わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

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顔にベリーストロングのステロイド外用薬

いやあ、絶対に塗ってはいけないでしょう。

少なくとも、自分は副作用を考えるとなかなか塗ってとは言いがたいものがあります。

もしも、塗って貰う場合には必ず頻繁に受診するように強く説明を行います。

子供には絶対に使いませんよ。使う必要もありませんし。

 

2014年3月11日付けで国民生活センターからのプレスリリースが出ていました。(リンク

横浜市の開業医が「漢方薬」の塗り薬を称して処方されている商品の中に

ストロンゲストという、最も薬の効果の強いステロイドの塗り薬が、配合されていたというお話です。

デルモベートという塗り薬ですが、この薬はあまり処方することはありません。

開業してそろそろ1年になりますが、処方したのはほんの数回といったところでしょうか。

特にアトピー性皮膚炎には処方したことは当院では無いと思います。

 

そもそも、治療の強さと治療期間には関係があります。

強い薬であれば、それだけ短い期間にする必要があります。

逆に弱い薬であれば比較的長期間塗っても問題はありません。

アトピー性皮膚炎のような長期間の外用では、強い薬は副作用の観点からはお勧め出来るものではないのです。

デルモベートのような強い薬剤はひどい湿疹や虫さされといった短期的に使用すべき病変に対して使用するものです。

 

また、薬を塗る場所も問題です。

特に顔面の皮膚は体に比べて非常に薄いものです。

塗り薬はよく効くのですが、逆に副作用が出やすいものでもあります。

その分取り扱いに注意すべきものです。

 

では、湿疹を抑えたいときにはどうすればよいのか?

まず、ステロイド以外の塗り薬があります。

プロトピックという薬がそうです。しみるなど、クセの有る塗り薬ですが、

特に顔では痒みや赤みをしっかりと取ってくれます。

また、内服であればシクロスポリンという飲み薬もあります。

頻繁に採血が必要であること、併用薬に注意すること、薬代が比較的高いことなどが

問題になりますが、(グレープフルーツジュースがダメなんですよね)

効果は非常に高いものがあります。

また、保湿剤をしっかりと使うことも大事ですし、

場合によっては紫外線を当てることで症状を押さえ込むことも可能です。

 

必要があれば短期の入院で一気に症状を改善させることも可能です。

また。大事なのはスキンケア。

毎日の生活の中でいかに湿疹を抑えるべきかを考える必要があります。

 

つまり、湿疹の治療は「ただ単に薬を塗っていれば良い」というものではありません。

飲み薬についてもただ飲んでいればよいというものではないのです。

毎日の生活の中でケアをしっかりと丁寧に行っていくことが

治療の一番の近道です。

 

塗り薬をポンと処方してそれで診察終了。

質問すると露骨に嫌な顔をする

という医師も未だにいますが、私はそれが良くないものと考えます。

 

しっかりと説明をしてくれる、薬を飲む/塗る意外についても説明をしてくれる。

そういった先生と長くお付き合いをしていきたいものです。

とびひ発生の報告

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いやあ、思ったよりも早くの発生となりました。

 

今週前半からトビヒの患者さんの診察を行うことがありました。

話を聞く限り、発生は先週の後半からのようです。

 

最高気温は15度を超えるようになるととびひが出るような印象を受けます。

ひょっとするとまだ冬の厚着のまま外に出て、汗をかいてしまうのもひとつの原因かもしれません。

もう少し暑くなってくると逆に薄着になるのでとびひの患者さんは減るのかもしれませんが・・・

 

トビヒの特徴は数時間で一気にじくじくする湿疹が広がってくることです。

特に鼻の周囲にじくじくする湿疹が出ている時には要注意です。体に広がってくるかもしれません。

かゆみはあってもなくても構いません。

放ったらかしにしておくと湿疹が全身に広がったり、血液の中に細菌が入ってしまうこともあります。

心配なときには一度受診してくださいね。

汗と温度とアトピー性皮膚炎

医者の仕事というのは患者さんの診察をするだけではありません。

時には文献を読んで最近の情報を仕入れたり、学会に行って、同様に最新の情報を仕入れる必要があります。

今回は勉強会に行って聞いてきた情報について簡単にお話をしたいと思います

今回のテーマは汗と温度変化とアトピー性皮膚炎に関するお話です。

 

なお、お話の内容は聞きかじりです。

興味を持たれた方は文献などを直接確認ください。

事実と異なる記載のある場合、責任は全面的に筆者にあります。

文献の著者などにはくれぐれも苦情などはいれないでくださいね。

 

アトピー性皮膚炎という病気は基本的に子どもも病気です。

というのも年齢とともに改善していくからです。

しかし、一部にはおとなになっても症状が出ている人や

一旦症状が消えたにもかかわらず大人になって再度症状が出てくる人がいます。

 

子どもの時に消える人と消えない人、再発する人では何が違うのでしょうか。

 

現在この問題には明確な答えはありません。

しかし、悪くなる原因を考えるとストレスや温度変化、発汗といったものがあるようです。

そのところを深く考えてみましょう。

 

アトピー性皮膚炎のかゆみとは不思議なものです。

多くの人は温めたり冷やしたりすると痒みはなくなります。

しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんの中には温めると痒みが強くなる人がいます

その原因として言われているのが末梢神経のお話です。

湿疹の皮膚では末梢神経の末端のセンサーとも言える部分が普通の人よりも進展し、

皮膚の浅い部分まで存在しています。

そのために痒みを強く感じてしまうのです。

つあり、感覚(知覚)の過敏があるということ。

 

もう一つはアーテミンと呼ばれる物質です。

このアーテミンというものは、皮膚の中の線維芽細胞という、コラーゲンを作る細胞から分泌されます。

どうも、この物質は温度感覚に影響するらしく、温めると非常に痒みを感じるようになるのです。

つまり、熱による過敏性を引き起こすのではないかと考えられます。

 

もう一つのアーテミンの作用は脳に働きかけるということ。

その影響により「湿疹の存在しない周りの皮膚も痒く感じてしまう」事になります。

逆に言えば、湿疹を治すことでその周りの皮膚のかゆみも良くすることができるのです。

 

 

少し話がそれてしまいました。もう一度温度と汗の話に戻しましょう。

汗ですが、一般的に暑くなれば汗をかくわけです。

実はアトピー性皮膚炎では暑さに対する反応性の発汗は悪くなっています。

この悪いというのは、量が少ないこともありますし、出始める時間が遅いというのもあります。

この原因はよくわかりませんが、事実として存在しているようです、

 

つまり、アトピー性皮膚炎の患者さんの場合、自分が思っているほど汗が出ていない可能性があります。

ということは、思っているほど、皮膚の温度は下がらないし、思っているほど皮膚の乾燥は取れない。

汗の中には細菌感染を防止する成分がありますが、それも少ないために感染を起こしやすくなる

ということがどうも起こっているみたいです。

 

では、なぜ汗が出ないのか。

これにはどうもヒスタミンが関与しているみたいです。

ヒスタミンが存在していると汗が出にくくなるみたいです。

 

というお話を聞いてきたのです。

散漫?そうかも知れません。

実際は人間の話もありますが、試験管の中であったり、ネズミさんのお話出会ったりと、

実際に診察室の中に応用できるものだとは限りません。

しかし、汗の方からアトピー性皮膚炎を考えるというのも、非常に興味深いお話だとは思います。

ここからよいお薬ができるといいのですが・・・

 

「へんしんするゆび」 かがくのとも 2014年3月号

かがくのとも 2014年 03月号 [雑誌]

 

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「へんしんするゆび」
かがくのとも2014年3月号

 

毎月我が家に届く「かがくのとも」です。

幼稚園から送られてくるのですが、結構楽しい本もあります。

この前の月のモノレールの話も楽しい物でした。

 

しかし、今月の「へんしんするゆび」ですが、この本を最初にみてびっくり。

あのう、真ん中に穴が空いているんですけども・・・

 

この本のキモはまさにこの真ん中の穴にあります。

穴に指を入れて、ページをめくると・・・

あら不思議、指先が色々なものになってしまうのです。

広い意味でのしかけ絵本といえば良いのでしょうか。

 

指を中に入れると、その部分がフライパンの上のソーセージになったり、

イカの足になったり・・・

などなど。様々なものに指先が変身します。

 

他にはどのようなものがあるのか、実際に本を読んでみて楽しんでみてくださいね。

ネオメドロールEE軟膏は嫌いです

今回も目の周りに塗る軟膏のお話です。

 

いくつか、目の周りの湿疹に対して使われる眼軟膏というものがあります。

今回はその中でもネオメドロールEEという軟膏のお話です。

 

この軟膏、眼科の先生の中には多用される先生もいるようです。

なぜか?この薬には抗炎症作用を持つステロイドと抗生剤の双方の成分が入っているからです。

どちらにも効くので、処方する。

という先生も多いようです。

 

でも、逆に問題もあります。

湿疹だった場合は抗生剤は不要ですし、感染だった場合、ステロイドは治療を遅らせます。

つまり、どっちつかずということが一つ。

皮膚科のひとりとして見ると、湿疹と感染症の区別も付けられないの?ということになるのです。

もう一つは薬の種類の問題です。

この抗生剤がクセモノです。

抗生剤の成分はフラジオマイシンというのですが、

この成分でかぶれることがあるのです。

 

一般に塗り薬でかぶれた場合は判断することは比較的簡単です。

塗った部分が赤くなり、痒くじくじくしてきますからね。

シップ負けを想像してもらえばよいでしょうか。

しかし、このネオメドロールEEのフラジオマイシンで負けている場合には

一緒に入っているステロイドにより、かぶれの症状が隠されてしまいます。

でも、完全にかぶれを抑えることができないので、なんとなく落ち着かない赤みとかゆみがずっと続くのです。

 

とまあ、2つの成分がお互いに影響し合い、ワケのわからない症状を作ることになってしまうのです。

なので、私はネオメドロールEEは嫌いなのです。原則、処方しないのはこういったわけです。

 

simple is bestなのです。

花粉症の時の目の周りに塗る薬の話

さて、今回は塗り薬のお話をしていきましょう。

 

塗り薬ですが、多くの種類の塗り薬は

「目の周りには塗らないように」

と記載されていることが多いです。

実際に薬剤師さんからそのように指導されたという方もたくさんいるのではないでしょうか。

 

しかし、ここには問題が一つあります。

目の周りにぬってよいお薬にはあまり種類がないのです。

いわゆる眼軟膏と呼ばれるものが処方されることが多いのですが、

特にステロイドの塗り薬では弱いものが多いのです。

結果として、なかなか湿疹が治らず、逆に薬の使用量が多くなってしまうなどの問題が出てしまいます。

 

当院ではそのような問題もあるために、顔に塗る用に使用されるステロイドの塗り薬を

目の周りにも塗るように指導しています。

ただし、これには条件が幾つかあります。無条件に使っているわけではありません。

一つ。毎週受診し、症状の変化を確認すること。

一つ。言われていない薬剤を塗らないこと。

一つ。目薬や飲み薬も合わせた治療を一緒に行うこと。

この3点はしっかりと守ってもらいます。

 

というのも、目の周りのステロイドと言うのはどうしてもトラブルに成ることがあるのです。

したがって、頻繁に受診してもらい、副作用が出ていないことを確認しながら短期間で治療を行う必要があります。

 

もしも、目の周りの痒みで悩んでいる方がおりましたら一度ご相談ください。

なにかアドバイスができるかもしれません。

 

爪切り治療を開始いたしました。

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爪が厚くなり、白く濁ってくるとそれだけで外出したくなくなるものです。

いわゆる爪肥厚(爪甲肥厚)という状態ですね。

また、爪の水虫(爪白癬)になっても同じような状態になることがあります。

 

爪が厚くなると、歩く時に痛みが出る、見た目が悪くなるなど、

どうしても、日常生活に支障が出てしまうことになります。

もちろん、爪の水虫の治療の一つとしても爪を薄く、短くしてあげることは大切なのです。

 

そこで当院では爪切りサービスを開始いたしました。

専任のスタッフが丁寧に処置をしてくれます。

この機会にお試しください。

 

費用

親指 片側1000円

人差し指~小指 片側合わせて1000円

 

日時

毎週金曜日 14時、14時半、15時半

あらかじめ電話で予約ください。

他の日程、時間希望の方も相談を承ります。お電話ください。

 

持参物

診察券、保険証、医療証

最初に診察を行う場合がありますので、持参ください。

必要時には処方などを行う場合があります。

 

詳しいお話を聞きたい方はご相談ください。

☎0422-22-1232

武蔵野市吉祥寺東町2-11-2 伊藤ビル1F

わかばひふ科クリニック

駐車場が2台になりました!

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2014年3月5日より、当クリニックの駐車場が2台になりました。

現在の駐車場に車を停めにくいという声が有りましたので、反対側にも1台分を確保いたしました。

 

以前の駐車場もそのまま使用できます。

ですが、かなり駐車しにくい部分でも有りますので、駐輪場及びベニーカー置き場としても

使用いただけるようにしました。

車が駐車していない場合に限り、自転車やベビーカーも停めることができます。

車が駐車している場合は申し訳ありませんが、自転車やベビーカーの駐輪はご遠慮ください。

新しい駐車場部分は自転車、ベビーカーの駐輪は使用禁止となります。

 

よろしくお願いします。

 

 

花粉症の時の目の周りのかゆみと湿疹対策

さて、今回も花粉症と皮膚の話をしていきましょう。

前回は鼻の話をしたので、今回は目の話です。

 

花粉症で目の周りの皮膚に湿疹を作る方も多くいますが、その原因はいくつかに分けることができます。

それに応じて治療法も考えていきましょう。

 

まず、最も多いものは結膜炎による皮膚のかゆみです。

結膜とはそもそも瞼の裏側に位置しています。

したがって、瞼の表側にも同様の炎症が起きることもよくあります。

そのために痒くなってしまうのです。

 

また、花粉症そのもので痒くなることもあります。

花粉皮膚炎と呼ばれることもありますが、花粉そのもので負けてしまい、皮膚が赤くなってしまいます。

 

もうひとつ忘れては行けないのが、擦る事による湿疹です。

前項でもお話しましたが、擦ることにより湿疹が悪化することはよくあるのです。

目が痒いので目の周りを擦ってしまう。

そのために湿疹ができてしまう。そして、目が痒くなる。

そんな悪循環を作ってしまうことにも注意が必要です。

 

この3つが花粉症に伴う瞼の湿疹の原因となります。

したがって、対策もそれぞれ考える必要があります。

 

まず結膜炎の影響。

これは結膜炎を何とかする必要があります。

目薬や飲み薬で瞼の湿疹を抑えることができるのです。

間接的ですけどね。

ついで花粉皮膚炎。

こちらはこまめに洗顔を行い、花粉そのものを落として上げる必要があります。

最後に擦れによる湿疹。

こちらも前項と同じ。保護と、湿疹対策ということになります。

 

湿疹対策にはステロイドの塗り薬がよく効きます。

しかし、ここにも気をつけるポイントが幾つかあります。

 

このお話は次回進めていきましょうか。

 

鼻をかみすぎた時のヒリヒリ対策をどうするか?

花粉症の時期になってきました。

けっこう辛いんですよね。外出が億劫になってしまうのも困りモノです。

せっかく暖かくなってきたのに・・・

 

ということで、今回は花粉症にともなう皮膚症状のお話をしていきたいと思います。

特に鼻の下のひりひりについてお話を進めていきましょう。

 

この鼻の下がヒリヒリした状態ですが、特に鼻をかみすぎると起きるのはご承知のことかと思います。

別に花粉症だけでなく、風邪を引いた時も同じですよね。

では、このヒリヒリした状態ですが、その皮膚には一体何が起きているのでしょうか。

 

専門的にはこのヒリヒリは「擦過性湿疹」の状態とかんがえることができます。

つまり、こすり過ぎることにより、湿疹が起きてしまうということです。

皮膚は一般に想像されているよりも弱いものです。

たまたま、症状としてはっきりと現れないので、見逃されているのです。

 

このヒリヒリした皮膚を取ってみて顕微鏡で観察すると湿疹の状態になっているでしょう。

(こんなことをした人はいないのではっきりとしたことは言えませんが・・・)

 

とすると、治療法も湿疹に対するものと同じになります。

 

まず、症状を抑えること。

これにはステロイドの塗り薬が有効です。

1回塗るだけでも劇的に楽になりますよー。

 

しかし、それよりも大切なのは予防です。

まず、鼻をかむモノの素材に拘ってみてください。

ティッシュよりはローションティッシュのほうが皮膚にはやさしいです。

本当はタオルで鼻をかめると良いのですが、これは難しいでしょう。

 

もう一つの予防策は保護すること。

皮膚の表面に軟膏の膜を作れば皮膚表面の刺激は弱くなりますからね。

市販のもので構いません。保湿剤を少し厚めに塗ること。

これだけでも、ずいぶん症状を抑えることができます。

そして、可能であれば鼻をかんだらすぐに保湿してください。

 

鼻の下のヒリヒリは予防である程度抑えこむことが可能です。

一手間増えてしまいますが、頑張ってやってみてくださいね。

 

 

追記

この鼻の下のヒリヒリですが、赤ちゃんについても言えるのです。

赤ちゃんのお肌は丁度大人の鼻の下の皮膚と同じような状況です。

つまり、大人が、「鼻の下ヒリヒリ」な行為と同じことを赤ちゃんにすれば・・・

赤ちゃんの肌も「鼻の下ヒリヒリ」になってしまうのです。

外来では、赤ちゃんにティッシュ使うなー。とか、ガーゼ使うなー。

なんてお話をしているのはそういうわけなのです。

大人が鼻をかんだ時にヒリヒリするようなことは

赤ちゃんにはしない。

というのも大事なことです。