今週に入ってから毛虫が原因とかんがえられる湿疹が増加して来ました。
庭仕事をしたその日から翌日にかけて、強いかゆみを伴う湿疹がでてきた場合、
原因は毛虫であることが多いです。
放っておいても落ち着くまで時間がかかりますので、
早めに受診して下さい。
毛虫の詳しい話についてはまた今度。
今回は注意喚起のご報告です。
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
武蔵野市吉祥寺、わかばひふ科の1週間の振り返りと来週の予報、当院からのお知らせです。
00:26 <今週の外来傾向> 毛包炎
05:38 <来週のアトピー> 保湿剤はローション基剤に変更を進めています
07:11 <混雑予想> やや混雑
09:25 <おしらせ>
運動会1週間前からはいぼの治療は中断します
スギの舌下免疫は開始すみ。なおヒノキは6月2日から
夏休みの予定(未決定)
毒蛾皮膚炎(毛虫皮膚炎)ですが、先週末から更に患者さんが増えて来ました。
どうもチャドクガの幼虫が老齢となり、単独行動を始めだしたようです。
そろそろ成虫になるので、患者さんの数は減るかと思いますが、まだ注意が必要な状態です。
チャドクガの患者さんを診察しているうちに、どうも私にも伝染ったようです。
首に2箇所、左に1箇所湿疹ができました。
いまはだいぶ落ち着きましたが。やはり痒みはかなり強いようです。
さて、チャドクガの湿疹はなぜ伝染するのか?それが原因がトゲだからです。
チャドクガの毛にた沢山のトゲ(毒針)が密集しています。
特に、毛虫がびっくりした時には沢山のトゲが体から外に撒き散らされます。
そのトゲが皮膚にささり、トゲの表面のタンパク質に対し抗原抗体反応が生じたために
いわゆる湿疹が出来上がるのです。
そのトゲは体に刺さった後も、ちょっとしたきっかけで再度皮膚から外れ、コロコロと転がってしまい、
また別のところに刺さるのです。
また、トゲが他の人にも伝染ることになります。
同様に洗濯物にもトゲのみが風で飛んできて、刺さってしまう。
それを着た人に湿疹ができてしまうということもあるのです。
別の芋虫のように、死んでしまえば毒がなくなるわけではなく、毛虫の死体のトゲにも
湿疹の反応を起こす力は残っているので、要注意です。
特に毛虫を駆除するときには皮膚を出さないようにくれぐれも注意してくださいね。
・・・・・・防護服?
ハチ用はありますが、毛虫用は見たことないですね・・・・・・
母乳石鹸について、いろいろ見ていたのですが気になることが一つ有りました。
この石鹸、他人に使うのはNGですよ?
母乳とは何か?
いろいろな考え方がありますが、一番夢も希望も無い考え方をしましょう。
原料は血液です。(体液と言ってもいいですが)
お母さんの血液に含まれている成分から、
母乳を作る腺細胞が乳管の中に分泌する。
それが母乳として、赤ちゃんが口にするわけです。
ここで考えなければいけないのは母乳とは血液に類似したものであり、
血液内に病原微生物がいた場合、その微生物を赤ちゃんに移す可能性があるということです。
また、母乳を絞る際に皮膚に存在している病原微生物も移す可能性があるということです。
幾つか例を上げましょう。
お母さんの乳房にヘルペスができることが稀ですが有ります。
その時は赤ちゃんに母乳を上げることが禁止されます。
さらに、ヘルペスの症状がないときでも、ヘルペスのウイルスのみが乳房表面に
出現することが有ります。
もしも、その時の母乳から石鹸を作ったら・・・?
また、HTLV-1というウイルスがあります。
このウイルスを持っているお母さんは母乳を介して赤ちゃんにウイルスを伝えてしまいます。
もっとも、出産前にこのウイルスを検査し、ウイルスが存在している場合は、
母乳を与えてはいけないことになっていますが、もしもお母さんが
「石鹸だったら大丈夫」と考え、石鹸を作り、使った場合は・・・?
理論上は、このように病原微生物が伝播する可能性もあるのです。
母乳石鹸。面白い製品だと感じました。しかし、これは自分で使うのは構わないと思いますが、
さすがに、誰かにあげるのは遠慮したほうが良さそうです。
春になりました。
花粉も沢山飛んでいますね。
花粉症は今年はわるくなりそうですね・・・
さて、今回のお話は母乳石鹸のお話です。
母乳石鹸。初めて知りました・・・
母乳石鹸はどのようにして作っているのか?
詳しく調べてみると、石鹸の素と母乳を混ぜあわせ、必要があれば精油を入れて、
石鹸を固形化して作るみたいですね。
この母乳石鹸。過去の化粧品のトラブルを横目で見ていた人間としては少し心配です。
また、新しい接触皮膚炎や食物アレルギーのリスクにならなければ良いのですが。
じつは「また」と言ったのは先例があるからです。
それは「茶のしずく石鹸」です。
現在の製品とは成分が違い、過去の製品には「小麦の加水分解産物」が含まれていました。
この成分(正確にはグルパールS19と言います)のために、使用者が小麦アレルギーを発症してしまい、
大きな社会問題になりました。
現在はその成分の入った石鹸は回収対象となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/cyanoshizuku/index.html
この事件はさまざまな教訓を残しましたが、少なくとも私が感じたものは
「食物由来成分を皮膚に塗っちゃダメ」
というものです。
更に、石鹸という皮膚のバリアを壊す成分と一緒に入れることは、その食品に対する食物アレルギーを
発症するリスクを更に上げる行為とも考えられます。
それ以来、食品由来成分が含有されている化粧品は薦めないようにしていました。
さて、お話を戻しましょう。
母乳石鹸というくらいですから、成分の中には母乳が入っています。
この母乳ですが、当然のことながらお母さんが摂取した食品由来の成分も含んでいることが
考えられます。
したがって、その食物由来の成分が赤ちゃんのお肌から吸収されることがあれば、
理論上はその成分に対して食物アレルギーを発症する可能性もあるのです。
現時点ではそのようなアレルギーを起こす確率は不明としかいうことが出来ません。
しかし、全くゼロとも言い切ることが出来ない以上、
リスクが無いと言い切ることはどうかと思います。
あとは、作成される方はこのような可能性も有るということを考えた上で、
決断してほしいものだと思います。
追記
もう一つリスクが有りました。
精油成分です。
精油ももともと人体に存在しない成分であれば、接触皮膚炎を起こすリスクは否定できません。
特に皮膚炎を起こさない濃度を簡単に測定することは難しいために
濃度によっては精油によるリスクも検討すべきでしょう。
武蔵野市より連絡がありました。
当院でも手続きを進めておりますが、18歳まで無料で外来が受診できるようになるようです。
該当者の方には武蔵野市より申請書が郵送されるようですので、申込みをお願いします。
注意事項もいくつかありますので詳しく確認しておいたほうが良さそうですね。
皮膚科についてもある程度の影響はありそうです。
一番大きいのは、アトピー性皮膚炎の治療についてでしょうか?
現在デュピクセント(15才以上)、オルミエント(15才以上)、リンヴォック(12才以上)といった薬剤が使用可能になっております。
特にこれらの薬剤は効果が高いのですが月に数万円以上という高額の医療費を要する薬剤となります。
これらについての助成が受けられるということで、高校生のアトピー性皮膚炎の治療については大きな改善が見込めるようになります。
4月から助成制度使用可能ということですので、2月3月から受診していただき薬剤の説明及びオルミエント、リンヴォックについては
事前検査を行うことで4月からのアトピー性皮膚炎の追加治療を行うことができますので、今から行動するのも良いかと思います。
希望者の方は一度外来でご相談ください。今後の段取りについて相談させていただきます。
リンクはこちらです。
武蔵野市の新型コロナウイルスワクチンの接種可能医療機関が公開されました。
市民からの問い合わせがあり、健康課がまとめてくださったのです。
うちも含め、結構ありますよ。
接種希望の方はそれぞれの医療機関にご相談くださいね。
次亜塩素酸ですね。
今日、ホームセンターに行ったらまだ販売されていたようなので、記事にします。
次亜塩素酸というと、ピンと来ないかもしれませんが、
プールの底に沈んでいる白い塊がアレです。
小学生の頃に、(え、幼稚園?)「プールの底の白い塊には触れてはいけません」という
注意を聞いたこともあるかと思います。まあ、昔は気にせずに触っていましたけどね。
アレは次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、
水に溶けたら徐々に塩酸となり、塩素を供給するものです。
その塩素でもって殺菌するわけですね。
それを応用して(誰が考えたのかしりませんが)
「次亜塩素酸の錠剤を作って、首から下げれば、インフルエンザの予防になるんじゃね?」
と作られたのが、いわゆる空間除菌剤と呼ばれるものです。
でも、これ、
使わないでください。(そこまでいかなくても、私は絶対に他人には薦めません)
塩素が出るのはいいんですが、(いや、本当はあまり良くないんですよ。)
その塩素が高い濃度で皮膚や洋服に張り付く訳です。
あとは、抱っこしている赤ちゃんとか。
その塩素は皮膚や洋服に対して非常に強い反応を示します。
(洋服についた塩素は脱色し、繊維をボロボロにするだけですが、)
皮膚につくと大変なことになります。
私達が「化学熱傷」と呼んでいるものですが、
強いかぶれの反応が起きます。
あたかも、やけどをして、皮膚がべろりと剥けるような。
当然、そのような強い反応が起きたら皮膚にキズが残る可能性があります。
場合によっては一生残ってしまうかもしれません。
実際に、そのような事例の報告があり(消費者庁HP)、ある商品については厚生省は回収命令を出しています。
消費者庁のHPには実際に起こった症状が掲載されています。
これだけのリスクを冒してまで得られるメリットですが、どうもはっきりとしたものはないようです。
少なくとも有名ドコロの医療機関で採用したという話はありませんので、
感染予防効果は少ないと考えて良いのではないでしょうか。
まあ、新しいものを出すのはいいんですが、
きちんと検証しましょうよ。という話でした。
今週、吉祥寺の東急百貨店にワークマン女子が入るとニュースになっていましたね。
メーカーさんのサイトはこちら。
メディアでもよく取り上げられるようになりましたが、
作業着を高機能化し、町中でも着られるように、誰でも着られるように
進化させたものと考えています。
その少し前にはスポーツウエアのファッション化もありましたし、
幅広い業界からの流入があるようですね。
そして高機能化も進んでいるように見えます。
夏は速乾性や汗の匂い抑制などもありましたでしょうか?
ときにこれからの季節については保温、防寒といったものが機能性の主体となるのでしょう。
保温防寒自体はありがたいですし、積極的に取り入れても良いかと思います。
しかし気をつけてほしいのは逆に室内の温度の高いところでは発汗してしまうということですね。
室内に入ってすぐに脱いで体温の上昇を抑えるなどの対策が必要になることもあります。
実際、皮膚科の診察をしていると数年前よりも明らかに大人の汗疹がふえてきたように思えます。
症状自体は軽くしっかりと治療すればすぐに収まるのですが、市販薬などでかぶれてしまい、
逆に長期化してしまうケースも有りました。
汗疹といえば夏というわけでもないようで、冬場もしっかりと汗の対策を
行っていく必要がありそうです。
欲を言えば朝起きたとき、帰宅直後のシャワーは冬場もしっかりと行っていきたいものです。
冬もしっかり汗の管理をしていきましょう。