

 

 

ココまでが基礎編。

ココからが問題なんですが、由来成分を全て塗ってはいけないのか?

どちらかというと、Yesです。

 

使わなければ行けない理由があれば別ですが、

そうでなければ使用する必要は無いでしょう。

と考えます。

無用なリスクはとらないほうが良いのではないでしょうか?

 

ただし、例外があります。

過去にすでに使われていて、問題ないのがわかっていればOK

と考えてもいいかと思います。

だって、過去に一杯の人が使っていてOKだったわけですからね。

過去からのデータの蓄積が有るわけです。

 

 

まあ、でも、使わなくてもイイんじゃないの?

というものは使用しないのがベターかと思います。