わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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ブログ

イチゴ一円?

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幼い子供のいい間違い、可愛いですよね。

我が子の間違いもそうですし、
自分自身にも覚えのある方もたくさんいらっしゃることと思います。

出かけた帰り道、子どもが突然、

『 いちごいちえ って、イチゴが一円ってことだよね?』 と。

まあ、お安い!(笑)

自分自身を振り返れば、
小学生のとき、『汚職事件問題』を『お食事券問題』と勘違いしていました。

賄賂ということは理解していたので、
お食事券をソデの下で渡していたのかと・・。

忘れないうちに、メモしておかないといけませんね。
娘の結婚式のお楽しみに使おうかな。

イカリジンに対する期待と不安

さて、今回も虫よけのお話です。

高濃度DEETとともに使用できるようになったイカリジンですが、

期待と心配のが半分半分ですね。

 

というのも、何かよくわからないからなんです。

何が?コレが。(参考資料はこちら

作用機序ははっきりしていないこと。虫のどこに効果あるかはっきりわからないこと。

これは心配面の一つです。

もう一つの心配は長期連用時の毒性についてまだはっきりしていないことですね。

一度に大量に使用した場合の毒性については上記資料に記載ありますが、

長期間の連用時にはどうなっているのかはっきりとわかりません。

そこが少し心配でもあります。

 

しかし、メリットも当然あるわけです。

DEETとは作用機序が異なりますので、併用すれば相乗効果を期待できるかもしれません。

まあ。メーカーさんに聞いてみたときにはその検討はされていないということですので、

どうなのかはやってみないとわからないのですが。

 

また、無臭であることもメリットです。

プラスチックを溶かす心配もありません。

小児に対する使用制限も今のところありませんので、

そういった意味では使用量さえしっかりと守れば

使い勝手の良いものであろうと思うのです。

 

新しい成分の虫よけ剤

ぜひ検討してみてください。

 

アワビと青菜と耳のないネコ

この原稿は第一出版株式会社より発行されている「栄養と職事ニュース」の中の「星霜」というコラムに執筆した原稿です。

第一出版株式会社より許可を得て、全文を掲載致します。

このような随筆形式の原稿を依頼される方はfc@wakaba-hifuka.comまでご連絡ください。

 

アワビと青菜と耳のないネコ

 

最初に質問です。ドラえもんに出てくるのび太君ならずとも一度は「光合成ができるようになったらずっとお昼寝できるのにな」と思ったことはありませんか?

では、人間に葉緑素を合成して加えてみたらどうなるでしょうか。その答えは、皮膚科医が知っています。

 

皆さんは光線過敏症という病気を知っていますか。遺伝子の異常や膠原病などにより、光を浴びると、皮膚に強い反応が起きてしまう病気です。

テレビで「宇宙服を着ないと外に出られない子」と紹介されることがあるのでご存知かもしれません。

原因となるのは光の中でも紫外線が多いとされています。。

 

実は薬剤でも同様のことが起きることが知られています。

ある抗生剤や痛みどめを飲んだり貼ったりした後に強い光を浴びると、激しいやけどや湿疹のような反応がおこることがあります。

特にある種類の痛み止めのシップでは貼った後に半年たっても起こることが知られています。

露出部で「長方形」に見える湿疹を診察したときに皮膚科医はまず、「シップを張ったことがありますか?」と聞くのはそのためです。

 

当然薬剤で起こることは食品でも起こりえます。(人間の体は「化学物質」としか判別しませんからね)

一昔前はクロレラによる光線過敏症が多発し、「クロレラ皮膚炎」と呼ばれていました。

原因はフェオフォルバイトと呼ばれる葉緑素の代謝産物です。

しかし、フェオフォルバイドについては当時の厚生省が規制を行ったため、今ではこうした症状は殆ど見ることはありません。

 

葉緑素といえば「光合成」。

なんとなく皆さん、光合成というと葉緑素のみが葉緑体の中でせっせと酸素とデンプンを作り出しているようにイメージするかもしれませんが、

実際は光合成とはもっと複雑な反応なのです。

 

実は葉緑体の表面には多数の葉緑素がパラボラアンテナのように配列しています。

また、その中心部には特別な葉緑素が漏斗状に付着しています。

そして光を浴びることで周囲の葉緑素はエネルギーを作り出し、それが中心の葉緑素に受け渡され、更に周囲にエネルギーが渡る反応を光合成と呼ぶのです。

(ちなみに、最初に水分子がエネルギーを受け取るので、水が分解され、結果的に酸素が生成されます)

 

逆に葉緑素のみ存在する状態では、光から受け取ったエネルギーは余ってしまい、周囲に光や熱という形で発散するしかなく、周囲が傷ついてしまうのです。

つまり人間の場合、その反応は光の当たる部分の皮膚で特に起こるので、皮膚科医がその状態の皮膚を観察することになるのです。

 

では、今では葉緑素やフェオフォルバイトによる光線過敏症は起きないのでしょうか?厚生労働省が規制しているから大丈夫?

いえいえ、そんなことはありません。今でもたまに報告がなされています。

健康食品については報告はないようですが、一般の食品、特に浅漬けの青菜漬などで起こることが知られています。

 

さて、最初の質問に話は戻ります。人間に葉緑素のみ加えただけでは、皮膚は日光を浴びるとただれてしまいます。

したがって、葉緑素のみならず、その周りの光合成のシステムを全部組み込まないといけません。

人間が日光浴のみで生きていける日は遠そうです。

 

最後に「耳のないネコ」の話です。

昔から漁師さんの間では、「ネコに食わすなアワビの肝」と言われていました。

アワビの肝の中には濃い緑色のものがありますよね。実はその緑色はアワビが食べた海藻の中に含まれる葉緑素の色です。

小さなネコがアワビの肝をたくさん食べると、(昔の港ではアワビの肝はその辺に転がっていたみたいです。うらやましい)

その葉緑素が全身を駆け巡り、皮膚にも蓄積されます。

光の当たりやすい耳の部分では、皮膚も薄いために光線過敏症の症状がとても強く現れて、最終的に壊死して耳がなくなってしまうのです。

また、慢性的に続く皮膚の刺激がきっかけとなって皮膚がんが発生し、耳がなくなってしまうこともあるようです。

まあ、最近はアワビの肝はその辺には落ちていないので、大丈夫だとは思いますけどね。

ある雪の日の朝

起きたら大雨でした。

昨日まで猛吹雪だったのに。

 

雪かきというか、ベチャベチャのシャーベットをどけ、なんとか前の道に人が遠れる位のスペースを作りました。

しかし、その部分は小川になってしまいました。

 

車道も側溝の排水口に水が行かず、川のようです。

車道には車は殆どいません。物流関係でしょうかね、トラックだけがひっきりなしに通っています。

バスも来ません。来たと思ったら「貸し切り」と電光掲示されていました。

何のことかと思ったら、道路を通れるか、試しに走っているみたいなんですね。

ということで、当然路面バスも来ません。

歩行者だけが黙々と歩いています。

 

そんなわけで、今日は休診です。

ある朝の出来事

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午後から診療といった不規則な受付時間のせいか、

午前中は何をしているのかといった質問を受けることがあります。

 

これはある朝の出来事です。

朝ごはんも食べ、子どもも学校に向かいました。

さて、のんびりしようかと思い、パソコンに向かった所、

エラーのメッセージが。

見てみると、ハードディスクが故障しています…………

 

今までののんびり気分が一気に吹き飛びました。

慌ててネット通販を探し回り、

ハードディスクの注文をしたのはしばらくたってから…

気がつくともう出発の時間です。

 

という感じです。

のんびりしている暇はありません。

それ以外にも原稿やブログを書いたり、院内掲示物の下書きをしたり。

小さな仕事をすっとしています。

決して寝坊しているわけではありませんよ。

 

ありえへん∞世界でみた「ジンバブエの民間療法」には科学的な根拠がある(かもしれない)

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クリスマスイブの夜、Googleでサンタさんが出陣するのを見ながら娘は寝てしまいました。

 

その後何となく、テレビをザッピングし見つけたのがテレビ東京の「ありえへん∞世界の世界スぺシャル」でした。

 

その中でジンバブエの紹介があり、その最後のコーナーはジンバブエの民間療法が紹介されていました。

紹介された後に、スタジオでは「ありえなーい」の大合唱でしたが、

実は意外に科学的な根拠があるのではないか。

というお話です。

 

さて、番組の内容ですが、 まず一つ目は「傷口を治すのに砂糖を振りかける」ということです。

番組内では傷口を水で消毒し、粉砂糖を振りかけていました。

実はこれ、日本でも使われています。

まあ、粉砂糖をそのままかけるわけではありませんけどね。

精製した白糖を使用することにより、創傷治癒が進むというデータがあります。

白糖は浸透圧が高く、傷口の余計な水分を吸い取ります。

つまり、傷口のむくみをとることができます。

また、繊維芽細胞の増殖を促進する作用もあるとのことです。

 

現在、精製白糖そのものは医薬品にはありませんが、これに消毒剤のイソジンを加えたものは

処方箋医薬品として立派に通用しています。

ユーパスタという名前で処方されていますよ。

 

次に出てきたのは、頭痛に対してある木材を粉にしたものを鼻から吸入するというものです。

木の粉を吸うなんて・・・と思う方もいるかもしれません。

しかし、もっとも有名な頭痛薬はもともとある植物から作られたものです。

 

その頭痛薬はアスピリンです。

アスピリンは正式な名前はアセチルサリチル酸といいますが、大元はサリチル酸です。

そのサリチル酸の安全性を高めるためにアセチル基を付加し、化学的に合成したものがアスピリンです。

そもそも元のサリチル酸はヤナギの木に含まれており、化学的にヤナギの木から分離されました。

そのため、ヤナギsalixから分離されたサリチル酸salicylic acidと呼ばれるようになったのです。

 

もともとヤナギの木が鎮痛作用を持つことは遠くギリシア時代から知られていました。

またアメリカ先住民や日本人の間でも知られている知識でした。
(日本でも歯痛には柳楊枝を使うことで痛みが軽減できることが江戸時代には広く知られていたようです)

したがって、ある種の植物にはサリチル酸が多く含まれている可能性は十分にあるのです。

 

また、番組では鼻から吸引していましたが、これも合理的なのかもしれません。

サリチル酸は強力な酸であり、内服すると胃に障害を与える可能性があります。
(まあ、そのために安全なアスピリンが合成されたのですが)

アスピリンは胃や腸から吸収された後に肝臓でサリチル酸に代謝され、

薬剤としての作用を発揮します。

これに対して、サリチル酸を鼻から直接吸入すると考えると、 直接血管に吸収され、

サリチル酸が頭痛に効く可能性は十分にあり得るのです。

 

まあ、しっかり植物名を確認し、検証したわけではないので、あくまでも仮説ですが、

十分に効果を発揮する可能性はあると思います。

 

私たちは錠剤になった薬剤を飲んでいます。

しかし、その薬剤が開発されるまでは別のものを使用していました。

その薬の祖先は自然に由来するものはほとんどです。

極端な話、薬の祖先はみな民間療法から始まりました。

それを様々な人が少しずつ改良し、使いやすいように作り変えてきたのです。

私たちはそのことを忘れてはいけないと思うのです。

あなたはだあれ?

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必要があって、時にいろいろなサイトを情報を探して渡り歩くことがあります。

まとめサイトの弊害については今後何処かで書くこともあるかもしれません。

今回は触れないでおきましょう。

今日のお話は、サイトの信頼性の問題についてです。

 

いくつかの分野のサイトをチェックすると、よくまとまっているねえ。

きれいなデザインだねえ。

と思うようなサイトが出てきます。

 

でもね、これ、誰が書いているの?

というサイトが非常に多く見られます。

 

特に多いのが化粧品サイト。

ついで病気のサイトもそれなりにありますかね。

脱ステロイドのサイトにも結構そういうものが多いんです。

 

いやあ、よくないですねえ。

だって、誰が書いているかわかりませんもの。

 

まあ、尤も、効果あったなかったなどというものはある程度幅がありますから、

どうしてもぼやけた形になります。

ただね、問題なのは、「これが効く」と書いてあるモノ。

 

その効果を一体誰が保証しているのでしょうか?

誰が書いたかわからないサイト。

そして、なんだか訳の分からない商品。

有効性?データはありますが、出典はなし。

検索サイトで上に出たから?

いえいえ、そのデータはお金を出せばいじれることが分かっていますし

(そういう業者もたくさんいますね)

検索サイトで上に来たサイトがしっかりしたことを書いているわけではないことも

新聞やニュースで出ているとおりです。

 

何を信じたら良いのかわからない。

などと言う話を聞きますが、少なくとも医療の分野についての専門家の言うことは一つ。

「信じることなんかしても仕方ない」

だけです。

信じるか信じないかではない。

情報を読んでまとめてウラを取って。

情報の出処を確認して、書いている人の信頼性を確認して、

初めて、前向きにその情報に接する。

 

それだけなんです。

信じるものは救われる?そんなことはありません。

ずーっと、考えなければいけないのです。

アトピー性皮膚炎治療外用薬の比較(2022年9月版)

現在のアトピー性皮膚炎に使用される塗り薬についての比較表を簡単ではありますが、作ってみました。

それぞれ利点・欠点がありますので、うまく組み合わせて副作用がより少ない、そしてより効果の高い治療法を目指していきたいところです。

いつか時間があったらそれぞれに文章を書いてまとめてみたいところですね。

 

アトピー性皮膚炎内服治療薬の比較(2022年8月版)

アトピー性皮膚炎内服・注射薬の比較2022年8月版

アトピー性皮膚炎内服・注射薬の比較2022年8月版

 

先のブログに記載のとおり、8月から新規アトピー性皮膚炎の注射剤が開始になりました。

種類も増え、それぞれの特徴も出てきましたので簡単にまとめてみました。

院内で患者さんに配布用の資料ですので、一部文面を省略している部分もあります。

興味のある方はそれぞれのメーカーのWebを見て情報を入手してみてください。

また、当院では外来にて随時相談を行っております。

治療を希望される方は一度外来を受診の上、治療法を検討してみてはいかがでしょうか?

アトピー性皮膚炎全身療法の患者さんの、災害時での治療継続計画について

なんかタイトルが小難しいお話になっていますが、簡単にまとめると

「なにか災害が発生したときに治療を継続できるようにしておきましょう」

というお話です。

 

今年のお盆休みは宮崎県の地震に始まり、台風に終わるといったところでしょうか。

神奈川の地震もありましたね。

ということで災害時の備えについてきちんと考えなければと思った方もいるかも知れません。

今回のお話はアトピー性皮膚炎の災害時の対策についてです。

ウチでのお話が主体となりますので、参考に留めていただき、

それぞれの主治医の先生に相談してくださいね。

 

アトピー性皮膚炎で災害時に問題になるのは全身療法との関連でしょうか。

定期的に注射を打つ必要がある、そして打たないと湿疹が一気に悪化する

という状況に被災すると追い込まれる可能性があります。

そして、こちらは災害時だけの問題ではなくて、治療提供者側についての問題も提起します。

実際に昨年起こった事例ですが、全身療法を処方している皮膚科の先生がお亡くなりになった。

そのために全身療法を継続できずに困ってしまった。

というケースも起こりました。

今だと、そういった突然死のような状況だけではなく、新型コロナの後遺症。などということも考える必要があるでしょう。

 

では全身療法のリスクはどこに有るか?

それは在庫管理にあります。

内服にしても注射にしても、手許にどれだけの薬を用意しているか?

がポイントになりますね。

つまり、手許がゼロなら次の注射時期までしかリミットはありませんが、

残っていればその本数だけリミットは伸びます。

 

つまり、一番脆弱なのは、

「院内に定期的に受診し、注射を行っている患者さん」

ということになるわけですねえ。

 

今回のお盆のあれやこれやを見て、今までは対応を取っていなかったこのリスクについては

(どうするかはずっと考えていましたが)

今後積極的に対応を取っていくことにします。

 

処方箋で薬をもらっている方はできればお早めに受診していただくこと。

こちらは今まで通りになります。

※なお、最大3ヶ月分までの処方であることはあらかじめご了承ください

内服についても同様、1ヶ月毎に受診をしていただく形になります。

最長で手許には1ヶ月分の薬剤が用意できる形になります。

変更するのは当院で注射を打っている患者さんです。

こちらについても注射薬を3ヶ月分処方させていただきます。

そして、毎回通院時にどこまで自己注射ができるか確認をし、

自分で出来るとことまで進めていく形に変更させていただきます。

もちろんそれで自己注射が出来るようになればそのまま自宅で注射していただいて構いません。

 

また、3ヶ月分まとめて処方することにより、以下のメリットが生じます

・予約変更の電話をしなくても済む

・発注ミスで受診時に注射薬が届いていない可能性はなくなる

・まとめて処方することで高額療養費の対象となる可能性がある

という所がメリットになるかと思われます。

 

日本、東京が災害の大い土地であるというのはもう逃れられない宿命のようなものです。

であるならはそれを真正面から受け止めて、しっかりと対策をしていったほうが良いのではないかと思うのです。

運用の変更についてご理解をいただければ幸いです。