わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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未熟児/低出生時体重児のいちご状血管腫へのレーザー治療はどう考えるべきか

今回のお話はどちらかと言うと、専門家向けです。

 

いちご状血管腫は全新生児の約1%に出現すると言われる血管の腫瘍です。

腫瘍といっても良性の腫瘍であり、転移することはありません。

しかし、時に大きくなり、色々なモノを圧迫する事があるので注意が必要です。

 

治療は今はレーザーが標準的です。

今回はレーザーの詳しい話には突っ込みません。

 

また、より難しいのが未熟児あるいは低出生体重児のいちご状血管腫です。

そもそも低出生体重児にはいちご状血管腫はより多く発症することが知られています。

満期産の子の数倍であり、数%という発症率です。

何が問題になるか?病気の進行具合と治療の適応です。

頭を悩ませる医療従事者も多いかもしれません。

ここに私の経験に基づく治療方針について記したいとおもいます。

 

いちご状血管腫の状態について

いちご状血管腫は生後6ヶ月まで大きくなることは知られています。

逆にそれ以降大きくなることはありません。

低出生体重児ではどのような動きをするのか?

それは「出産した日」を基点に考えるべきです。

出産した日から6ヶ月。

これが拡大の目安となります。

(当然色調も大きなヒントになります。色が落ち着いてきたら拡大も落ち着くのはみんな一緒です)

間違っても、「修正週数」を基点に考えては行けません。

治療期間の見極めを間違えることになり、過剰診療を行う可能性があります。

 

レーザー治療の適応について

低出生体重児でもレーザーを行うことは問題ありません。

しかし、気をつけるべきことは皮膚の厚さについて。

低出生体重児では皮膚は薄く、ヤケドなどのトラブルを起こす可能性は通常よりも高いと考えるべきです。

出力、パルス幅の選択する時に気をつけるべきことはその子の「修正週数」です。

修正週数を見て、出力を決めるべきです。
(修正週数=その子は満期産の時には在胎何週なのか?)

つまり、修正40週で一般の新生児と同じ強さ。

それより小さいなら出力は落とす。

それより大きいならは修正週数に応じた月齢の子と一緒の出力で照射する。

間違っても「出産した日」を基点にして出力を決めては行けません。

往々にしてその出力は強く、トラブルを引き起こすことが有ります。

 

病態および治療法の選択に際して、児の年齢は非常に重要な要因です。

なにを基点にして考えるべきか、その参考になればと思います。

木枯らし吹けば、お肌も乾く

いやあ、寒くなりました。

そして、今日は風も強いです。

北風がぴいぷうと吹いています。焼き芋でも食べようかな?

 

さて、今朝は流石に寒かったので、エアコンを付けています。

さっき、ふと顔を上げてみると温湿度計が見えました。

その湿度を見てぎょっとしました。

なんと28%。

エアコンを使用していることを考えても、この冬の最低湿度です。

 

それもそのはず、北風は乾燥した風です。

日本海から吹く風は日本中央部の山脈を超える際に湿度を全て雨もしくは雪という形で

落としてしまいます。

そして、関東には湿度の下がった冷たい風が吹いてくるのです。

 

この乾いた冷たい風が関東にやってくると、みんなのお肌が乾燥する。

というわけで、冷たい木枯らしが吹くような日は乾燥肌に注意したほうが良いんですね。

 

風よ、吹くなとは言わないが、せめて吹くなら南から吹いておくれ。

皮膚科医がみんな困ってしまいますよ。

 

期待の新薬「ルパフィン」は、花粉症・かゆみ治療の切り札になるか?(2018年3月)

今年の前半戦、個人的に最も期待をしているのがこのルパフィンという名前の薬です。

自分で実際に飲んでみて、効果を実感しているので、イチオシになるかもしれません。

 

ルパフィンというお薬ですが、耳慣れない名前かと思います。

それもそのはず、発売されたのは昨年末なので、まだ発売後数ヶ月しか経過していません。

薬剤のジャンルはいわゆる抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬に当たるものです。

このジャンルの薬は覚えるのも嫌になるくらいの種類があるのですが、この薬だけに見られる特徴があります。

それが特色なんですね。

 

抗ヒスタミン薬は何かというと、ヒスタミンという化学物質が作用するのを抑える作用があるのですが、

このルパフィンはそれだけではなくPAFと呼ばれる成分も抑えてくれるんですね。

 

このPAFと呼ばれる成分ですが、いわゆる花粉症では鼻のむくみを引き起こすことがあるようです。

詳しくは専門の方に聞いてみて下さい。

で、それを抑えることで翼に夜の鼻づまりに効果を発揮することが有るんですね。

 

というわけで飲んでみました。

・・・うん。結構良いです。

夜間の鼻づまりはやや改善した印象があります。

それよりも朝は少し良く眠れた気がしますね。

また、ステロイドの内服量も少し減らすことができました。

ステロイドをずっと飲むことを考えると、抗アレルギー薬を切り替えるだけで

ステロイドが減らせると言うのは、それだけでもすごいことなんですね。

(あくまでも個人的な印象です)

 

というところから、このルパフィンというお薬に可能性を見てしまいます。

 

なかなか治らないかゆみに対して、症状に対しての治療の一つの大きな方法になっていくのではないか。

そんな気がする今日このころだったりします。

 

 

でも、気をつけることが3点あります。

まず眠気。これはアレグラなどよりも多くあります。

車の運転、高いところや細かな作業をする方は要注意です。

もう1点は新薬であるためにどうしても避けられないものですが、

処方制限がかけられています。

処方は最大で14日までになりますので、頻繁に受診する必要がありますので、ご注意下さい。

最後の1点は年齢制限です。

処方できるのは中学生以上となります。小学生以下には使用できませんのでご注意下さい。

 

でもでも、良いぞ。この薬と思わせる抗アレルギー薬でした。

今後ももう少し使い方や、適応となる病気について考えてみたいところです。

期待の新薬、コレクチムの製造販売が承認されたようです(2020年1月)

記事のソースはこちらです。

公式なページですので、信頼度は非常に高いと考えられます。

 

今年の期待の新薬(と勝手に期待しています)である、

アトピー性皮膚炎の治療薬、コレクチム。

正式な名前が公開されたようです。今まではコードネームのJT-052と読んでいましたから。

販売開始はこれからのようですが、非常に期待しています。

 

特にステロイドの外用薬に変えることができるのか、

プロトピックとの使い分けをどうしようか。

現時点ですでに方針を検討していかなければありません。

今までに入っている情報では重篤な副作用はなさそうですし、

効果も期待できそうです。

 

ただ、憂慮しなければいけない点が一つだけあります。

投与方法です。

一日2回、1回あたり5gという制約があるようです。

5gとは結構な量に思えますが、もしもこの量で塗るとすると、

1000平方cm程度になるかと思います。(1FTU=0.5g/100平方センチで計算した場合)

つまり、30cm四方ということになり、成人の躯幹などの広い面積に

一気に使用するということは難しいことになるかと思います。

したがって部分的な使用に留めざるを得ないという問題もあります。

以上のことから、現在の使用方法としては

ポイント塗布を行っている強めのステロイドの代替として

使用することが一般的になるだろうと想定されます。

 

今後はその想定方法で湿疹をどの程度コントロールできるのかについて

情報を収集していきたいと思います。

 

当院ではコレクチムについては販売開始後、電子カルテが対応でき次第

処方を開始する予定にしております。

情報については当ブログにて随時公開を進めていきたいと思います。

 

朝のシャワーと、帰宅後のシャワーと

できれば流して汗を取ってあげたほうがいいですよね?

というお話です。

 

夏になりました。と言ってもいいくらいの気温の上がりっぷりです。

夏の時期にはアトピー性皮膚炎の悪化要因は汗が一番に思えます。

肘・膝・首などの擦れて汗がたまる部分に湿疹の悪化をみるのが毎年のパターンです。

もちろん薬を使って湿疹を抑えていくのは必要なことですが、その前の予防のスキンケアとして、シャワーをしっかりと使っていきましょうね。

 

朝起きたときには、夜間の寝汗を落とすシャワー。

外から帰ったときには外出時の汗を落とすシャワー。

2回は追加でシャワーしてもいいかもしれません。

 

よく聞かれる質問ですが、石鹸は無理に使用する必要はありません。

一般的に汗は水に溶けますので、石鹸を使って皮膚を乾燥させる必要はないと考えています。

 

ただし、土や砂などでドロドロになってしまった場合には使用もやむなしかと思います。

また、一度水洗いしてもベタベタした汗が残っている場合にはその部分に石鹸を追加して見てください。

(思春期以降のニキビを伴うベタベタした脂分に対しては石鹸は使用しても問題はありません。)

 

しっかりと洗って皮膚に刺激分を残さないようにすること。

湿疹の予防の上では大事なポイントとなりますよ?

朝シャンのススメ。大人編

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朝シャン、懐かしい言葉です。最近は聞かないですね。

調べてみるとバブル期の言葉です。

そういえば、日本で再び「ティモテ」を販売するようですね。

あのCMソングを聞くと懐かしく思う人もいるかもしれません。

 

私はいつも言っているのですが、夏こそ、成人男性は朝シャンをするべきと

考えています。

 

男性は皮脂分泌量が多く、また、汗も大量にかきます。

その皮脂や汗を皮膚表面に存在している細菌やカビが食べて、それを代謝し、

結果として起きるものが脂漏性湿疹やワキガとなるのです。

また、アセモにつおても同様のことが言われています。

また、汗や皮脂そのものにも種々の化学物質が存在し、それが嫌な匂いの元となります。

細菌や真菌がその原因となるので、それを薬で叩いてしまえば、

脂漏性湿疹やワキガ、アセモや匂いは良くなるのですが、あまりスマートな対応ではありませんよね。

むしろ、朝に一度シャワーをすることによりそれらの症状が匂いを抑えたほうが良いでしょう。

(石けんは頭部、顔面、ワキ、股間部などに使うだけで構いません)

 

実際に自分でも朝にシャワーをすると、その日1日さっぱりとした気分で過ごせます。

また、特別な石けんを使うことで、小鼻の赤みもなくなりました。

コラージュフルフル 液体石鹸 250mlコラージュフルフルネクスト シャンプー すっきりサラサラタイプ 400ml

(この石けんには脂漏性湿疹の原因となるカビを抑える成分が入っています)

 

暖かくなってきた時こそ、いかがでしょうか。

朝シャワーのススメ。こども編

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ゴールデンウイークも終わり、だいぶ暑い日が増えて来ました。

北海道、東北では2週間前に雪が降っていたのに、今は真夏日ですか……

体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

さて、暖かかくなり、皮膚科医の間ではアトピーがみんな悪くなってきたという

話が増えています。

その原因は色いろあるでしょう。

しかし、その中の一つとして汗があることはご存知でしょうか。

 

アトピー性皮膚炎が悪くなるきっかけを聞いてみると、

「乾燥」と「汗」が最大の原因でした。

しかし年齢により、どちらが悪いかがわかれます。

大雑把に言うと、幼児園児くらいまでは「乾燥」

それ以上になると「汗」が悪さをする印象があります。

 

乾燥に保湿剤という対策があるように

汗にもシャワーという対応策があります。

 

朝、5分だけ早く起きて(起こして)シャワーを毎日浴びてください。

石けんは実はあまり必要ありません。アセモの部分に使うくらいで構いません。

毎日、シャワーをしてあげるだけで、随分アトピーの症状の出方は変わりますよ。

 

また、シャワーにはもう一つ利点があります。

シャワーをすれば、必ず裸になりますよね。

つまり、朝の塗り薬をつけやすくなるのです。

 

もともと子どもは汗をかきやすいもの。

朝のうちから、汗をかいた頭がすえた匂いをしているのもイヤですからね。

(我が家では「頭が発酵している」と言っていますが。)

 

暑くなり、子どもがおへそをだして寝るようになったら、朝シャワー、ぜひ試してください。

 

追記。

先のエントリー。大人は朝シャンですが、子どもは朝シャワーです。

上にも書きましたが石けんはアセモの部分を除いてあまり積極的に使う必要はありませんが、

匂いが強いところにはしっかりと使ってくださいね。

 

2013/5/23更に追記

シャンプーや石けんですが、全身に1日2回使うと乾燥が強くなる印象があります。

アトピーや乾燥肌の子は症状が悪くなることがありますので、気をつけて下さいね。

最高気温が30度を超えたら汗疹が増えた?

皮膚とは人間の体の一番外にあるもの。

そのため、環境の影響を強く受けるものです。

なので、環境の変化により、皮膚の症状も現れるのです。

今回はそんなお話です。

 

開業して2年目になりました。

昨年の様子はあまり良く覚えていませんが、今年の汗疹は先週から一気に出てきたようです。

どうも、気温が30度を超えると出てくるようですね・・・

 

どうしても今までの気温の状況に併せて生活を組み立てるために、

ある日突然、一気に気温が変化すると体の方がついてきてくれないようです。

 

25度を超えた時には一時的にとびひが増えました。

しかし、その後ぱったりと出なくなりました。

多分これは洋服のせいなのでしょう。

春の厚着に夏の天気。そのために大汗をかいてトビヒを作ってしまったのでしょう。

でも、最近の暑さが続くことで薄着にしたり、シャワーをしたりとその環境に併せてスキンケアを変えた。

そのためにとびひがでなくなったと考えます。

 

今回の汗疹についても同様かもしれません。

今週来週くらいは多いかな。

でも、しっかりとエアコンを使うようになれば少し減るかな。

と考えています。

 

 

あと、一つ思い出しました。

汗疹のピークは8月下旬でした。

みんな帰省後に汗疹を作ってきた印象があります。

そういえば、お話を聞いたら、みんな里帰りしてエアコンを使っていなかったそうな。

 

最高気温が15度を超えたらとびひのことを考えよう

春になりました。

一気に気温が上がってきましたね。

でも、これから、春夏の皮膚の病気が増えてきますので、要注意です。

 

最高気温15度。

これがとびひ第一波の一つの目安となります。

 

とびひは皮膚の表面に黄色ブドウ球菌が繁殖することにより引き起こされます。

当然、高温多湿の環境では特に増えやすい状態になります。

どうも、その温度は一つの境目になるようです。

 

でも、第一波の後はしばらくお休みして、5月ころから本格的なとびひシーズンに入ります。

この理由ははっきりしませんが、一つは洋服かもしれません。

冬の洋服で春の気候の中にお出かけをする。

それにより、大汗をかいてしまい、とびひが出てしまうのかもしれません。

 

気温が上がった時には洋服を脱がせること。

鉄則です。

最適化という思考停止

膝の靭帯を痛めました・・・

歩行には問題は無いのですが、階段の昇り降りで、少し苦労します。

普通に階段を下りることができず、一歩ずつ下りるしか無いので、

通常の倍以上時間がかかってしまいます。

 

電車で通勤するときにはいつもの車両。いつものドアの側に乗るのですが、

それが大間違い。

階段の側に到着しても、階段の昇り降りは痛いし、周りの人に迷惑がかかるし。

結果的に時間がかかってしまいました。

 

いつものルート、いつもの場所。

いつも使っているうちに当たり前になってしまいますが、

状況が変わってしまえば、それが一番では無くなってしまいます。

 

いつもの条件は何が変わればどう変わるのか?

怪我をした時、電車が止まった時などなど。

いちど、立ち止まって考えてみたいものですね。