わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

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成人の水いぼ発症についてのカルテ調査を行ってみた 2018年7月

というわけで、雨も続いているので、カルテをひっくり返してみました。

大人の水いぼの方はどれくらいいるのか?です。

 

まず基本情報から。

当院を一度以上受診された方は1万3千人ほどです。

その中での子供(18再以下)は概ね半分ですので、6千5百人。

では、子供の中で水いぼの病名が付いた子は約800人程度。

成人は24人でした。

なお、成人例は全部カルテをひっくり返して水いぼと診断されたことを確認済みです。

 

少し詳しく見ていきましょう。

水いぼの子の受診率は800/6500ですので、12.3%。

結構高いですが、これにはからくりがあります。

「一度でも水いぼと診断された」子なので、現在もうなくなっている子もたくさんいます。

現在水いぼがある子に限定するともう少し頻度は下がるでしょう。

水いぼ取りの処置を行った件数からすると、全患者数の4%。小児では7-8%くらいかと思います。

もちろん発生年齢もありますので、保育園児・幼稚園児では10%を大きく超えますが。

 

では成人はといえば24/6500ですので0.37%ですね。

小児に比べると結構低い数値です。

でも、300人に一人と考えると、結構な人数です。

月あたり1名ですので、極端に少ない人数ではありません。

 

0.37%ですかー。結構居ますね。

と思われるかもしれませんが、実はこれにはからくりがあります。

つまり、子供が多いクリニックなので、お母さんも多い。

で、そのお母さんに水いぼが出ていることを受診するというパターンが結構あるので、

多分その割合になっていると思われます。

一般の社会人を母集団とするとさらにその割合は下がるのでしょう。

といっても、0.1%くらい?

極めて稀というには少し多い印象受けますが。

 

あとは年齢です。

30代、40代でおおよそ8割以上を占めます。

逆に20代や50代以上はほとんどいません。

つまり年齢による偏りは多く存在しているのも一つの特徴になります。

もう一つの特徴は子供から感染される例が多いこと。

頻度の高い年齢の方はほとんど子供からの感染を起こしています。

 

では、実際に感染を起こされた割合を見ていきましょう。

先程の子供の水いぼの発生数は概ね800人位。

成人の水いぼの発生数は24人。

ということは感染確率は24/800で3%。

・・・思ったよりもあります。

3%であれば、無いとは言い切れません。

 

もう一つの違いは性別です。

24名中、男性は5名。女性は19名と明らかに女性に多く見られました。

ちなみに男性はほとんど30代です。

パパさんが最近子育てをしっかりと頑張っている様子が目に浮かびます。

昔は全く子育て男性の水いぼは見ませんでしたから・・・

 

細かく見てきましたが、つまりはこういうことです。

・多くは子供から親への感染が見られるが、稀ではない。(確率は3%程度)

・当然感染するのは母親が多い(30代、40代の感染が多い。男性よりも女性の患者が多い)

 

では、なぜ前回の様に、

「発生は稀である」「免疫抑制を考えるひつようがある」

となるかといえば、来院する患者層が異なることがあるでしょう。

 

子供が来る=お母さんも一緒に受診することが多いクリニックでは

子供の水いぼも多く、ひいては大人の水いぼも多く見られます。

逆に高齢者の多いクリニック、働き盛りの男性が多いようなクリニックでは

成人の水いぼはきっと珍しくなってくるでしょう。

 

結局は来院する患者さんの傾向により、珍しいか否かは決まってくるのでしょうね。

 

最後に言えること。

お母さんには無視できない確率で水イボが感染することがあります。

それは確率の問題であり、感染された人の免疫が問題なのではありません。

大人の水いぼもふつうに感染することのある、心配のいらない病気なんですよ。

ということでした。

 

成人アトピー性皮膚炎の新薬、デュピクセントの治療を開始いたします。

今年4月より販売が開始されましたアトピー性皮膚炎の新薬、デュピクセントの治療を開始いたしました。

いくつか注意事項などありますので、全ての患者さんに使用できる薬剤ではありませんが、

施設条件は当院では満たしております。

 

治療を希望の患者さんは、一度受診してみてくださいね。

 

今後、当ブログでもデュピクセントについてはお話をしていきたいと思いますが、

まずは一報、ご報告でした。

慢性蕁麻疹にも注射ができるんです

今回は蕁麻疹のお話をしましょう。

 

実は慢性蕁麻疹にも注射の薬が使えるようになりました。

その名もゾレア。

IgEという蕁麻疹に関与する抗体に作用します。

非常に効果が高いのも特徴ですが、

高価であることも特徴だったりします。

 

3割負担のかたで1回あたり3万円がかかります。

ただ注射の間隔は4週間とアトピーに対するデュピクセントに

くらべて1ヶ月あたりの金額はやや少なく済むといえばいえるのですが。

 

ただ、これだけ高価な薬剤ですので、院内に常に常備されている

わけではありません。

投与希望されての受診後約3営業日お待ちいただくことがあります。

ご了承くださいませ。

 

どんどん皮膚科領域においても新薬が出てきています。

高価ではありますが、効果も非常に高いですので、

なかなか落ち着かない蕁麻疹の患者さんは

一度ご相談くださいませ。

 

意外にに知らない「あせも」の話

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梅雨も終わり、夏がやって来ました。

その途端、外来にはあせもの患者さんであふれるようになりました。

 

このあせも。一体何が皮膚の表面で起こっているのでしょうか。

 

実は汗疹の研究はほとんど進んでいません。

何故かはわかりません。

多分、汗疹で命を落とす人がいないからかもしれませんが。

一般的に目にすることの多い、皮膚科の病気の中でここ数十年ほとんど最も研究が進んでいないのが、

この汗疹と、しもやけでしょうねえ。

 

汗疹には2種類あります。

紅色汗疹と、水晶様汗疹です。

紅色汗疹は一般的なあせも。子どもに出来るのはほとんどがこの紅色汗疹です。

水晶様汗疹とは、高熱を出した後に、本当に汗が溜まった水ぶくれが皮膚の表面に出来る状態です。

中に汗の溜まった水疱がきらきらして見えるので、この病名になりました。

 

これに対して紅色汗疹がどうして起きるのかについてははっきりとした説明はほとんどありませんでした。

教科書にもはっきりとしたことは書いてなかったのです。

新しい話しが出てきたのは2006年の事です。

徳島大学とユニ‥チャームの合同研究グループがひとつの事実を発見しました。(メーカーHP

それは、汗疹の出来る所で表皮ブドウ球菌が異常に繁殖していることです。

つまり、紅色汗疹が出来るメカニズムは以下と考えられます。

 

1)局所皮膚の湿潤や温熱により、皮膚常在菌である表皮ブドウ球菌が異常に繁殖する。

2)表皮ブドウ球菌がリポ多糖を分泌する

3)リポ多糖が物理的に汗管を閉塞させる。

3′)リポ多糖に対し、皮膚表面で炎症反応を誘発する

4)そのため、赤いぶつぶつの汗疹が出現する。

 

したがって、汗疹の治療、

1)ステロイド外用剤←炎症反応を抑制する

2)抗生剤←表皮ブドウ球菌を抑制する

3)お酢←リポ多糖を破壊する

などはそれぞれ効果を発揮するのです。

 

ただし、この表皮ブドウ球菌は皮膚の表面に存在する細菌です。

つまり、シャワーで流すことは可能です。

何度もシャワーをあびることも立派な汗疹の予防策であり、治療です。

ぜひ、シャワーを上手に利用してみてくださいね。

悪天候が指先を救う(2018年10月)

今年の指の湿疹は皆さんなんとなく調子良いですね。

よくよく考えてみると気候天候の影響があるようです。

 

指先の湿疹の悪化因子は言わずとしれた外遊び。

多くは砂遊びですが、それ以外にも雲梯等があるようです。

また、学校行事による手荒れというものがありまして、

例えばイモ掘りとか、あとは運動会ですね。

 

ここ数週間は運動会シーズンです。ということは運動会の練習で

手指がホコリまみれになり、湿疹が悪化するパターンが多く見られるのですが、

毎週末のようにやってくる台風のために今年はなかなか屋外での練習ができず、

屋内で練習することが多いようです。

で、結果として手や指の湿疹が抑えられているという状況にあるようです。

 

本当に皮膚の湿疹とは社会・環境に大きな影響を受けるんですね。

息ができなくなった妊婦さんのお話 続き

今回は少し間が空きましたが、妊婦がトラブルになった時のお話。

まとめ編です。

 

今回の結論ですが、

妊婦が病気になった時に対応できる医療機関はとにかく少ない!

ということなんです。

 

とってもイヤーな話なんですが、どうもこれが今の日本の現実のようです。

 

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

 

まず、妊婦さんの絶対数が少ないことがあります。

今この時点で妊婦さんがどれだけいるのか考えてみましょう。

日本での出生数は大雑把に100万人/年です。

一般に40週で赤ちゃんは産まれてきます。

双子などもいるので大まかな数字しか出ませんが、今日この日の妊婦さんは

70万人くらいといったところでしょうか。

東京都内で7万人。

これは非常に少ない人数です。

人口が少ない上に、1年で皆さん卒業しますので、入れ替わりも激しいのです。

 

また若年(から中年?)で妊娠しますので、もともと病気を持って妊娠する人が少ないこともあるでしょう。

したがって、現在の細分化された医療(特に内科はものすごく細分化されていますね)では、

妊婦を対象にした内科というものができる余地が非常に少なくなります。

 

また、病気を持った妊婦を津梁する施設は結果的に限られてしまいます。

そのため、妊婦に対する薬の治療を行うというスキルを持った内科医が少なくなってしまう。

 

また、同様のことは救急領域でも言えるでしょう。

これは考えてみると怖い話です。

 

では産婦人科医はどうなのか?

この人達は妊婦に対しては慣れています。

しかし、内科医ではありませんので、難しい内科の病気になるとお手上げです。

 

したがって、病気をした妊婦と言うのは

内科、救急、産婦人科

の間の隙間に落ちてしまいます。

 

 

ついで薬の問題があります。

薬の中には「妊婦には使用しないでください」とよく記載しています。

この記載がクセモノです。

 

というのも、妊婦に対して使っても問題のない薬がこの中にはたくさん含まれているのです。

外国では問題の無いことがわかっている。

しかし、日本では調査や検査したことが無いのでわからない。

そのために「妊婦には使用しないでください」

と書いておけば問題は起きない。

そのために記載されている薬のなんと多いことか・・・

 

更に面倒なことは、一部の薬を妊婦が飲むと問題になることがあるのです。

それも、「妊婦には使用しないでください」と書かれているのです。

 

したがって、妊娠と薬の関連性に疎い医師が薬を処方しようとして

薬の説明書を確認し、使用できないと思って処方できない。

 

ということが起きてしまいます。

 

最後に実際の診療場面でのお話です。

現実問題として、妊婦さんとお話をするのはとても気を使うものなのです。

そりゃあ当然で、妊婦さんも必死なわけです。

自分だけでしたらまあ、仕方ないか。で済むお話であったとしても、

自分の赤ちゃんも関わってくるお話ですから、2人分の責任があるので、

その分、話が長くなることは当然です。

 

でも。それって当然だよね。

と思う医師もいれば、逆にそれを面倒くさい。

と思う医師もいるのが真実。

露骨に嫌がる医師もいるのも事実です。

(実際、今回の大学病院の医師も、結構嫌そうな口調でしたし)

 

いままで長々とお話をしてきましたが、

医療者側の要因、薬の側の要因などもあり、

病気になった妊婦さんをさらりと診察してくれる医師が少ないということが図らずも露呈してしまった

と言うのが今回のお話のまとめでした。

 

 

 

・・・ここまで文章を書いていて思ったのですが、

妊婦さんを専門に診ることのできる内科が幾つかあってもいいと思うんですけどね・・・

 

 

このお話について、皆様の意見を募集しています。

何らかの形でフィードバックさせていければと思っております。

ご意見、お待ちしています。

 

息ができなくなった妊婦さんのおはなし

ということで、冬の間はずっとつわりが続いていました。

そして、風邪をもらってしまい、なかなか治らないまま数週間が経過したある日のことです。

 

深夜になってから

「苦しい、息ができない」

と言われました。

すわ一大事!とのことでバタバタした日だったのですが、今回はそのお話をしていきましょう。

 

時間はそろそろ日付も変わろうかという時のこの言葉でした。

病院は当然開いていません。

救急を呼ぶかどうしようかというところだったのですが、まず、成育医療センターに電話することにしました。

担当者が出て、お話をしたところ、

「当院にかかっていない患者さんの受付はしていません」

とのこと。

ダメじゃん。

 

ついで、救急に電話してみました。

担当者がでて、症状の話をして、診てくれる病院が無いかを相談したところ、

「妊婦さんですか・・・」

と言って、絶句。

どうも妊婦さんの対応までは考えていなかった様子で、結局は

「大きな病院に・・・」

と言われました。

 

そして、次に近くの大学病院に電話しました。

取り次いでくれたのは看護師さんですが、妊婦なんですが・・・

といったところ、お待ちくださいと言われ、それなりに待たされることになります。

そして、医師に変わり、お話をしたのが耳鼻科の先生。

ここでも、妊婦なんですが・・・

といったところ、お待ちくださいと言われ、内科の先生に変わりました。

そして、「妊婦さんなので、薬処方できませんよ」

と言われ、冷や汗を書きながら救急に行き、診察をしてもらったのでした。

 

なお、電話のやりとりだけで、1時間かかっています。

本当に喘息の発作だったら、死んでますよ・・・

 

 

 

あと、大学病院の救急に電話した時のお話です。

耳鼻科の先生が最初に出てきて、その後内科の先生が出てきました。

その合間、電話口の後ろで何やら声がします。

その二人の先生の話が聞こえていました。

「妊婦なんですけど、飲み薬大丈夫なんですか?」

「わかんないけど、様子を見るように行って、帰せばいいじゃん」

「そうだねー」

・・・全部聞こえていますけどねっ(怒)

 

恋人たちのクリスマス

いよいよ師走。
街もクリスマスの装いになってきました。

恋人がいる人もいない人も、なんだかソワソワする季節です。

少し前ですが、井の頭線に乗ったら、こんなつり革がありました。

 

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ラブ注入♡

古いね〜(笑)

急に寒くなった日に考えるべきスキンケア(2018年9月)

秋雨の季節になりました。

三寒四温とでも言ったら良いのでしょうか。気温が毎日安定しません。

そのようなときにどんなスキンケアを考えればいいのでしょうか?

少し見てみましょう。

 

この時期に問題になるのは急に寒くなったときです。

気温は一気に低下します。

したがって厚着を進めることは大事なんですが、

まだ汗をたくさんかくような体の状態は続いています。

したがって、寒いのに汗をかいているわけですね。

なお、ベッタリしているのは汗の水分が蒸発したためです。

パット見た感じ汗が出てないからと言っても油断は大敵。

その汗の中の成分は接触しているので意外に汗疹になりやすいんです。

だから本当はシャワーはまだしっかりとしてあげたいところです。

特にこんな寒い日には少し暖かめのシャワーの水量を多くして

一気に汗を吹き飛ばしてしまいましょう。

しかし流し過ぎは厳禁です。

暖かくしすぎると深部体温が上がってしまい逆に汗を書いてしまいます。

程々に流して程々に温めてください。

 

次に気をつけるべきは気温と湿度の管理です。

気温は低くなっていますので、しっかりと適温まで上げることを考えるか、

洋服を1枚増やすかを考えてみてください。

エアコンについては単純に暖房の使用を開始しても大丈夫です。

もしも気温が上がりすぎることが心配でしたら

除湿をかけつつ設定温度を高めにすると良いでしょう。

(気温が上がることによる不快感を湿度を下げることで相殺することができます)

湿度についてはそんなに低下することはありませんので、

そのままで良いかと思います。

むしろ少し高くなることが多いので、除湿を少し進めるくらいで良いかと思います。

洋服ですが、子どもたちは寒がっていないこともありますので、

その時はそのままで構いません。しかし寒そうなときは薄手の羽織ものを用意すると

良いでしょう。そして状況に応じて脱ぎ着できるようにすると便利かと思います。

 

これから徐々に秋も深くなってきますが、

スキンケアと環境管理をしっかりとすることである程度は乗り切ることができます。

しっかりとケアをしてあげてくださいね。

待合室の状況について(2020年4月22日)

現在の待合室の状況についてです。

 

COVIDの拡大防止のために現在待合室では

・すべての本の撤去

・すべてのおもちゃの撤去

を行っております。

 

目的は2つ。

・受診前後の滞留の防止

・器具を介しての感染の予防

です。

 

子どもたちにはかなり不評ですが、

感染拡大防止のためにご協力をお願いいたします。

 

あ、テレビは今まで通りにアニメ流していますので、

ちょっとだけですが時間は潰せるかと思いますが。