わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

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しらみの月別データを確認してみた

小児皮膚科医を長い間しているのですが、考えてみたらシラミのデータはほとんど見たことが有りません。

一般的な病気であり、難しいものではないこと、治療法もある程度確立されたものが有ることから

あまり統計データが表に出てこないのでしょう。

 

実際に、以前に勤務していた成育医療センターでのデータも眺めてみたのですが、

数年間で数例しかデータが有りません。

とても季節の傾向がわかるものでは無いです。

思い返してみても診断をしたのは他の診療科に入院した子にできていました。

という状況が多かったです。

まあ、専門病院ですから、わざわざシラミで皮膚科を受診する子もいませんし、

予約から診察まで数週が経過しているうちに終息しますよね。

 

ということで開業してからのデータをひっくり返してみました。

スクリーンショット (2)

 

開業してから2年とちょっとですので、2,30例くらいのデータです。

秋に多いかなあ・・・

意外にもGWから梅雨にかけてもかなりの診断例があることが分かりました。

もう少しデータが増えればなんとなくですが、傾向は見えてくるかもしれませんね。

 

今年もしらみが増えているようです

シラミ

 

といっていますが、毎年、秋には流行していますよ。

幼稚園児や小学生がほとんどなので、あまり知られていないのですが。

また、局地的な流行なので、周りに出ていなければ全く知られることは無いのですが。

 

しらみは夏に感染します。

どうしても、プールや遊んでいる時に直接虫が乗り移るので仕方がない面も有るのですが。

そして、潜伏期が数週間あるということで、

秋のこの季節に多く発生するように見えるのです。

 

治療ですが、まず、薬は効かないものと考えて、治療を行うべきです。

スミスリンシャンプーが治療の中心に成るかと思いますが、

耐性率は30%を超えているはずです。

1/3が効かないのと、薬だけに頼ると結果的に治療期間が長くなるので、

あまりお勧めはしていません。

大事なのはとにかく髪を切ること、短くすること。

以前にも記事にしましたが、物理的に虫卵を取る事が大事になるのです。

男の子であれば丸刈りにするだけでしらみの駆除が出来るのですから

是非検討してみてください。

女の子でも髪の毛を短くすることは大切です。

 

怪しいと思ったらまず皮膚科を受診しましょう。

しらみの話を聞いたらまず髪の毛を確認し、見慣れないものが髪の毛についていないか確認しましょう。

またわからない時には家族も一緒に皮膚科を受診しましょうね。

シラミの卵

 

目と耳が使えなくても出来ること?

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目と耳が使えなくても出来ること?

どんなことが有るでしょうか。

あ、一つ条件追加です。

体も動かないと仮定したらどうでしょう?

どんなことをして時間を潰しますか?

 

年齢のこともあるのでしょう。昨年から今年にかけて

自分の周囲で、体調を崩して入院したり介護施設に入ったり、

認知症になったりと、いろいろな病気の話が聞こえてきます。

そして、いつ我が身にも振りかかるのか気になる用になってきました。

そこで、最初の質問です。

病気になって、入院し、

そこで時間を潰さなければいけなくなった時、

体が満足に動かなくなり、目と耳がダメになったらどうするのか?

いや流石にそうなったら何も出来ませんよね。

 

では、体はうごかない。耳は聞こえないけど、目が動くようであればどうしますか?

なにか、時間を潰すことが出来ますか?

みなさんはいかがでしょうか?テレビを見ているだけ?

まあ、その時はインターネットでもしていればいいかな?

と思います。

 

では、体は動かない。目は見えないけど、耳は聞こえるようであればどうしますか?

なにか、時間を潰すことは出来ますか?ラジオを聞いているだけ?

・・・うーん。それ以外に何か出来ることが想像できない。

 

となってしまいます。

多くの場合は、目か耳のいずれかは健在でももう片方が満足に働かなくなってくるようです。

なので、元気なうちから、そのような状態になっても時間を潰すことが出来る趣味を見つけておくと、

いいかもしれませんね。

現役の時にはバリバリのスポーツマンだった人が、

倒れた後に入院して、やることがなくて、つまらなさそうだった。

何てお話もありますし、最悪認知症が一気に進んでしまう話もありますしね。

 

仕事、スポーツ一筋だけではなく、いろいろな趣味を若い時から持っていたいものです。

2015年10月15日 勉強会のご案内

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勉強会のご案内

当クリニックでは毎週テーマを決めて勉強会を行なっております。
皆様のご参加をお待ちしております。

    
2015年10月15日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-024
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2015年11月5日
生後1ヶ月から6ヶ月までのスキンケア CS-A-022
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします
    
2015年11月19日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-025
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

2015年12月3日
生後1ヶ月から6ヶ月までのスキンケア CS-A-023
小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、
皮膚にやさしいスキンケアをお教えします
    
2015年12月17日
アトピー性皮膚炎と乾燥肌のはなし AD-A-026
アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断・治療について
当院での治療を希望される方は一度はご参加ください

時間
  開場 10:45
  講義 11:00-11:45
  質問の時間 11:45-12:00

    
場所
 わかばひふ科クリニック 待合室
  180-0002
  吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F
  0422-22-1232

定員
 6名

費用
 無料

講師
 野崎誠
  わかばひふ科クリニック院長

受講時の注意事項
 赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。
  他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。
  勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。
  おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。
 駐車場は2台分あります。予約は受け付けておりません。
  駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。
問い合わせは下のサイドメニュー内からの問い合わせフォームをご利用ください。
予約完了時の返送は行っておりません。ご注意ください。

予約時の注意事項
 キャンセルは前日まで、問い合わせフォームよりお願い致します。

個人情報について
 個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。
 各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。

お申し込みは下のカレンダーの該当する日時をクリックして行ってください。
問い合わせフォームからはお申込み出来ませんのでご注意ください。

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ガンの治療前にまず考えること

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まず、すべてのガンでなくなった方のご冥福をお祈りいたします。

 

最近のニュース記事を眺めながら、気になった事が一つあります。

ガンの治療についてです。

 

治療は「何をすべきか」考える前に、一つ注意すべきことがあります。

もちろんガンに限らずすべての病気について同じことが言えるのですが、

特にガンについては非常に重要な注意点になります。

 

それは、「治療を待てるのか?」です。

治療を待つことが出来るのか?もしくは待つ余裕がないのか?

これは非常に大きな問題になります。

待つ余裕の無いものであれば治療法の選択に時間をかける余裕は有りません。

逆に急がなくても良ければじっくりと治療法を検討できるのです。

 

ガンにかぎらず、治療法をどうするのかは大きな問題となります。

選択肢が多ければそれだけ難しい問題になります。

今、すぐに出来る治療法の他にも、どこかにより良い治療法があるのかもしれない。

ひょっとしたらベストな治療が受けられるのかもしれない。

と考えたくなるのは当然のことでしょう。

でも、ここに時間という考えを忘れると大きな落とし穴に嵌ってしまいます。

 

どういうことか?

治療法を探し、検討しているうちに時間切れになってしまう可能性があるのです。

 

治療法と治療効果だけを考えたら

何もしなかった場合<すぐに出来る治療法<どこかに有る治療法

ですよね。

でも、待てない病気だったらどうなるでしょうか?時間軸を追加して考えた場合は

すぐに出来る治療法>何もしなかった場合=どこかに有るかもしれないけれど探せなかった治療法

つまり、治療をしなかった場合と、見つけられなかった場合はイコールになってしまいます。

つまり、最悪の結果が待っているのです。

この場合の最善の方法は、すぐに出来る治療法を今すぐ始める場合になるんですね。

 

この時間軸についての考えかたは医療者の側からすると、あまりにも当たり前の事になります。

逆に当たり前すぎて患者さんにその考え方が伝わらないことも多いのです。

この、待てるのか待てないのかについては難しい問題です。

待てるにしても、どのレベルで待てるのかも異なります。

数週?数ヶ月?数年?

と、また話は変わってくるでしょう。

 

ただ、治療法をどうするか考える際にはどのくらい待てる。言い換えれば悩むことが出来るのかは

今後を左右する上で重大な問題になりますので、

もしもわからない場合は、主治医の先生に確認してみたほうがいいでしょうね。

 

難しい問題ですが・・・

子どもの足先が乾燥して割れている時には

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今回は前回に引き続き、足先の乾燥のお話です。

そして、今回は赤ちゃんよりも大きな年齢の子たちへの対処の方法です。

 

少し年齢が大きくなってくると、また様相は変わってきます。

変化の一番の原因は自分でいじってしまうこと。

赤ちゃんは気にはしますが、いじりません。

でも、幼児期以降になると自分でいじってしまうのです。

それで悪化してしまう。

 

では、どのようなことをしているのか?

まず、むしっています。

むしることにより、亀裂はより深くなります。

当然、痛みやかゆみ、しびれといった症状もより強く出現します。

もう一つ大事な点は出血すること。

それを気にして更にいじってしまう子もいますし、

出血した血液の中には痒みを増強する成分も含まれています。

そのためにより痒くなってしまうんです。

同様に、深く割ってしまう子もいます。

これも悪化する原因になりますし、深すぎる傷を作ってしまうと、

最終的には一生残る傷になることもあります。

また、細菌がついてしまうと二次感染を起こし、かなりの痛みが出てきます。

 

対処法は赤ちゃんと同じです。

靴下が一番大事。

でも、幼児になると靴下を脱いでしまうんですよね・・・

難しい問題です。

諦めずに履かせ続けるしか無いでしょう。

あと、カットバンはあまり良くないです。

特に粘着剤の張り付いた部分にふやけが出来てしまい、

割れがひどくなることがよく見られます。

乾燥をきらうあまりふやけさせると逆に悪化しますので、

注意してくださいね。

 

赤ちゃんの足先が乾燥して割れている時には

徐々に乾燥が強くなってきました。

そのせいもあってか、赤ちゃんの足の指が乾燥して受診する事が増えています。

これから、更にできやすくなるので注意しましょう。

 

赤ちゃんの足、特に指先の腹の部分が乾燥して割れるのは

生後半年から2歳くらいまでです。

その後も出る子はいますが、小学生くらいになるとだいぶ減り、

中学生以降ではほとんど見られません。

どうも生活習慣が大きく影響しているみたいです。

 

というのも、みんな裸足で歩いているから。

です。

 

話を聞いてみると、いつも靴下を履いている子でこのような症状が出る子はほとんどいません。

いつも裸足で歩いている子がほとんどです。

そして床はフローリングか畳敷きの事が多いようです。

じゅうたんという子はいません。

ただし、ホットカーペットは要注意です。

 

また、冬になって床暖房をしている家では多く見られるようです。

ホットカーペットもまた同様です。

 

ということから考えると、原因は乾燥と考えられます。

裸足で、床を歩くときに床に皮膚の油が取られてしまう。

そのために乾燥し、割れてしまうんですね。

ちょうど手荒れの足指版といったところでしょう。

 

対策も手荒れの時と同様です。

かゆみやひりひりが出るようであればステロイドを塗って抑えこむ。

そして保湿剤をしっかりと普段から使っていく。

そして靴下を履いて、乾燥した床を直接触らないようにブロックする

ということが大切になってくるのです。

 

もちろん痒みや痛み、ひりつきが出るようであれば受診して

薬をもらったほうがより早く治るでしょう。

 

あと、もう一点ケアで大切なこと。

それは素足のまま靴を履かないことです。

歩いて擦れて刺激になり、乾燥して割れる。

という流れで出ますので、靴をはくときもしっかりと靴下を予め履いたほうが良いでしょう。

 

冬になってから、症状が出てから治療を行うよりも、

冬になる前、症状が出る前に予防したほうが手間も暇もコストも掛かりません。

ぜひ、いまから注意してあげてくださいね。

手荒れの悪化にご注意を

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秋です。夏はもう遥か彼方です。

水も冷たくなってきましたね。

というわけで、手湿疹の話です。

 

手湿疹の悪化する原因はたくさんあります。

その中でも大きなものが「お湯」なんです。

水を使うよりもお湯を使うほうが手荒れは悪くなりやすいんです。

お湯の方が油が良く落ちてしまうからなんです。

 

というわけで、寒くなって、洗い物が水からお湯に変わると、湿疹は悪化することが多いのです。

割れて痛く・痒くなるまえにしっかりと治療をすることが大事です。

保湿剤ももちろん大切ですから、暇を見て、しっかりと保湿してくださいね。

 

赤ちゃんの湿疹が悪化しています

新生児

連休が明けて、本格的な秋になりました。

どうも最近湿疹が悪化して受診する赤ちゃんが多くなった印象があります。

 

原因についてはいろいろ考えられますが、

まず、湿度が下がったことがあります。

今年は特に湿度の下がりが早く、例年の10月中旬程度まで下がっている印象があります。

現在の室内の湿度は60%。低めですね。

そのために乾燥が強くなり、湿疹が悪化しているようです。

乾燥はより強くなりますので、乾燥性湿疹も今後より悪化すると思われます。

 

もう一つは温度が下がったこと。

気温が直接影響をしているわけではないようですが、

温度が下がると、汗をかかなくなる。

結果として顔を洗ったり、流したりする頻度が下がる。

そのためによだれや皮脂により湿疹が発生する

というわけで湿疹が発生するようです。

 

湿疹は発生して時間が経つと治りにくくなります。

そして、より強い薬をより長い時間使う必要が出てきます。

結果として副作用の問題も出てくるのです。

 

湿疹は早めに治療を開始し、早めに治すことが大切です。

赤ちゃんが痒がるようでしたら早めに受診させてくださいね。

ヒートテック皮膚炎?

ヒートテックを始めとする機能性肌着。

特に冬場は温熱肌着の厄介になるかたも多いかと思います。

しかし、その下着が湿疹を悪くすることも有るのです。

 

よく見られるのが、小さな子ども。

年齢は幼稚園前から小学校入学前くらい。

大腿2歳から5歳位でしょうか。

男の子よりも女の子のほうが多いかな?

 

症状はみんな似ています。

背中の上半分。特に中心部に乾燥と引っかき傷ができること。

同じように左右の肩甲骨の直下にも同じような湿疹ができます。

体の他の部分の乾燥はあまり強くないのに、何故か背中だけ症状が強いです。

 

高齢者は少し違います。

下着の中全体です。

高齢者は乾燥が強く、粉を吹いていることも有ります。

痒いのは一緒です。

 

なぜこのような症状が出来るのか?

実はよくわかっていませんが、いくつか可能性が有ります。

まず皮膚及び皮膚と下着の間の温度が上がることにより、

痒みを強く感じる用になること。

また、下着と皮膚がこすれることも影響としてはあるかもしれません。

 

いずれにしてもあまり小さな子に、あったか下着を着せると思わぬトラブルになることもあります。

寒そうか、そうではないかをよく見ながら洋服は選ぶようにしましょう。